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不動産税制・法制度が不動産投資に与えるリスク 不動産の利用に関する法律

前回は、不動産の権利に関する法律が不動産投資に与えるリスクとして、「借地借家法」を中心に解説いたしました。今回は「不動産の利用に関する法律が不動産投資に与えるリスク」について解説いたします。

不動産の利用に関する法律とは

不動産は個人の財産という側面と同時に公共的な側面をもっており、不動産の利用に一定の制限を設けなければ無秩序な都市になってしまう恐れがあります。そのため、都市計画法建築基準法によって建物などを建築する際の土地利用や建物用途、規模などを規制しています。
都市計画法とは計画的な街づくりのための枠組みと基本的なルールを定めた法律であり、建築基準法とは安全で秩序ある街づくりのために個別の建物を細かく制限した法律となっています。

都市計画法と不動産の利用制限

image 都市計画法では、無秩序な開発や市街化を防ぎ、計画的な都市を作るため、都市計画法の及ぶ都市計画区域を定め、その中に市街化区域として「市街化区域」と「市街化調整区域」を定めております。市街化区域とは市街化を促進するあるいは既に市街化されている地域であり、市街化調整区域は抑制すべき区域です。
● 都市計画法による利用制限
都市計画区域 市街化区域 すでに市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域。用途地域を定める。
市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域。原則、用途地域を定めない。
上記のような都市計画法による区域の区分によって土地の利用が大きく制限されています。市街化区域は市街化すべき区域ですので当然、建物の建築を認められておりますが、市街化調整区域は市街化を抑制する区域ですので、例外を除いては、建物が建築できません。
また、市街化区域内では建物を建築することが可能ですが、無秩序な開発を防ぐために建物の利用用途を細かく定めた「用途地域」を定めています。用途地域は大きく「商業用建物が集積すべき区域」と「工業用建物が集積すべき区域」と「住宅が集積すべき区域」の3つに別れ、これを更に細かく合計12種類に分類しております。
● 用途地域
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市街化区域 住居系の用途地域 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
商業系の用途地域 近隣商業地域
商業地域
工業系の用途地域 準工業地域
工業地域
工業専用地域
上記のような用途地域の区分によって建築可能な建物の用途が制限されております。特に住居系の用途地域では、住環境の保護という観点から、工業、商業などを目的とする建物について、建築に大きな制約があったり建築できない場合もあります。
このように都市計画法では都市の明確な区分により無秩序な市街地の形成を防いでいるのです。したがって所有している土地、建物であっても用途地域の制限によって自分勝手に好きな用途の建物を建築することはできないのです。
また都市計画法では都市の防災や利便性の向上などの為に、道路計画や公園施設などを定めております。これにより計画道路や公園予定地などの土地の利用は更に制約を受けることとなります。

建築基準法と建物の利用制限

image 都市計画法は都市全体のエリア分けによる土地の利用制限ですが、建築基準法は更に個別の土地利用について制限した法律です。建築基準法では、道路と建築物の敷地の関係や建物の規模、および建物の高さなどを規制しております。
● 建築基準法による制限
道路と敷地の関係 建築物の敷地は原則、幅4m以上の道路に2m以上接していること
建物の規模の制限 建ぺい率(敷地に対する建築物の建築面積の割合)
容積率(敷地に対する建築物の床面積の割合)
・それぞれ用途地域によって割合が異なる
建物の高さ制限 絶対高さの制限や斜線制限とよばれる各部分の高さ制限、日影による高さ制限など
このように建築基準法では建築する場所(用途地域)によって建物の高さや規模が細かく規制されております。
更に、建築基準法では適法に建築されていることを証明するために、建築主は建築計画段階の図面による確認審査と、建築後、図面どおり適法に建築されたという検査をしなければなりません。行政や行政に委託された業者は、適法に建築された事を証明するために建築前に「建築確認済証」を、建物完成後に「検査済証」という証明書を発行します。この証明書の交付を受けていない場合は、適法に建築されていないとみなされます。また、この証明書の交付を受けていない建物については「違反建築物」とみなされ、金融機関による融資が受けられません。したがって融資金による購入はおろか、仮に現金で購入できたとしても、なかなか売却できないことになります。

条例と不動産の利用規制

ここまで述べてきたように、都市計画法や建築基準法という日本全国共通のルールによって、建物は利用用途や規模の制限を受けております。
また、地域によっては、これに加えて各地方自治体の定める条例により建築物を制限している場合があるので、物件所在地で施行されている条例にも注意が必要です。
● 主な建築物の条例
安全条例 建築物の避難通路の確保など
ワンルーム条例 ワンルームの1戸あたりの最低面積規制、戸数の制限など
*ワンルーム建築に対して独自に課税する自治体もある
付置義務条例 住宅戸数に対する駐車場、駐輪場の設置割合定めたもの
店舗、事務所に対する住宅の設置義務 など
その他 敷地の分割規制(狭小土地、住宅の分譲を規制)
景観条例(街の景観を乱す建築物の制限)など

まとめ

このように不動産は私有財産ですが公共的な側面も持ち合わせているため、法律や条令によって建物の利用用途や規模が細かく制限されており、自由に利用、活用できません。特に建築物の規模に関する制限は建物の収益力に直接大きな影響を与えます。
このような法律や条例は時代背景とともに改正され、その内容によっては不動産投資にプラスの影響を与えたり、逆にマイナスの影響を与える可能性もありますので、不動産をとりまく法律については常に情報収集をしておく必要があります。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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