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不動産投資の支出におけるリスクとその対応 所得税の変動要素と軽減方法

前回は「支出に関するリスクとその対応策」として4つの経常支出(管理コスト、借入金の返済、保有税、所得税)があることを解説しました。今回は、不動産投資に課せられる所得税の変動についてくわしく解説します。

個人が不動産から得る家賃などの収入(不動産所得)には税金が課せられます。不動産所得は総合課税の対象となっており、他の所得(給与など)と合算してその金額に応じて税率が決められます。必然的に所得が多ければ多いほど税率は高くなり、所得税と住民税の合計で最高50%もの税率が適用されることとなります。
したがって、物件を複数所有し、賃料収入や他の所得が増えれば増えるほど、税率も段階的にあがり、最終的には最高税率の50%が課せられることになります。最高税率の対象となる人は、物件を購入して賃料収入を得たとしても、経費を差し引いた所得の半分しか手元に残らないことになりますので、物件を多く保有する人にとって、所得税と住民税はもっとも深刻な支出となるのです。
所得税・住民税合算税率表
課税所得金額(万円)
税率(%)
控除額(万円)
200万円以下 15 -
200万円超 330万円以下 20 10万円
330万円超 700万円以下 30 43万円
700万円超 900万円以下 33 64万円
900万円超 1800万円以下 43 154万円
1800万円超 50 280万円
つぎに、税金を軽減する対応策として、会社を設立する方法と家族で共有して保有する方法をご説明します。

会社を設立し、会社名義で不動産を所有する

課税所得が最高税率である50%となるような場合は会社(法人)を設立して法人名義で不動産を購入し、その会社から個人に給与を支払うことによって、所得を分散し、結果的に会社と個人の合計が個人の最高税率より低い税率となり、トータルでの税金を軽減することが可能となります。しかし、会社を新規で設立した場合、設立に要するコストが発生するとともに、不動産購入資金をどのように調達するかという問題もでてきます。税金の問題は、個別事情によって変わってきますので、実行する際は、必ず税理士などの専門家と相談する必要があるでしょう。
会社を設立して所得を分散することによる税金軽減のイメージ
* わかり易くするために細かい条件は省いています。
* 条件によって結果は異なりますので実行する際は必ず税理士などの専門家にご相談ください
個人で投資用不動産を保有して最高税率が課せられる場合
課税所得(家賃収入から諸経費を引いたもの)100
税金50 手取り50
会社で不動産を保有した場合
家賃収入(会社の売り上げ)100
会社50 個人給与50
税金20 利益30 税金20 手取り30
※会社の利益30と個人給与の手取り30を足すと60となる。

共有で不動産を所有する

個人の所得税、住民税は個人単位で課税されます。したがって不動産所得やその他の所得を含めた合計が、最高税率になるほど所得のある人は、奥様や子供など所得税率の比較的低い人と、共有で不動産を所有することにより、所得を分散し、結果的にトータルの税金を軽減するとこも可能となります。
共有して所得を分散することによる税金軽減のイメージ
* わかり易くするために細かい条件は省いています。
* 条件によって結果は異なりますので実行する際は必ず税理士などの専門家にご相談ください
個人で投資用不動産を保有して最高税率が課せられる場合
課税所得(家賃収入から諸経費を引いたもの)100
税金50 手取り50
共有で投資用不動産を保有した場合
課税所得(家賃収入から諸経費を引いたもの)100
Aさん50 Bさん50
税金25 手取り25 税金15 手取り35
※Aさんの手取り25とBさんの手取り35を足すと60となる。
この場合、共有者の購入資金をどのように手当てするかが注意ポイントです。共有者自身が購入資金を手当てせずに、共有名義にした場合は、贈与税などの対象になる可能性がありますので注意が必要です。税金の問題は、個別事情によって変わってきますので、実行する際は、必ず税理士などの専門家と相談する必要があります。

まとめ

このように不動産投資においては支出の面でも大きく変動する可能性があることにご注意ください。特に、税金については、不動産投資における経常支出の中でも非常に大きなウェイトを占めています。不動産投資は投資の単位が非常に大きくなりますので、失敗しないためにも、収入面に加えて、支出面のマネジメントが重要になってきます。今回ご説明したポイントに注意して、不動産に関する知識を習得し、専門家の知恵を借りることが成功の秘訣となるでしょう。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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