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天災、人災と経済情勢の変動と不動産投資 経済情勢の変動が与えるリスク

不動産投資では不動産特有のリスクや物件個別のリスクが伴う、ということは今までお話してきたとおりです。これに加えて経済情勢も不動産投資に大きな影響を与えます。今回は経済情勢の変動と不動産投資が抱えるリスクについてご説明いたします。

金利動向

不動産投資には金利動向が少なからず影響を与えます。
低金利が続いている現在は以下のような観点から不動産マーケットに好影響を与えています。
1.借入金利
借入金利は不動産購入資金を調達する上でのコストです。借入金により不動産投資をする場合、資金調達コストという観点から当然、金利が低い方が有利となります。 これは賃料収入から金利や諸経費を差し引いた手取りが大きくなるためです。トータルでの支払い総額という側面で見ても(参考図表1)金利が低い方が非常に有利となってきます。
●(参考図表1)金利と返済額の関係
*100万円を元利金等返済で借り入れした場合:単位(円)
金 利 2% 3% 4%
返済額/月 10年返済 9,201 9,656 10,125
20年返済 5,059 5,546 6,060
返済総額 10年返済 1,104,120 1,158,720 1,215,000
20年返済 1,214,160 1,331,040 1,454,400
借入金を活用するメリットは、より少ない自己資本で大きな不動産に投資することが可能になる点です。現在のような低金利の状態では下記のように、物件の総投資額に対する利回りよりも、自己資本に対する利回りが大きくなるという効果が得られる可能性があります。(参考図表2)これを不動産のレバレッジ効果(てこの原理)と呼びます。
●(参考図表2)不動産投資におけるレバレッジ効果の考え方
投資額 収入 利回り
借入金 800 借入金の返済 60
自己資金 200 返済後の金額 40 自己資金に対する利回り 20%
投資額合計 1000 収入合計 100 投資物件の利回り 10%
*あくまで考え方です。金利、返済方法、借入期間などによって結果は異なります。
このように借入金の観点から考えると、不動産投資においては低金利によるメリットが非常に大きい事が分かると思います。今後、借入金利が上昇した場合は当然、不動産から得られる収益が圧迫される事になります。過去の経緯、時代の流れを考えると(参考図表3)借入金利はいずれ上昇することになると考えておくべきでしょう。
●(参考図表3)長期貸出約定平均金利の推移
(日本銀行資料より3年ごとに抜粋)単位%
都市銀行 地方銀行
1993年1月 4.321 4.623
1996年1月 2.488 2.792
1999年1月 2.177 2.431
2002年1月 1.445 1.943
2005年1月 1.619 1.789
1.借入金利
借入金利同様、ここ数年、預金の金利や国債などの利回りも低い状態がしばらく続いており(参考図表4)加えて、株式市況も低迷していたため、投資家は資金の運用難に陥っていました。このような低金利を背景に注目されたのが、比較的安定した家賃収入を裏づけに預貯金や国債より高い利回りの得られる不動産投資です。
現在では、預かった資金を効率よく運用しなければいけない保険会社や金融機関、年金基金などの運用資金が不動産ファンドや不動産投資信託(J-REIT)を通じて積極的にかつ大量に不動産に流れています。
●(参考図表4)定期預金金利および長期国債の利回り推移
(日本銀行資料より抜粋)単位%
定期預金金利 国債先物利回り
1991年10月 5.77 6.028
1995年10月 0.47 3.186
2000年10月 0.20 1.999
2005年9月 0.031 1.623
*定期預金金利は1000万円を1年間預け入れた場合の店頭表示金利
現在、不動産投資による配当利回りはJ-REITなどで3~5%、現物投資で5~7%程度(銘柄、物件によって異なります)となっており、いずれも近年の定期預金金利や長期国債の利回りより相当高くなっていることから、不動産投資に運用資金が集まるのもうなずけます。

安全性の高い預貯金や長期国債に比べて、不動産のほうがリスクが高いということから、不動産の利回りは、預貯金や長期国債の利回りに5%前後を加えたものが一般的な利回りといわれております。(不動産特有のリスクプレミアムともよばれます)
さて今後、定期預金金利や長期国債の利回りが上昇した場合は不動産にどのような影響を与えるのでしょうか。不動産より安全性の高い投資商品の金利や利回りが上昇するということは、理論的にはそれに比例して、不動産の利回りも上昇する事になると考えられます。不動産の利回りが上昇するという事は、不動産価格が下落するという事になるのです。仮に利回りが2倍になると不動産の価格は1/2になってしまいます。預貯金や国債の利回りについても、過去の経緯、時代の流れを考えると、いずれ上昇することになると考えておくべきでしょう。
● 利回りと不動産価格
利回り 年間収入(円) 不動産価格(円)
3% 1,000,000 33,333,333
5% 1,000,000 20,000,000
8% 1,000,000 12,500,000

金融機関の不動産融資姿勢

不動産投資は他の投資商品と比較して投資単位が非常に大きくなるため多額の資金が必要となります。一般的な不動産購入資金の調達方法は自己資金か金融機関の融資です。ここ数年、金融機関は融資拡大の為、土地建物を担保とし、不動産から得られる賃料収入を返済原資の裏づけとして不動産投資に対して積極的に融資を実行しています。このような金融機関の姿勢を背景に不動産市場に資金が流れ込み、不動産投資はここ数年活況を呈してきています。
1980年後半、バブルと呼ばれ地価高騰が激しかった頃は、不動産価格は永遠に上がるという神話のもと、今以上に金融機関は不動産に融資資金を出していました。当時は不動産から得られる収益というよりも、担保にした不動産価格の上昇により、金融機関の融資資金の回収リスクは回避されていたのです。このような事態を背景に当時の政府は異常な地価高騰を政策的に抑制するため、不動産に対する融資を一気に規制したのです。これにより不動産購入資金が金融機関から調達できなくなってしまった為、不動産マーケットには資金が流れず、バブルが崩壊し、地価は下落の一途をたどる事となりました。
バブル経済の崩壊は政府による融資規制がすべての原因ではありませんが、少なからず影響を与えたのは事実です。このような政策による影響を受けた金融機関の融資規制などの問題によっても不動産はリスクを負っているといえるでしょう。

まとめ

このように金融政策や金利の変動などによる経済情勢の変化によって不動産マーケットは大きな影響を受けることになります。 このようなリスクは自分でコントロールする事はできませんが、不動産投資をする上で、是非、頭に入れておきたい重要なポイントです。

伊藤 英昭
伊藤 英昭
ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/
一級ファイナンシャルプランニング技能士/
宅地建物取引主任者/
不動産コンサルティング技能登録者

略歴

昭和44年
青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。

おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

講演

りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

著書

大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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