田中圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【No.19】 各国の不動産投資の現状 〜ベトナム編 その 3 ホーチミンの不動産マーケット

※写真1 ホーチミンの様子 田中撮影

エイリックの田中です。

今回は今何かと話題のホーチミン。2015年7月に外国人が購入しても良いという状況になり、そこから多くの日本人投資家が購入されています。

そんなホーチミンを少し不動産マーケットから見ていきたいと思います。
データが少し古いですがCBRE Vietnamから新築コンドミニアムの供給戸数の推移を見てみましょう。

図1:ホーチミンの新築分譲マンション供給戸数推移

出所:CBRE Vietnam

2010年を境に供給戸数が減り、2014年に向けて回復傾向に入っています。これはリーマンショックの影響が強いと言われています。そして2017年現在、供給戸数は一気に2万戸まで到達。2018年〜2020年の3年間で約5〜8万戸ほど供給されると言われています。

具体的にはVin homesのセントラルパーク(供給戸数約1万戸)などの大型物件も出てきており、人気になっています。とにかく2015年の解禁を踏まえて色々なプロジェクトがあちこちに出てきている、そんな状況になっています。

実際の販売状況も好調という形ですね。

図2:ホーチミンのコンドミニアム販売戸数推移

出所:CBRE Vietnam

ただし売れているのは10万USD近辺の物件です。30万USDあたりの物件は割と売れ残りが出ているので注意が必要です。つまり、ベトナムの中間層、富裕層が増えてきて、ようやく手頃な物件であれば買いやすい状況になりつつあるということが言えると思います。

ただあまりにも供給戸数が多いため、実際の価格はそこまで値上がりしているわけではないことにも注意が必要です。同じくCBREが出しているデータではありますが、私の肌感覚とも近い印象があります。

ですので、買えば必ず値上がりする、とは言い難いと思います。そこはマーケットの中でのバランスの問題ですから、気をつけなければいけません。
この辺りが不動産の面白いところであり、難しいところでもありますね。

図3:新築物件と中古物件の平米単価での推移

出所:CBRE Vietnam

そんなホーチミンですが、期待感は当然あります。
現在地下鉄が建設中ですが、いよいよ大詰めまで来ました。
首都圏だけで800万人いると言われるホーチミンの足になることは他国を見ても明らかでしょう。似たような状況でいうとタイがそうですね。
やはり沿線の物件は希少価値が高くなるので、購入するとしても意識をしてほしいと思います。

また今後ホーチミンで起きることは

1.物件の乱立状態から「勝ち物件」と「負け物件」がはっきりと出てくる。
2.キーワートとして「駅近」が出てくる
3.ブランド信仰がローカルの中でも出てくる

といったところでしょう。

実はこれはタイのバンコクと同じです。古くは日本と同じです。
街の作り方がどうしても中心部に偏っている都市ですから、自ずと一等地の価値が高まり、便利な部分はどんどん便利になり、郊外になればなるほど「目利き」が必要になる、そんな成長の仕方をするなと推測されます。

と同時に、もう少し上記3つを補足しておきます。

1.勝ち物件と負け物件という意味ですが、これは「管理」です。物件自体の管理をきちんとやれるかどうか、そこで差がつきます。安かろう、悪かろうは世界中同じで、特に顕著なのが「完成後の建物管理」にその差が出てきます。ですので、すべての物件が値上がりする、ということはないかと思いますのでぜひご注意を。

2.地下鉄の工事が進んでおり、バイク大国ベトナムといえど、電車が便利であるという流れになると思います(ちなみにバイクに関しては規制が出てきつつあります)。そうなると当然、駅から近い物件に人気が集まるはずで、希少価値が出てくるのは自明の理という感じでしょう。

3.これは少し国民性にも関連してくるのですが、安心・安全というものを技術的な話でするのが本来の筋ですが、東南アジアの場合、その技術力もまだまだアヤフヤな部分がありますから、開発するデベロッパーの信頼度(上場している、実績があるなど)でローカルの方が買うケースが多いです。これはタイでも同じですね。ベトナムで顕著な例で言うと、ホーチミン7区でフーミンフンとダイワハウス・野村不動産・住友林業のJV案件が周辺の平米単価より高かったにもかかわらず、1期販売が即完したというのはホーチミンのマーケットを見たときに参考にすべきだと思います。



このようにホーチミンを見たときに、安いから買おう、とか将来性がある、だけで手を出すと痛い目を見る可能性があります。

逆に他国と比較した際に、まだまだ伸びしろはあります。だからこそ上記3点を意識してほしいと思います。

まだまだ伝るべきことは多いホーチミンの不動産事情ですが、次回はその他エリアと気をつけるべき点などをまとめてベトナムの話を終わりにしたいと思います。

【このコラムの著者】

田中圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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