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不動産投資のポイント収入におけるリスク対応 安定収入を得るための工夫

前回は、家賃保障や滞納保障といった不動産管理手法によって賃料収入に関するリスクを軽減する方法についてお話しました。ただし、安定収入を得るためには、投資する不動産が借主にとっていかに魅力的に感じる物件か、ということが最も重要なポイントとなります。今回は安定した賃料収入を生むための工夫を中心にお話します。

条件面で差別化を図る

住居、事務所を問わず、物件の供給量が多い現在において、安定収入を得るためには魅力的な物件づくりが大事なポイントとなります。まず、容易に競争力のある物件にする方法として、「家賃などの金銭的条件を魅力的なものにする」という方法があります。収益に直接ダメージを与えるため、なるべく避けたい方法ですが、長期間、空室により賃料が得られない場合に比べると、即効性がありインパクトのある方法です。
条件面において差別化を図るには以下のような方法があげられます。
条 件
方法など
賃 料
賃料の減額
一定期間賃料を無料にする(フリーレントと呼ばれ、競争の激しいオフィスなどではよく使われる方法)
賃料のまとめ払いによる減額(3ヶ月や半年分など、まとめ払いする場合には一定額割り引く方法)
契約の一時金
礼金や敷金、保証金などの一時金を少なくする、無くす
更新料を無くす
*礼金などの一時金は、かつての住宅不足の時代の名残であり、借り手市場の現在では一時金の慣習が薄れてきている
不動産会社への
報酬
なかなか埋まらない空室を埋めてもらいたい場合など、特別に努力してもらった場合は、コンサル料などの成功報酬を仲介業者に支払う(不動産仲介業者へのインセンティブが強くはたらく)。ただし、宅建業法を遵守しなければならないので注意が必要(仲介手数料名目であれば貸主、借主双方あわせて賃料の1ヶ月ぶんが上限となっている)。
以上のような条件面での工夫によって、即効性のある魅力的な物件をつくることができます。条件を変えるのはオーナーにとって非常に勇気のいることですが、傷が大きくならないうちに検討することが必要です。
このようなことから不動産の投資時において適正な賃料(競争力のある賃料)を頭に入れて、利回りを計算しておく必要があります。

入居者の層を広げ、差別化を図る

立地条件、建物のグレード、条件等、十分に魅力がある物件の場合は、ある程度、入居者に制限を設けることによって入居者の質を保つことが可能となります。しかし、特別な魅力のない物件は、入居の条件を緩和することによって差別化を図ることが可能になります。最近では以下のように入居条件を緩和し、差別化している物件が増えてきています。
条件
留意点
ペット可能 敷金を多めに預け入れてもらう
楽器使用可能 防音工事が必要
外国人可能 日本人の連帯保証人がいると望ましい
連帯保証人不要 信販会社の保証を申し込むべき
オートバイ可 オートバイ置き場の確保が必要
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上記のような条件で入居者を受け入れてくれる物件は、まだまだ少ないため、立地条件が少々悪くても、賃料などの条件を緩和することなく、入居者の確保が可能となります。

収入に関するリスクを軽減するための工夫とアイデア

前述したほかにも安定収入を得るためのさまざまな工夫とアイデアがありますのでご紹介します。
1.広告設置などによる収入アップ 物件の立地にもよりますが、屋上広告や壁面広告を募ることによって収入の選択肢が広がります。また、屋上のアンテナ設置で収入を効果的に上げたり、空きスペースに自動販売機を設置することによっても収入アップが可能となります。
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2.用途転換による収入アップ(コンバージョン) 建物の使用用途を変更することによって、安定した賃料収入を得る、また収益をアップさせる方法です。一般的には同一地域内での住居と事務所の賃料を比較した場合、事務所の方が住居より賃料単価は高くなります。
しかし、最近では、都市中心部における小規模オフィスビルの空室による賃料低下と、地価の下落による都心部での住居人気によって、住居の賃料単価が事務所の賃料単価を逆転してうわまわっている地域が出てきています。この事務所賃料と住居賃料の逆転現象のことをレントギャップと呼びますが、このレントギャップが生じている地域では、事務所ビルを住居に用途転換することによって、安定かつ高収益を実現することも可能です。ただし、用途転換についてはさまざまな法規制が伴いますので必ずコンバージョンできるとはかぎりません。
3.賃貸スペースの工夫によってリスクを軽減させる 面積が比較的広い賃貸事務所などの場合、ある程度小規模に賃貸面積を区切ることによって、借主の選択肢を広げ、空室リスクを分散することが可能となります。
このように賃貸スペースを細分化することにより、空室リスクを5分の1に軽減することも可能となります。また、面積が小さくなることによって、賃料単価を若干アップさせることも可能となる場合があります。最近ではこのような工夫によりベンチャー用のオフィスに転換する例も増えてきています。

まとめ

安定収益を得るための手法を前回、今回と2回にわけてご説明しましたが、すべての手法が万能というわけではありません。当然、投資する、あるいは既に保有している物件の特性によって、どのような手法が適切か異なってきます。大切なのは、このような手法があるということ、またちょっとした工夫、アイデアによってリスクを抑えることができるというエッセンスを投資家自身が知っておくことです。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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不動産投資の気になるTOPICS

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