伊藤 英昭の不動産投資コラム

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

vol.1 不動産投資のプロは昔も今もキャピタルゲイン

利回り1%の攻防とエンドユーザー、儲けのヒント

利回り1%の攻防とエンドユーザー、儲けのヒント

img_01不動産価格は永遠に下がらないと皆が信じて疑わなかった1980年代後半。そして、不動産バブルが崩壊し、不動産投資は今やキャピタルゲイン(不動産の値上り益)ではなく家賃などの安定収入に重きを置いたインカムゲイン(不動産の場合、おもに賃料収入)重視であるといわれている。

確かにいわれればそのとおり、ウソではない。かつてのように不動産は値上がりするなどと、根拠のないことをいわなくても、安定した家賃が入ってくるという事は、一般投資家に説明するのにはウソのない便利な言葉である。

しかし本当のプロは違う。確かにインカムゲインに着目した利回りが不動産投資の1つの指標となっているが、プロはこの利回りをベースに常に出口(転売)を考えているのである。この物件は利回り何%だったら一般投資家が購入するか? だったらいくらでこの物件を購入して転売しよう、という発想である。

現にインカムゲイン重視の不動産投資が一般投資家に注目されるまでの、ここ数年、不動産投資はプロの主戦場だった。プロからプロへ物件のキャッチボールが行われ、やっとエンドユーザーに回ってきたといってもおかしくない。
利回りに着目すると、地価が下落しようとしまいと、その不動産価格にはあまり影響しない。極端に言えば、利回りを少し低く設定するだけで物件価格は驚くほど上昇してしまうのだ。この仕組みを使ってプロはキャピタルゲインを得てきたのである。例えば年間家賃収入1,000万円の不動産がプロからプロへのキャッチボールを経て短期間に物件価格が倍になってしまう例も珍しくない。

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このように、年間家賃収入が変わらなくても利回りが1%変わるだけで物件価格は驚くほど変化するのである。不動産投資の場合はたかが1%と侮ってはいけない。

しかし、不動産のプロがこのように利回りをちょっと低くして短期的に利益を出し、最終的には長期保有目的のエンドユーザーが購入することで落ち着いているこの現実に複雑な思いがする。確かに安定収入は得られるのだろうが……。

最終消費者だからエンドと呼ぶのだが、やはりエンドはプロには勝てないのか?

そんなことはないだろう。プロとエンドの違いを考えると何か儲けのヒントが隠れているかもしれない。

【このコラムの著者】

伊藤 英昭

ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/一級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引主任者/不動産コンサルティング技能登録者

■略歴
昭和44年 青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。
おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

■講演
りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

■著書
大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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