猪俣淳の不動産投資コラム

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

塩系リフォーム

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空室対策のご相談を受けまして、エクステリアと内装の助言依頼を頂きました。

こういったケースで気にするポイントは、「清潔感」と「統一感」。

そのうえで、ターゲットがどういった人なのか?あるいは、どういった人に入居してもらいたいのか?という想定をします。

比較的乗降客の多い商業化されたJR駅から近く、また都内への通勤も容易な場所なので、賃料水準も比較的高めです(RC造23平米の1Kで6万円台後半から7万円前後)。

商業化された=都市化されたエリアでは、個世帯化が進みますので単身需要も多くなります。それは、単身用物件の供給も多いということも意味しますから、「市場は大きいが、競合も激しいレッドオーシャンになる」ということです。

ちなみに、こちらの駅はこんな感じ。1LDK/2DK需要が結構ありますので、ワンルーム系でも広めのものが支持されると考えられます。

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若者の街「高田馬場」だと、こんな感じ。借りる人も、物件もワンルーム系の市場です。

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いずれにしても、駅からの距離や生活の便利さといった立地条件はもちろん、それ以外でも間取・仕様・デザイン・管理状態などで優位性を持たせる必要がありますし、それをすれば十分に勝ち目があるということです。

7万円の賃料を想定するとすれば、年間84万円。年収の20%相当を賃料負担と考えると(国交省アンケート)、420万円前後の年収の単身者ということになります。

と、いうことで都内で狭い1Rではなく、電車に3~40分乗って通勤してでもゆとりのある部屋を求める・・あるいは、地場産業(製造業)が確立している地域ですから地元企業に勤める30代独身という想定をしました。

現状の入居者も、そんな感じです。

あとは、男性か女性かというところが気になりますが、あまり絞り込みすぎて外すと困りますし、絞り込まなくても大丈夫そうな物件なので今のその年代の方が好みそうな流行を押さえるという判断をしました。

流行はどこでおさえるか?

インテリア雑誌や住宅雑誌、分譲マンションのモデルルーム、住宅展示場、高級ホテル、商業施設などアンテナを立てているとピピピッと感じる場所もありますし、どんな産業にも業界紙というものがありますから(大家さんなら「家主と地主」、金融機関なら「ニッキン」、お坊さんなら「月刊住職」w)そういったところから、いまのトレンドを探るのもいい方法です。

リフォームであれば、「リフォーム産業新聞」 http://www.reform-online.jp/news/reform-shop/8149.php

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「インテリアでも人気の「塩系」!白やグレーなど薄めトーン」

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なんだか、流行っているみたいです。

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今回は、「塩系」で行くことにしましょう。

平成初頭に建築された物件ですから、全体的にやれた雰囲気を醸し出しています。

まず、外回りから。

エントランスのアプローチは、物件のファーストインプレッションですからここで「えーっ・・ここぉ?」と思わせるのか、「おおぉーっ、ここっ!」と思わせるのかの分かれ道になりますのでとても重要です。

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建物の裏側にある階段にたどり着くために、脇をすり抜けていく・・というイメージの苔が付着したコンクリート打設地面は、明るい大判のタイル(バイクや自動車が載っても大丈夫な強度のあるものです)を敷き詰めました。

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正面にあったザクロの樹は、フォーカルポイントとして残し、ガーデン照明もつけました(これを切ってしまうと、その奥の古いブロック塀と覗かれ感のある隣接物件の窓が気になってしまいます)

古い公団のようなポストも、デザイン性の高い㈱ナスタのものに交換。

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階段や共用廊下は長尺シートを施工して、全体的なグレード感を上げました。

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玄関ドアは傷とへこみがありましたので、下地を補修のうえダイノックシートを貼って復元改修。

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室内は、白系ウッドデザインのフロアタイルがもともと施工されていましたし、壁クロス(量産もの)も状態はわるくありません。

でも、ピンク系のCF(廊下・キッチン)、アイボリーのキッチンセット、柄物のクロスを貼った建具、茶色い窓枠などバラバラで統一性がなかったので、残すところは残し、張り替えるところは張り替え、塗装で済むところは塗装し・・・とすることに。

ドアノブや取っ手も艶消しブラックの商品があります。

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キッチンは、剥がれにくい専用の下地塗料と仕上げ塗料を使うと使用に耐えうるものになります。(下部収納の内部も同様に全塗装してあります)

