伊藤 英昭の不動産投資コラム

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

vol.3 空室があって当たり前の時代に!?

住宅競争時代の到来

1.全国の空き家率は12.2%

総務省が5年に一度行う「住宅・土地統計調査」が平成15年に実施され、翌平成16年に調査結果が報告された。注目されるのは住宅総数に対する世帯数の割合、いわゆる「空き家率」である。平成15年10月1日現在の住宅総数は全国で約5,387万戸、それに対し総世帯数は約4,722万世帯となり住宅数が世帯数を約664万戸うわまわっていることが明らかになった。空き家率にすると12.2%である。前回(平成10年)の調査時には空き家率は11.5%だったので0.7%ポイント上昇したことになる。664万戸の中にはセカンドハウスや売却の為居住していないものも含まれるが、それでも無視できない数である。この数字をよそ目にマンションデベロッパーや戸建分譲業者は、どんどん住宅を供給している。今後の少子化を考えると住宅の供給量と世帯数の増加のバランスが取れるとは考えづらい。

ちなみに日本で最も人口の多い東京都の総世帯数は約584万世帯(平成17年5月1日現在)なので、全国の空き家を東京都1ヶ所に集めたと仮定すると、東京都の世帯数を越える数となる。

graph_01

また、主要都市の住宅総数、世帯数および空き家率は以下のようになる。
いずれにしても10%以上は空き家であるという現実がわかる。

 住宅総数世帯総数空家率(%)
埼玉県2,826,6002,532,40010.4
千葉県2,526,2002,185,80013.5
東京都6,186,2005,434,10012.2
神奈川県3,752,0003,327,30011.3
愛知県2,898,8002,536,80012.5
京都府1,201,1001,034,00013.9
大阪府4,130,8003,490,40015.5
兵庫県2,380,4002,052,00013.8

このような事から、不動産投資を考えると、賃貸住宅に投資する場合10%程度の空き家は見込んだうえで事業収支を考えるべきだといえる。

2.家を持っていない人は約38.8%

同じく住宅土地統計調査の結果をみると、全国の持ち家比率は61.2%になり、平成10年の調査から0.9%ポイント増加したことになる。これを考えると家をもっていない38%をターゲットに賃貸住宅を経営する事になる。今後も持ち家の人たちが増加することを考えれば、まさに賃貸住宅は大競争の時代に突入しているといえるだろう。

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【このコラムの著者】

伊藤 英昭

ナレッジバンク株式会社 代表取締役
CPC認定者・FP協会認定講師/一級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引主任者/不動産コンサルティング技能登録者

■略歴
昭和44年 青森県出身
平成6年
公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。
おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任

■講演
りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など

■著書
大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など

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