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不動産税制・法制度が不動産投資に与えるリスク 不動産取得時に課せられる税金

不動産は取得時、保有時、売却時とそれぞれの場面においてさまざまな税金が課されます。この税金の仕組みをきちんと把握することが不動産投資において大事なポイントとなります。また税制はその時々の経済情勢などによって政策的に毎年改正されます。不動産投資において有利な税制改正もあれば、そうでない改正もあります。今回は不動産投資における税制と不動産投資にあたえる影響について、不動産取得に関する税金を中心に解説いたします。

不動産をとりまく税金

不動産は取得時、保有時、売却時において税金が課されます。
それぞれの場面においてどのような税金が課せられるか以下の表(参考図表1)にまとめてみました。
●(参考図表1)不動産と税金
取得したとき 印紙税
登録免許税
不動産取得税
*贈与税・相続税
保有しているとき 固定資産税・都市計画税
所得税・住民税(個人)
*地価税
売却したとき 所得税・住民税(個人)
*土地譲渡益の重課税(法人)

不動産を取得したときの税金

不動産を取得する場合、印紙税・登録免許税不動産取得税が課されます。また、不動産を贈与により取得する場合は贈与税が課され、相続により取得する場合は被相続人の残した財産の金額によって相続税が課される場合もあります。
1.印紙税 不動産の売買契約書に記載された金額に応じて課される税金です。記載された売買金額が大きいほど税額も多くなります。バブル崩壊以降、長引いていた不動産デフレを少しでも克服し、不動産流通を促進させようという観点から平成21年3月31日までは時限的に以下(参考図表2)のように軽減されておりますが、それ以降は本則の税額に戻る、すなわち印紙税がアップするおそれがあります。
●(参考図表2)印紙税率(不動産売買契約書に記載された金額)
記載金額 平成21年3月31日迄 本 則
500万円超 1000万円以下 10,000円 10,000円
1000万円超 5000万円以下 15,000円 20,000円
5000万円超 1億円以下 45,000円 60,000円
1億円超 5億円以下 80,000円 100,000円
5億円超 10億円以下 180,000円 200,000円
2.登録免許税 売買などによって取得した事実を公示するため所有権などの権利を登記する場合は登録免許税が課されます。登録免許税は以下の算式により求められます。
登録免許税=固定資産税評価額×税率
また、登録免許税も平成25年3月31日まで、時限的に以下の通り軽減措置が設けられており、それ以降は本則の税率に戻る可能性があります。
登記の内容 取得時期 税率
売買等による所有権の移転 土地 平成23年3月31日迄 1.0%
平成23年4月1日~平成24年3月31日 1.3%
平成24年4月1日~平成25年3月31日 1.5%
本則の税率 2.0%
建物 本則の税率 2.0%
※一定の要件を充たした自己の居住用建物の場合は軽減措置の適用があります。
また、抵当権の設定については、債権金額の0.4%が登録免許税となります。
3.不動産取得税 売買などにより不動産を取得した場合は不動産取得税が課されます。
不動産取得税は以下の算式により求められます。
不動産取得税=固定資産税評価額×3%
上記の3%という税率は平成21年3月31日までに取得した場合の軽減税率となっており、平成21年4月1日以降は税率が本則の4%に上昇する可能性があります。
また、土地については以下のような軽減措置がとられております。
土地にかかる不動産取得税=固定資産税評価額×1/2×3%
このように土地の不動産取得税は現在1/2に軽減されております。しかし、この、土地にかかる不動産取得税の軽減措置は平成21年3月31日までの時限的措置となっておりますので、平成21年4月1日以降は軽減措置がなくなり、土地にかかる不動産取得税が倍になる可能性があります。
居住用に限っては、建物にかかる不動産取得税に、以下のような特例措置が設けられており、結果的に税金が軽減されることとなります。
住宅用建物にかかる不動産取得税=(固定資産税評価額-控除額)×3%
住宅以外の建物にかかる不動産取得税=固定資産税評価額×3.5%
●(参考図表3)
新築住宅 中古住宅
要 件 居住の用に供する建物
(貸家も可)
自己の居住用に供する建物
床面積 50m2(戸建以外の貸家は40m2)以上240m2以下 50m2以上240m2以下
控除額 1,200万円 H9.4.1以降 1,200万円
H9.3.31迄 1,000万円
H1.3.31迄 450万円
S60.6.30迄 420万円
S56.6.30迄 350万円
S51.3.31迄 なし
上記(参考図表3)のように新築の場合は共同住宅のような貸家についても軽減措置が設けられております。共同住宅の場合は住居ごとに40m2以上であれば、各戸それぞれ控除することが可能となっております。

固定資産税評価額の増減により税金が大きく変わるリスク

前述した登録免許税、不動産取得税は「固定資産税評価額」を基準に税金を算出します。固定資産税評価額は各市区町村(東京23区については都)が3年に一度評価の見直しをしております。したがって、この評価の見直しにより固定資産税評価額が上下した場合、必然的に、登録免許税、不動産取得税も増減することとなります。次回の固定資産税の評価見直しは平成21年となっておりますので評価の動向が注目されるところです。

まとめ

バブル崩壊以降の長い不動産デフレの脱却を図るため、現在の税制においては、前述したように不動産取得に関する税金が軽減されております。しかし、いずれも景気回復のための時限的な措置であり、来年以降の税制改正によっては時限措置が外される可能性もあります。
このように不動産投資には税制によって不動産取得コストが大きく上下するリスクが伴いますので、毎年改正される税制に注目し、情報収集をする事が上手な不動産投資をする上での大事なポイントとなります。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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不動産投資の気になるTOPICS

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