田中圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【No.18】 各国の不動産投資の現状 〜ベトナム編 その1 首都ハノイの不動産マーケット

*写真1 ハノイの様子 田中撮影

エイリックの田中です。

前回に引き続き、ベトナムを掘り下げていきたいと思います。

さて、ベトナムといえば首都はハノイです。この首都ハノイについて少し見てみたいと思います。ということで、改めてベトナムの地図を。

出所:Worldtravelog.net

ベトナムは縦に長い国ですね。そのせいもあってかハノイの北部に行くと冬は非常に寒かったりします。
私も訪問した時は秋頃だったので、少し肌寒かった思い出があります。

さて、ハノイは首都という土地柄、また社会主義国であり中国と隣接している関係上、不動産マーケットも少し異質な状態が続いています。

データが少し古いのですが、CBREが出している新築分譲マンション供給戸数データを見てみましょう。

図1:ハノイの新築分譲マンション供給戸数推移

出所:CBRE Vietnam

2011年を境に供給戸数が減ってきています。
ハノイに行けばわかりますが、意外と高級コンドミニアムが多く建ち並んでいます。
もちろん、これからも建設され続けると思われますが、少し供給過剰感が出ているのは事実。

2014年にロッテセンターなどが開業したことで、中心地は多くのショッピングモールが乱立しだしてきましたが、需要が追いついてこないというのが実態。
そのために2015年7月に外国人に不動産購入できる権利を与えたと言われるほどです。

同じくCBREからデータを引っ張ってきたところによると、賃料も下落傾向であり、空室率も上昇しつつあります。

安めの物件であればまだ賃貸がつくイメージがありますが、明らかに高級系物件となると借り手がいなくて、なかなか投資としては見えにくい、そんな状況が見て取れます。

図2 : ハノイのサービスアパートメント月額賃料推移

出所:CBRE Vietnam

図3:ハノイのサービスアパートメント空室率推移

出所:CBRE Vietnam

言葉の定義:高級:1,500~2,000USD/sqm、一般:~800USD/sqm

政府もこの状況を見過ごすわけにはいかないと2015年に改正住宅法を決議して外国人への販売も開始したわけですが、やはりホーチミンのほうに人気が集中しているようです。

ハノイでも素晴らしい物件や利回りがきちんとでている物件はあるのですが、やはり海外からの投資と考えると中央の目が厳しくないホーチミンに目がいくというのが投資家の本音でしょう。

実際、ハノイに不動産視察に行って、賃貸を借りたいと話しをすると、通常1年契約のところが半年でもいいから、とか挙げ句の果てには3ヶ月だけでもいいから借りないか?と言われる始末。

もちろん値引きも対応可能で、かなり苦しい台所事情があるなぁと思いました。一方で日本人駐在員にも人気の物件に行くと、今度は手のひらを返したように値引きは一切NG、契約期間中の解約は違約金を払う必要がある、など、物件によってそんなに違いますか?というくらい態度が豹変します(笑)

これには私もかなりびっくりしまして、ここまであからさまに違うのも珍しいなと思う次第です。

ちなみにハノイはやはり首都という性格上か、公務員の方も多いですし、本社機能が集まっているエリアでもあります。また昨今ではIT関連のオフショア開発拠点としても人気を集めてきているので、人気・不人気物件の差がここまで出てきているのだ、という認識をしています。

確実に成長をしている街だからこそ、借りる側の目線も厳しくなってきており、ハノイでコンドミニアムを購入するとなれば、3ヶ月とか半年とか住んで、さらにベトナム人の友人でも作らないとハズレを引きそうと強く感じたのはいうまでもありません。

さて、次回はいよいよベトナム不動産投資の本命、ホーチミンについて書いていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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