寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

1.新シリーズは、お悩みを解決します。

LIFULL HOME’Sのコラムも4シリーズ目に入りました!
「スタンス編」「失敗編」「事業化編」と続きまして、これからどういった企画にしようかを事務局の方と相談していたところ、このような「質問に回答する」というシリーズを採用いただきました。
その他には、「炎の運営力養成講座」とか「投資家けーちゃん初心者回想」などのアイデアを出したので、それらはまた別の機会に・・ということになります。

質問に回答する形式のコラムは、採り上げた相談について不安がない読者さんには興味を惹きにくいと思われます。
ですから相談の内容に回答しつつも、派生した内容にも触れて読者さん全員に何かしらの役立つお話ができるような構成にしていこうと思います。
今回も12ヶ月程度の予定ですが、引き続きよろしくお願いいたします。

■業者さんへのヒアリングでヘコみました。

では、記念すべき最初のご相談はこちら。
新築用の土地購入を検討されている方が、近隣業者さんに賃貸市況のヒアリングを行った結果、ネガティブなことを言われてショックだ・・という内容です。
場所は東京の足立区に隣接している埼玉県の某市。
30㎡で6.2万円くらいの賃料査定が出ているとのことです。

帰りに駅前の不動産屋に寄り話を伺ったところ、次の情報を入手しました。
不動産屋の話では最近アパートが乱立している為、新築でも客付けが難しいエリア(特に埼玉県側)との事でした。
足立区側の駅近新築物件でも1年程度かかったそうです。
この物件は20平米程度で6万円台から5万円台に落としてやっと決まった とか。
30平米弱のアパートを検討していると説明したところ、直ぐに客付けしたいのなら6万円程度で出すべきとのアドバイスがありました。
実際にネットで調べたところ、以下物件が出てきました。
(物件の賃貸募集URL)
確かに29平米で6万円を切る賃料で掲載されています。

初心者さんの多くは、この「ヒアリング」が絶望的に下手くそですね。
というより、ヒアリングの意味をはき違えていると言った方が適切かもしれません。
駅前の賃貸募集会社を訪問して「この物件、どうですかね?」って聞くことがヒアリングだと思っている人が大多数です。

■仲介会社の社員さんが、いつもネガティブな理由

逆に聞いてみたいのですが、売り物件の資料をもって業者さんを訪問した際に

「いやー、このエリアは問題ありません!黙っていても入居が決まるんですよ」

なんて回答を得たこはありますでしょうか。
そもそも、賃貸募集をしている不動産会社の社員さんは、
基本的に自分のエリアにある物件のことを実際より悪く考えているものですから、
訪問する側のぼくたちもそういった前提で話を聞かなければなりません。
ストレートに質問をしても意味がありませんし、出てきた回答を素直に受け取ってもいけないのです。

なぜ不動産会社の社員さんはネガティブな回答をするのか。それにはいくつも理由があります。
まず、賃貸募集の会社が日頃いちばん目にしている物件は「すぐに決まる部屋」ではなく、「いつまでも空室のまま残っている部屋」です。
すぐに入居が決まっていたり満室が当たり前のアパート・マンションは、業務の中で接する時間が圧倒的に少ないので印象に残りづらいのです。
そして日頃よく接するのは、入居が決まらず困っている大家さん。
物件のバリューアップにお金を使おうという気がないので、募集する側としては「家賃を下げてくださいよ」という話ばかりをするようになります。

結果として、仲介会社の社員さんの周りには「家賃を下げないと決まらない物件」と「家賃を下げましょうとしか提案できない大家」ばかりになります。
ヒアリングをしても、なかなか良い反応が得られないのも当然というものですね。

■賃貸募集サイトから見えてくるもの。

相談者さんがURLを教えてくれた「5万円台で募集している新築」も見てみました。
確かに家賃や築年数はその通りなのですが、駅からの距離は検討物件よりも少し遠かったし、何よりその募集サイトがヒドかったです。
昔のケータイで撮影したような画質の悪い外観写真が1枚と、小さくて読めない間取り図と、あとはなぜか設計図面のような謎の画像の合計3枚のみ。
もうちょっと上手に募集すれば、入居が楽に決まっていた可能性は高いはずです。

ネガティブな意見を聞いてからこういった物件を見てしまうと、「自分の物件はこれ以下の家賃でしか決まらない」という不安になるかもしれません。
でも逆に「自分の物件以上の家賃で既に入居が決まっている部屋もある」ということも忘れてはいけません。
入居済みだからサイトに掲載されていないだけなのです。

■全ての会話は「満室」に向かう。

では、ヒアリングはどのように進めていけば良いのでしょうか。
エリア特性や家賃と広告料の相場、人気のある設備やターゲットとなる入居者層など、聞くべき項目は種々あるのですが、大切なのは

「どうしたら、この物件で満室経営ができるか」という目標に向かって話をする

ということです。

家賃設定についての質問は「どの家賃なら満室にできるか」ということを知るためのものです。
人気の設備についての質問は「満室に不可欠な設備は何か」ということを知るためのものです。
広告料相場についての質問は「満室に向けて頑張ってもらうための費用」を知るためのものです。

様々な方向(=質問)から「満室になる方法」を探り、「では、こういった設備を付けて●●円の家賃で、広告料を●ヶ月支払えば満室がキープできそうですね」という結論を導くのです。

よほどのエリアでない限り、上記の「満室になるための条件」は導き出せます。
あとはその条件を実現するための費用が、ご自身の投資基準に合っているかどうかを判断して購入可否を見極めれば良いという訳ですね。

「駅から遠いからダメだ」で終わらせるのではなく「徒歩15分なら、徒歩10分に比べて家賃をいくら下げれば埋まるのか」という質問をしましょう。
「築年数が古いからダメだ」という意見を聞いて諦めるのではなく、「いくらの家賃なら新しい物件と比べて割安感が出るのか」「最低限、補完しておくべき設備はなにか」という戦略について仲介会社さんと作戦を立てましょう。

ここまでお読みいただいたらお気付きかと思いますが、ヒアリングスキルを向上させていく過程で、ご自身の賃貸経営もレベルアップしていきます。
「大家力」とは結局のところ、「どうしたら決まるか」を真剣に考えていく中で養われていくものだからです。

※なお、現地でのヒアリングを収録(隠し録り?)した教材がかなり役立ちます。
ちょっと高いですが、これでより良い物件を購入できるなら十分元が取れるはずです。
ヒアリングテクニックを学べ 西山 明  

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社ネクスト(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

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