田中圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【No.16】 各国の不動産投資の現状 〜ミャンマー編 その3 首都ヤンゴンと不動産事情~

写真1 首都ヤンゴンの様子

エイリックの田中です。ようやくミャンマーの不動産事情に触れていくところまできました。
お待たせしました。

まずミャンマーは2016年2月にコンドミニアム法が改正されたというニュースがあります。しかし、まだ現実問題として外国人に不動産の所有権を与えるという所までいっていません。以前、外国人には門戸を閉ざしている状況です。しかし、2011年以降土地の値段は上昇の一途をたどり、それに合わせて外国企業の進出も非常に多くなりました。

下記の図を見てください。

*図1:ミャンマーへの直接投資:セクター別
*出所:JETRO

軍政時代:1988年~2010年、民政時代:2011年〜2014年で外国直接投資を表したものです。民政移管後は製造業・輸送・通信・不動産開発・ホテル・観光などが伸びてきています。軍政時代の投資に関しては、ほとんどが中国一か国からの投資が多かったのですが、これが今後様々な国からの投資が入ってくると見込まれています。

このように軍政時代の約12年に対して、民政時代の3年だけで製造業や輸送・通信、不動産開発、ホテル・観光業などが軍政時代を上回っています。こういった状況ですので、不動産への価値が非常に高くなっているのは当然と言えると思います。

ちなみにヤンゴンには大金持ちの地主が非常に多いです。ほとんどが元軍人とか昔から住んでいたという人たちなのですが、これは東南アジア全体で見られる傾向ですね。ある場所に至っては土地の価格が100倍以上になったというから驚きです。

そんなミャンマーですが、上述した通り、残念ながらまだ外国人が所有権を持てないので個人投資家の方が不動産投資できる環境ではないというのが正直な所です。しかし、企業は現地法人を作って積極的に不動産開発をしたり、所有したりとリスクを取って投資しています。

念のため、ミャンマーの土地・不動産の所有についてまとめてみました。

・土地の所有権は、国家に帰属する(2008年憲法)
・2011年9月から国民(私人)からのリースも可能(大統領令39号)
 (従来、国有地のみリースが可能)
・リース期間 60年間
・私有財産権が憲法上、保障されており、土地利用権(占有、使用、賃貸借)
 が認められている。譲渡、担保物件の設定が可能
・土地の利用権
 FreeHold Land(利用料の支払いが不要、永遠に更新手続き無し)
Granted Land (60年間許可、更新手続きを行い、実質、永久的に更新可能)
 Permit Land (政府許可地)

基本的には上記はミャンマー人に対する法律になります。この中で最近できてきたコンドミニアムに対して、新たにコンドミニアム法が制定されているのですが、まだ実施まで至っていません。私の立場からするとやはり個人の外国人投資家はまだ手を出すにしてもリスクが大きすぎるという所でしょうか。

しかし、方法論は色々とあるみたいです。ですので、ミャンマーに未来を感じてリスクを取ってでも投資したい方はぜひ現地に行って色々と調べてみてください。非常に面白いマーケットなのは確かです。そして法律が変わり所有権を得られるとなれば、それは大きなチャンスにもなると思います。

最後に、現在ミャンマーで開発されているコンドミニアムや大型プロジェクトを簡単に書いてミャンマー編を終了したいと思います。

ミャンマーに関しては現地レポートも書きますので、そこではヤンゴン市内の状況等についてもっと詳しく書いていきますね。

写真2 ヤンゴン 2040年住宅開発計画案(建設省発表資料)
*出所:JICA、国土交通省




写真3:Star City Project 写真




写真4 : HAGL Project –Myanmar Center、Myanmar PLAZA-




写真2は2040年の住宅開発計画になります。
今後30年でヤンゴンを大きく開発し、良質な住戸を供給するという計画になっています。

現在ヤンゴンの人口は約700万人以上。しかし住居に関しては圧倒的に不足している状況です、これを打破したいという想いがミャンマー政府にはあります。ますます住宅需要が出てきそうです。

そんな中、ミャンマー人憧れのコンドミニアム、スターシティ(写真3)が竣工し実際に稼働しています。今は外国人が多く住んでいますが、ミャンマー人も住んでいます。

坪単価が200万円以上もする高級コンドミニアムですが、ミャンマーのコンドミニアムで日本に紹介されるコンドミニアムはほとんどがこの物件です。いつかはあのコンドミニアムへ。そんな希望が詰まった物件ですが、私も現地に行ってみると、確かに綺麗なコンドミニアムでした。まだ建設している部分もありますが、ヤンゴン市内の現状からすると、別天地という印象でしたね。

そして、ベトナム企業が手がけたミャンマーセンターとミャンマープラザ。2016年にオープンして以来、一気にミャンマーっぽくない場所ができました。
多くのお金持ちが集まる、そんな場所になりこの近辺の地価は現在ヤンゴン市内で一番高くなりました。

昔は何もない所だったのに、これができたおかげで資産価値が上がりました。これが不動産の面白く素晴らしい所だと思います。

このようにミャンマーはまだまだ本当にこれからの国です。
投資という観点だと完全なるハイリスク・ハイリターン(リターンがあるかも不明ですが)ではありますが、多くの国がこぞって進出するのもうなずけます。

この国へは投資という発想よりも、まずは見てやろう、知ってやろうという好奇心を持って行かれることをオススメします。非常に面白い国です。
今年も私は当地に行くと思いますが、今後3-5年で大きく変わると思います。
また企業進出もこれからです。特に不動産、観光はまだまだ余地があります。

期待感たっぷりのミャンマー、また現地レポートで書きたいと思います。

次回からはまた違う国について書いていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。

【このコラムの著者】

田中圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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