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不動産税制・法制度が不動産投資に与えるリスク 不動産保有時、売却時に課せられる税金

前回は不動産税制が不動産投資に与えるリスクとして、主に不動産取得税制についてお話いたしました。これまでは不動産デフレの脱却の為、不動産流通を促進しようとの観点から、不動産取得に関する税金は時限的に軽減の方向で進んでいました。しかし、一部地域での不動産の底入れ感と税収不足の観点から、今後の不動産取得に関する税金は上昇傾向にあるといえるでしょう。 今回は、不動産の保有時における税制と売却時における税制が、不動産投資にどれだけの影響を与えるかを考えてみます。

不動産保有時における税金

image 不動産保有時における税金として挙げられるのが「固定資産税」と「都市計画税」です。いずれも不動産(土地・建物)を保有している人全員に課税され、しかも保有している限り毎年課される税金です。(都市計画税は都市計画法における「市街化区域」に不動産を保有している人に課されます)固定資産税・都市計画税の概要は以下のとおりです。
固定資産税=課税標準(固定資産税評価額)×1.4%
都市計画税=課税標準(固定資産税評価額)×0.3%
固定資産税の税率は原則1.4%ですが、市町村によって異なる税率に設定できることとなっております。したがって、不動産を保有する場所によって固定資産税率が異なる場合があります。

固定資産税の算定基準と今後の動向

固定資産税は固定資産税評価額を課税標準(税率を掛ける基となる数字)として税額を算定します。固定資産税評価額は3年に一度(次回は平成21年)見直され、現在は国による土地の時価算定の目安となる公示価格の約70%の水準となっております。この70%という水準は平成6年に行われた評価替え以降の水準であり、それ以前は公示価格の約20~30%水準が固定資産税評価額となっておりました。その為、平成6年以降は固定資産税評価額が一気に倍以上となり、結果的に固定資産税・都市計画税額も一気に上昇することを配慮して、平成6年以降、現在に至るまでは負担の調整がなされております。
したがって、今後この負担の調整が税制の改正等によって無くなってしまったり、平成6年の評価替えのような課税標準の引き上げがなされたり、地価が上昇したりすると必然的に固定資産税評価額も上昇し、固定資産税額および都市計画税額も増えることとなります。このような不動産の保有税制が取り扱いの変更を受けることにより、不動産投資における収益圧迫のリスクが伴います。 image

不動産売却時における税金と今後の動向

不動産を売却する場合、売却により得られた利益に対して所得税・住民税が課されます。これを不動産の譲渡益課税と呼びます。不動産の譲渡益(売却によって得られた利益)の税率は以下のように計算されます。
{不動産の売却価格-(不動産の取得に要した費用+不動産の譲渡に要した費用)}×税率
不動産を売却したことによる利益に対する税金ですので、利益が出なければ税金は課されません。現在、税率は所得税、住民税合計で20%(不動産を5年超保有後売却した場合)となっておりますが、かつてバブルと呼ばれていた地価高騰の時代は所得税、住民税合計で39%と現在の約2倍でした。それが地価の下落とともに32.5%となり、26%となり現在の20%となっております。今後地価が上昇基調になった場合は、課税を強化する可能性も出てきます。
image また、現在は不動産の流通を促進するために、一定の要件を充たした事業用の不動産を売却し、新たに投資用不動産に買い替えをした場合などの税金が時限的に優遇されております。(売却して得られた利益の80%までを課税しない「買換え特例」)このような事から、郊外の収益性の低いアパートや駐車場を売却して、都心部の高収益不動産を購入するなど、不動産の積極的な組み換えが可能となっております。しかし、これも時限的な措置となっておりますので景気回復とともに改正される可能性があります。

その他の税金

前述した以外にも注意しなければいけない税金に「消費税」があげられます。不動産では土地には消費税が課せられませんが、建物には5%の消費税が課されます。かつて消費税が3%から5%に上昇するときは一時的に不動産(建物)の駆け込み需要が起こりました。これからは消費税の上昇が避けられない状況のようです。消費税が上昇した場合、ストレートに建物価格に反映してしまいますので、少なからず不動産投資にも影響を与えることになるでしょう。

税制の改正と不動産投資のタイミング

一般的に税制の改正は毎年12月中旬に、政府与党から「税制改正大綱」として纏められ、あらかじめ国民にアナウンスされた上で、翌年の4月に施行されます。
それぞれの改正の内容によって適用期日が決められますので税制改正の内容を踏まえて投資のタイミングを見計らうことも、上手な不動産投資戦略のポイントです。例えば4月1日以降に不動産取得税制がアップすることがあらかじめわかっている場合は、それ以前に購入する。逆に軽減されることがわかっている場合は改正日以降に取得するなどと言った方法です。税制の改正情報を常に収集し、不動産投資にプラスなのか、マイナスなのか、自分にはどのような影響があるのかを考え、判断することが大事なポイントです。

まとめ

前回~今回と、2回に分けて不動産をとりまく税制とそのリスクについて解説いたしました。税制の変更は不動産投資家の努力によって変えられるものではありません。したがって自分でコントロール、予測のできない一番大きなリスクともいえるでしょう。
このようなリスクを軽減するためには、毎年行われる不動産税制の変化をキャッチすること、そして不動産の税制に詳しい税理士など、専門家への相談窓口を確保することです。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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不動産投資の気になるTOPICS

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