猪俣淳の不動産投資コラム

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

日銀から金融システムレポート別冊シリーズが発表になりました

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日銀から金融システムレポート別冊シリーズが発表になりました。
今回のテーマは「地域金融機関の貸家業向け貸出と与信管理の課題~アンケート調査結果から~」

内容を簡単に整理すると・・・

1.貸家需要が増加しているが、その原因は
(1)晩婚化
(2)高齢化
(3)地方→大都市圏、あるいは郊外→市街地への人口移動

2.貸家供給も増加しているが、その原因は
(1)富裕層の資産運用
(2)節税ニーズ

つまり、需要は大都市圏や市街地に発生傾向にあるのに、供給はあくまでもオーナー側個人的な動機づけが要因となっている・・・ということを指摘しています。

したがって、ニーズの無いところにどんどん供給してしまっている危険があるから、貸し倒れにならないように注意しなさいということです。

充実の余地=ここに気をつけろ、というお沙汰は

1.地域や物件特性に基づく類型化やデータ・情報の整備
=融資するときにはワンルームの計画であっても、14㎡で6万円の方が、9万円で25㎡よりも貸しやすい地域もあれば、その逆の地域もありますし、そもそもワンルームを企画してはいけない地域もあります。きちんとしたマーケティングを行ったうえでの計画かどうかをチェックすること。

2.入口審査における収支見通しの検証
=融資するときには、取得段階だけではなく、その後の賃料低下や空室率増加などのストレスチェックをすること。

3.中間管理の頻度やポートフォリオについての分析
=融資するときには、維持管理コストや修繕計画がしっかり立てられているか、あるいは給与収入なども含めて全体的な安全性をチェックすること。

「貸家業向け貸出」が、地銀で総貸出の10%弱、信金で15%強となっていることから、警戒感を示しているということでしょう。

特に、”地方圏”で貸家業向け貸し出しの割合が業態内の中央値を超える「積極推進先」の構成比が地銀で8割弱、信金で5割と突出していますので、このあたりが心配の種ということかと。

単純に、「人口減少」「供給過多」と声高に叫ぶわけでもなく、

・世帯数の変化に見合う形で貸家戸数が調整されてきた様子が窺われる

・老朽物件の滅失によって、概ね空室率も安定的に推移してきたと考えられる

と、データを元に冷静な分析が行われているという印象を受けました。

レポートの最後に、「貸家業向け貸出に係る与信管理上の主な着眼点」という図表がありますので、今後、アパートローンを借りるうえで、「金融機関にどんなことをアピールすれば良いか」というヒントになると思います。

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わずか12ページのレポートですので、ぜひ、目を通しておかれることをお勧めします。
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsrb160324.htm/

【このコラムの著者】

猪俣淳

猪俣 淳(いのまた きよし)1961年生れ横須賀市出身
株式会社アセットビルド 代表取締役

不動産・建築分野で30年以上働き、不動産管理・不動産売買・建築・投資・金融・保険の各分野における26の資格を持ち、みずからも収益物件の購入・売却・運営・資本改善を行う実践不動産投資家。
著書に「不動産投資の正体」「誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略」(住宅新報社)など多数。
新聞・雑誌への寄稿(ビジネス専門誌・一般週刊誌・海外も含む業界誌)、年間70件を超える全国での講演活動、ラジオ・TVなどへの出演もある。
また、IREM-JAPAN(米国不動産管理協会日本支部)の理事を兼任し、日本で数人のファカルティ(講師)資格を持つ。
ブログ「不動産投資にまつわる100の話」(人気ブログランキング最高位1位)。

保有資格:
一級建築士・米国認定不動産投資顧問資格(CCIM)・米国認定不動産経営管理士(CPM)・同講師(ファカルティ)資格・同MPSA試験採点官(グレーダー)資格・不動産証券化協会認定マスター・不動産コンサルティングマスター・不動産アナリスト・日本FP協会認定AFP・ファイナンシャルプランニング技能士・相続アドバイザー・相続対策専門士・宅地建物取引主任者・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士・賃貸住宅査定主任者・震災建物応急危険判定士・住環境測定士補・防火管理者・貸金業務取扱主任者・損害保険リテール資格・生命保険募集人資格・ハウジングライフプランナー・住宅メンテナンス診断士・住宅インスペクター・事業承継スペシャリスト

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