北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資、人の経験話が気になる人は多い?

こちらのコラムも、今月で3年目に突入しました。
いつもご覧いただいている皆さま、どうもありがとうございます!
第1回コラムが掲載された2013年当時は、すで首都圏の不動産価格が上昇傾向にありましたが、それが現在は全国の主要都市に拡大している感じですね。一方で下落が続いている地域も多々あり、ますます二極化が進んでいる印象です。
今後も、資産運用に関する話題について不動産を中心に取り上げていきますので、よろしくお願いいたします。

さて本題です。
私が仕事でお受けする取材やセミナー後等でよく聞かれる質問に、「最初の1棟を購入する際、どのように決断したのか?なぜ、一歩を踏み出せたのか?」というものがあります。
大半の方にとって、「何千万のローンを組んで不動産を購入するのは、一世一代」のことだからでしょう。私自身もはじめはそうでした。
物件を既にお持ちの方にとって、「借入」して賃貸経営をするという考え方はいたって普通だと思われるのが大半でしょうけれども、一般に見ると、まだまだ珍しいのです。
確かに、これだけ不動産投資の書籍等があふれていても、会社の同僚などに突然、「○千万円のローンを組んで、不動産投資をしようと思う。」と言ったら不信に思われる可能性が高いのではないでしょうか。
そもそも、マイホーム購入のための住宅ローンと不動産投資・賃貸住宅における借入では、考え方やお金の流れが全く違うのですが、「そうはいっても、借金は借金だよねぇ。」という視線を感じることは少なくありません。
一方、いわゆる不動産投資家や大家の集まり等では、融資に関する話しは当たり前のことなので、はじめはそのギャップに驚かれる方もいらっしゃいます。
事業の効率を図ったり新しいサービスを提供するために借入をし、上げた収益から返済を行うという流れは、他に事業を興している方以外では、なかなか実感できないものなのだと思います。

さて、「最終的に一歩を踏み出せたのはなぜ?」ということについては、大きく3パターンがあると感じます。
もちろん、まず第1に目標・目的があるのが大前提です。収入の柱をもうひとつ作りたい、リタイア後の年金の足しに、セミリタイタのために、など人によって違いますが。
その上で、決断できたのは以下のことがあると感じます。
「決断&行動」は、購入する時だけではなく賃貸経営を始めてからも頻繁に遭遇することです。「経営」は、その連続ですから。

1、身近な人が上手くいったという話しを聞いたため

意外と(?)多いパターンです。
不動産投資に限らないですが、家族や親しい友人などが上手くいっているという話しを直に耳にすることで、一気に現実味が増しそれが背中を押すことになるわけです。
少々範囲を広げ、「親友の知り合い」や「現在親交はない学生時代の友人」といった、多少遠い「知り合い」の話しを間接的に聞いてという場合もあるでしょう。
注意点としては、「赤信号、みんなで渡れば・・・」的な部分があることも否めない点です。その人が上手くいっているからといって必ずしも自分が成功するとは限りません。
ごく身近な人とはいえ、様々なバックグラウンドは異なるはずだからです。
また、今は上手くいっているように思えても長い目で見るとそうではなかったということも起こりえます。
一時的なキャッシュフローだけではなく、例えば今後10年間保有した場合に出口まで考えて成功するのかどうかなどです。
身近な人の体験談に加え、3に挙げる、「自分の許容度」という視点も併せて持つ必要があります。

2、各メディアなどで頻繁に見聞きし興味を持ったため

1と似ていますが、情報源が身近な人ではなく、なんとなく世間で「儲かる」、「良い」と言われることが多くなっているため、気になるというケースです。
不動産市況が良い時には、メディアが取り上げる頻度も高くなりがちですから、それを目にして興味を持ち最終的に購入まで到ることも。
目にする頻度が高いことで、「みんながやっているから大丈夫。自分にもできるはず。」という思考の流れが出来上がってくるように感じます。
リスクについて多少意識は向いても、あまり深く掘り下げて考えないことも結構あると感じます。(あるいは、「こうすればリスク対策になる」というものをそのまま受け止める。)

3、最大のリスクを想定してみて、それが許容できる範囲であったため

基本的にはこれが一番健全な思考でしょう。
物件を購入する時だけではなく、保有中や売却時にも必要になる考え方です。
例えば私の場合、購入時に常に考えるのは、「残債で返済できるのはいつからか?」ということです。不動産投資・賃貸経営において、「返済が滞る」ということを最大のリスクとしているためです。そのラインを意識しつつ、総合的に判断していきます。
リスク想定を重視する場合、様々なケースを想定した結果、やはり自分のリスク許容度を超えるため、断念するということもよくあることです。もちろん全て自己責任ですから、自身が納得せずに決断することはできません。
ただ一方、必要以上に負荷をかけて想定する方も見受けられます。「考え過ぎるとできなくなる」という言葉を聞きますが、それもまた然り。
どこまで負荷をかけるのか、やるかやらないかの判断をどこで線引きをするのか、そのコントロールも最後は自分が行わなければなりません。

人の経験が参考になることは確かでしょう。
ただし、自分とは様々な背景やライフスタイル、嗜好、優先順位が異なることは常に頭に置いておくべきです。
あくまで判断する際のひとつの情報としてとらえ、一旦咀嚼して自分に落とし込んで考える必要があるのです。

<お知らせ>
ここでひとつお知らせです。
先日、著書『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント』が出版となりました。

最近、資産運用のひとつとして注目を浴びつつあるJ-REITについて、初心者の方向けに基本的なことをまとめています。
J-REITのことは以前こちらのコラムでも、実物不動産との比較という視点で取り上げたことがあります。
J-REITが日本で誕生したのは2001年で14年も経ちますが、初歩的な書籍は少ない状況。
一方、分配金利回りの安定性や高さから興味を持つ方も着実に増えてきており、「コツコツとインカムゲインで資産運用をしていきたい」というニーズに合った金融商品として認知度も徐々に上がってきています。(ちなみに、9月25日現在、分配金利回りの平均は3.7%弱)
J-REITに興味はあるのだけれど、まずは基本的なところをきちんと知っておきたい、そんな方に読んでいただきたい書籍です。
機会がありましたら、ご覧いただけますと幸いです。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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