もともと、キッチンセット内のミニ冷蔵庫という仕様だったそうで、冷蔵庫置き場が無く、なぜか洗濯機用蛇口位置と排水口の位置がずれていましたので壁の石膏ボードを外して、水道管を延長し蛇口を移動し冷蔵庫置き場を確保しました。

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洗濯機専用の水栓もいいものを付けてもたかが知れていますので、ぜひカッコいいのを付けてください。意外と目立ちますので。

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窓枠・幅木・廻縁は、白に塗装

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天井をウォームグレーに塗装し直し、IKEAのシーリングライトをセット

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収納は使途の不明確な3尺×3尺サイズ(物をしまうには深すぎるし、布団をしまうには幅が狭すぎる)なうえ、なぜか内部が古臭いじゅらく壁で清潔感がなかったので、

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シナベニヤを上張りし、可動棚とハンガーパイプを2本つけてクローゼットとしての機能を明確にしました。

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サッシまわりの古さを隠すため、レースのカーテンを吊ります(オーナーに買ってきてもらいましたが、完全な無地のものではなく、またサイズも微妙に寸詰まりなので予算をもらってこちらで用意してあげた方が良かったかもしれません)

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玄関収納は、がたがたする置式の小さなものでしたので、サンワカンパニーの壁面設置タイプにしました(女性入居者の場合、靴の量がハンパではないので)

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浴室は、木目のダイノックシート×サーモスタット付水栓×大型ミラー×カクダイの金属製シャワーホースとメタル風シャワーヘッドでグレード感アップ

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トイレは、ペーパーフォルダーとタオルハンガーをソリッド感のあるピカピカのものに変更し、ウォシュレットを設置。

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「ウォシュレットを付けると、次以降、前入居者が使っていたものはキモチ悪いといわれて逆効果だからつけない方がいい・・と管理会社に言われたんですが」とオーナーは言っていましたが、30代より若い入居者は物心ついたころから、公共施設に行ってもシャワートイレがあたりまえの生活だから、付いていない方が嫌なはずです。また、入居者入れ替えのたびに交換しているオーナーもいますが、いまや2万円もしないでホームセンターで買える時代です。

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あとは、ホテルタイプのスイッチとコンセントプレートが最後に入って、完成。

入居者付けしてくれたところに随時頼んでいました・・ということで、いままで複数の管理会社が入っていて、責任の所在もはっきりしなかった賃貸管理も交通整理し、地元に強みを持つ一社に絞ってもらいましたので、これから本格的に軌道修正された運営がスタートされます。

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入居者を連れてきてくれるリーシング業者が気に入ってくれてモチベーションを上げてもらえるかが次のカギになりますし、そうなるようなモノには仕上げましたので、とりあえずお披露目をし、若干高めの賃料設定で募集を始めてもらうことにしました。

もちろん、様子をみて反応が鈍ければもとの設定家賃に戻しますが、機会追求はした方がいいですからね。

【このコラムの著者】

猪俣淳

猪俣 淳(いのまた きよし)1961年生れ横須賀市出身
株式会社アセットビルド 代表取締役

不動産・建築分野で30年以上働き、不動産管理・不動産売買・建築・投資・金融・保険の各分野における26の資格を持ち、みずからも収益物件の購入・売却・運営・資本改善を行う実践不動産投資家。
著書に「不動産投資の正体」「誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略」(住宅新報社)など多数。
新聞・雑誌への寄稿(ビジネス専門誌・一般週刊誌・海外も含む業界誌)、年間70件を超える全国での講演活動、ラジオ・TVなどへの出演もある。
また、IREM-JAPAN(米国不動産管理協会日本支部)の理事を兼任し、日本で数人のファカルティ(講師)資格を持つ。
ブログ「不動産投資にまつわる100の話」(人気ブログランキング最高位1位)。

保有資格:
一級建築士・米国認定不動産投資顧問資格(CCIM)・米国認定不動産経営管理士(CPM)・同講師(ファカルティ)資格・同MPSA試験採点官(グレーダー)資格・不動産証券化協会認定マスター・不動産コンサルティングマスター・不動産アナリスト・日本FP協会認定AFP・ファイナンシャルプランニング技能士・相続アドバイザー・相続対策専門士・宅地建物取引主任者・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士・賃貸住宅査定主任者・震災建物応急危険判定士・住環境測定士補・防火管理者・貸金業務取扱主任者・損害保険リテール資格・生命保険募集人資格・ハウジングライフプランナー・住宅メンテナンス診断士・住宅インスペクター・事業承継スペシャリスト

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