寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

3.空室対策は、「自分を知り」「相手を知り」「手段を知る」

このコラムを書いているのが7月26日。
前日には、この業界最大のイベントである賃貸住宅フェアに参加してきました。
不動産投資・賃貸経営に役立つ数多くのブースやセミナーが準備されており、1日で数多くのことを学ぶことができます。
不動産投資家だけをターゲットにしたイベントとしては、LIFULL HOME’Sの不動産投資フェアが質量ともに類似イベントを圧倒していますね。
このような学ぶ機会は、積極的に活用したいところです。
いつの時代もどの業界も、「情報弱者」が損をする決まりになっているのです。

さて、今回採り上げるのは、おそらく勉強不足でアパートを購入してしまった方からの、非常におおざっぱなお悩みです。

初めまして。新人大家のマツです。
新人通り、需要の低下したエリアに調査不足でapを購入しました。
6部屋で2部屋空きが出て、客付けに大変苦戦しています。
アドバイスを頂けると幸いです。よろしくお願いします。

小ぶりのアパートなので、2部屋空いてしまうだけで入居率が60%台に落ちてしまいます。
細かく計算すると分かりますが、6戸のアパートで同時に2部屋の空きが出る確率と、12戸のアパートで同時に4部屋が空室になる確率は、同じではありません。規模が大きい方が、瞬間の入居率はブレが少なく安定するのです。

この方の質問は(質問の上手い下手という問題は置いておいて)、何をして良いか分からないのはもちろん、現状の分析さえできていない感じです。
なので、仮にこの方がぼくの事務所にお越しになって対面でアドバイスをするとしたら、以下のような順序で空室対策を進めていくのではないかと思います。

1.物件の賃貸募集ページを細かくチェックする

まずはここからです。
市況の分析やライバル物件のチェックをするときには、「自分の物件と比べてどうなのか」という視点が必要です。
外装を見て、全体的な雰囲気と清潔感、色使いや劣化具合などを確認します。
室内写真はもっと重要です。設備やデザインを確認するのはもちろん、これからどのようにバリューアップさせられるのかも把握しておきます。
写真の撮り方や掲載情報の正確さなどから、管理会社・客付け仲介会社の実力や取組具合もネットの掲載状況から予測することができます。

2.賃貸市況とライバル物件をチェックする

自分の物件がどういう状態なのかが分かったら、同じく賃貸募集サイトでエリアの状況をリサーチします。
このとき、「自分の物件と同じ面積、駅からの距離、築年数」などのスペックを入力して検索をするのではなく、「自分の物件と同じ家賃」を入力して検索するのがコツです。

後者で検索された同じくらいの家賃の物件が、ご自身のものより明らかにスペックが良い場合、自分の物件は絶対に決まりません。
「賃貸スペックのビッグ3」とぼくが呼んでいる「立地(駅からの距離)」「築年数」「部屋の広さ」の3本勝負で、同じ家賃の物件に2敗しているのであれば、その設定家賃は高いということになります。
上記の「ビッグ3」で負けている物件に、多少の設備を追加したくらいでは勝てません。
家賃はビッグ3を基準に設定し、その家賃帯のライバル物件に他の要素で勝っていれば、入居者に選ばれるようになります。

※本来は物件購入前に「見える賃貸経営」などのサイトで需給関係をチェックするのが必須です。ダメなエリアに物件を買ってもそれなりの入居率をキープすることはできますが、どこに物件を買っても良いのですから有利な場所を選ぶに越したことはありません。

3.管理会社を訪問して、ヒアリングと打ち合わせ。

1~2の準備をしないまま管理会社さんを訪問しても、家賃の値下げや高額なリノベーションなどの安易な手段を提案されるだけですので、実のある打ち合わせをするためにも事前の知識武装と情報収集は欠かせません。
自分の物件とライバル物件を知り、自分なりの「家賃設定(敷礼やフリーレントなども含む)」「バリューアップ計画」「広告料などの販促手法」を考えた上で打ち合わせに臨みましょう。

そうすれば「こんな設備を追加しようと思う」という話にも説得力が出るので、相手側から「同じくらいの予算を使えるのであれば、別の〇〇の方がこのエリアでは需要が高い」というような前向きな提案をしてもらえるようになります。
人は基本的に頑張っている人を応援したくなるものなので、レベルアップした大家さんの物件をオススメしてもらえる確率は上がるはずです。

また、基本的な話として「空室を埋めるための手段」を、勉強してたくさん持っているとことが大切です。価値を上げ、魅力的に見せるための手段は豊富にあり、しかも無料やごく安い価格でそれを体系的に学ぶことができます。
はじめのうちは、どうしても「物件をいかに購入するか」ということばかりに興味を持ち、管理運営についての勉強は後回しにしたくなるものですが、運営の勉強こそ大切です。

高い運営力を持つことは入居率のアップはもちろんのこと、購入できる物件の選択肢を増やして収益規模拡大にも直結します。

さて、この質問者さん。もしかしたら、もっと個別具体的なことを聞きたかったのかもしれません。料理で言えば「ポン酢を入れると味が締まりますよ」みたいな。

でも、そういう小手先のアイテムだけで根本的な空室率改善ができるほど、今の賃貸経営は楽な環境にはないのが現状です。ぜひ、どんな物件にでも活路を見いだせるような強い運営力を手に入れてください。

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社ネクスト(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

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