北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

都心における不動産投資・賃貸経営のイメージ

一般に、世の中の景気には周期があると言われますが、これは不動産市況にも当てはまります。山や谷がありながらも、賃貸経営を継続していくことができれば、市況が良いタイミングで売却をすることも可能です。もちろん、売却は将来も全く考えていないという方もおられますが。
2000年代に入ってからを振り返ると、ご存じのようにリーマンショック前後に山と谷があり、それを経て現在は好調な状態が継続しています。

そのようなサイクルの中でも一定の需要があるのは「都心の不動産」です。
例え「谷」の期間でも、購入したいという方が全くいなくなるわけではありません。また市況が回復したらしたで、最初に価格が上がり始める特徴があります。
ではその都心での賃貸経営は、どのようなものでしょうか。
大まかには、以下のイメージをお持ちの方が多いと感じます。

1 空室・家賃減少が少なそう
2 出口需要が多そう
3 今は価格が高止まりしていそう
4 今は相続税対策で供給過多の可能性がありそう

1 空室・賃料減少が少なそう

個々の物件により違いはありますが、平均的にはやはり地方よりも空室・賃料減額は少なくなる傾向があると感じます。ただし4でも触れますが、2015年の相続増税に伴い、貸家供給が増えていることは頭に入れておきたいところ。
また、その地域における賃料の「絶対額」は意識する必要があります。
というのも坪単価から計算した賃料は大家側の都合ですから、総額でその地域の「上限」を超えてしまえば、当然需要は激減です。「上限」は、景気等により変化するので、アンテナを張り、変化を敏感にキャッチする必要があります。これは都心でも当てはまることだと、リーマンショック時に実感しました。

また高額賃料住居の場合は、景気に左右されやすいので賃料の振れ幅が大きいと言えます。
典型的な例がリーマンショック時です。あの頃、賃料が30万円/月以上の物件では金額が大きいほど減額速度が速かった分、逆に市況が回復すると先行的に上がり始めました。

2 出口需要が多そう

最近は、購入時点から出口を意識する方も増えています。こればかりは市況の良し悪しも大きく関係しますから、「いつ売却する」と事前に決めておくのは難しいところです。多くの方は、長期譲渡所得になった以降でタイミン」グを見てという感じでしょう。(個人購入の場合)
出口のことを考えると、都心の場合は、資産家や地主さんの相続対策、会社員の方の不動産投資、外国人の需要等、購入層に厚みがありますから、市況や金融機関のスタンスが変化した場合でも一定の需要があると言えます。

各層が不動産を購入する目的は異なります。「資産家が相続対策で不動産を購入する」のと、「会社員がフルローンで不動産投資を行う」のとでは、求める収益性の下限にも差がありますから、様々な思惑が交錯するのが都心です。
大まかな地域指定と予算総額だけを伝え、「相続対策用にいくつか物件を組んでほしい。」というざっくりとした依頼で都心不動産が活用されるケースは多いものです。
とはいえ都心であれば何でも良いというわけではありませんので、それぞれの層が求めるものに注意を向ける必要はあります。

3 価格が高止まりしていそう

特に2012年以降、都心では不動産価格が底打ちし右肩上がりで上昇してきました。マイナス金利も含めた金融緩和もその動きに拍車をかけてもいます。
そのため、特に急ぎでなければ新規購入について「様子見している」方も増えている一方、相続対策といった理由で必要に迫られており「待ったなし」、また富裕層で、長期的視点での資産価値を求めて購入という声もあります。

一方、不動産を保有していれば、売却等含め資産整理をしている方も多い状況です
金融緩和については、昨年あたりからメディアでも取り上げられている、金融庁による不動産融資への監視強化の影響もちらほら見聞きするようにもなりました。今後の展開が気になります。

4 相続税対策で供給過多の可能性がありそう

確かに、空室率が上昇するなど昨今のアパート建設ラッシュには注意喚起が出されている中、実際の賃貸経営では、ますます二極化が顕著になってきているように感じます。需要が見込めない場所であったり単に建てただけの競争力が弱い物件は、新築や築浅であっても空室が長引くことがある一方、経営努力によって高稼働率を維持するところも見受けられます。

また私自身が今年の繁忙期に感じたのは、外国人のお申込みが増えたこと。
多くは語学学校に通われている方々です。
日本在住の外国人数は、208万人(2006年)→238万人(2016年)と10年で14%増。東京では、36万人→50万人と40%弱のアップ。
立地等によって状況は変わりますが、国としても外国人の受け入れを重視しているので、今後入居者候補として存在感が高まっていくことが考えられます。それを見据えた計画・経営を目指し、空室増加を防ぐのも一択でしょう。

今回は、都心不動産の賃貸経営について、よく言われるイメージと実際肌で感じていることについて4つの視点を挙げてみました。
不動産投資に何を求めるかはそれぞれ異なりますから、これが良いという絶対的なものはありません。実情をわかった上で、今のご自身に合うかどうかの判断が必要になります。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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