伊藤 英昭の不動産投資コラム

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

vol.2 不動産投資の成功者とは

ペイオフ対策と不動産投資の盛り上がりを考える

img_02今年4月からペイオフが全面解禁された。ペイオフとは民間の金融機関が破綻したときに預金者1人あたり元本1,000万円とその利息を最低保証するという制度である。
これを機に「ペイオフ対策」と称していろいろな資産運用方法が注目を集めている。当然、このムードに便乗して不動産投資も活況を呈しているようだ。
さて、はたして不動産投資は「ペイオフ対策」として有効な資産運用なのだろうか。その前に、そもそも何故「ペイオフ”対策”」が必要なのか、もう一度、頭を整理して考えてみよう。「ペイオフ」は簡単に言うと「金融機関が倒産したら元本1,000万円とその利息までは保証されるらしいけど、それ以上は保証されないらしいわね。まー大変、どこか安全な運用先はないかしら?」という元本の保護に主眼を置いた制度なのである。

この点から考えると今盛んに言われている不動産投資は預貯金より利回りは高いが元本の保証は一切ないという観点から「ペイオフ対策」というより、「ペイオフを一つのきっかけとした資産運用、資産の組替え」なのである。
そこをよく頭に入れていただきたい。何もペイオフであろうとなかろうと不動産投資は資産運用方法の1つとして、いつの時代も資産運用の定番なのである。あえてペイオフと不動産投資をこじつけるとすれば、金融機関が破綻する確率、次いで1000万円を超えた部分の預金がカットされる確率、そしてカットの割合がどのくらいになるか、という可能性と、投資した不動産が元本割れ(購入価格を下回る)する確率とどちらが高いかということになる。

本来、不動産投資が、「投資」として成功するということは、一定期間経過後に投下資金を回収した結果、利益が出たかどうかである。不動産投資を始めて家賃が毎月入ってくるようになった、というのは当然の話であって投資の成功ではなく運用中、実験中に過ぎないのである。ここをきっちり頭に入れないと、表面的な利回りの高い不動産を購入することばかり気をとられてしまい投資の本質を履き違えてしまいかねない。
利回りが高い物件を購入した時点で成功、ではないのだ。極端な話、利回りが高い物件でも、売却したときの価格によっては実際運用した期間利回りがそれより低くなる、また損失を蒙ることもあるのだ。以下の表を見ていただきたい。

購入価格年間賃料収入購入時点での利回り
100,000,000円5,000,000円5%
5年後の売却価格運用期間の賃料総額投資回収総額最終運用期間利回り
100,000,000円25,000,000円125,000,000円5%
75,000,000円25,000,000円100,000,000円0%
50,000,000円25,000,000円75,000,000円-5%

上記は細かいことを一切省いて1億円で利回り5%の不動産を5年後に売却したという想定であり、当然、利回り、保有期間によって異なるが、投資を成功させるにはこの最終償還のイメージを頭にいれておくべきである。これが不動産投資の「出口戦略」となる。プロは出口を見据えて(予測して、イメージして)そして元本割れするリスクをどれくらいの利回りでカバーすればよいのか、どれくらい保有すればよいのかを熟慮して投資するのである。これから不動産投資を始める人、最近始めた人が成功したかどうかは、3年後、5年後、10年後にわかるだろう。

さて「ペイオフ」の話に戻るが、資産運用の一つのポイントは、何を、誰を信じて資産を運用するか、運用を託すか、なのである。銀行を信じて預金するか、上場会社を信じて株式投資をするか、国を信じて国債を買うか、金の上昇を信じるか、不動産価値の上昇を信じるか、外貨を信じるか、それとも何も信じない、ただ自分を信じてタンスに入れるか。”信じるものは救われる”
この投資コラム・連載が、信じる力を養う助けになることを願っている。

【このコラムの著者】

伊藤 英昭

ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/一級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引主任者/不動産コンサルティング技能登録者

■略歴
昭和44年 青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。
おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

■講演
りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

■著書
大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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