北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

日本不動産と米国不動産、相違点と類似点は?

今年も行ってきました、米国西海岸。
昨年の夏以来1年ぶりです。

普段お世話になっている方々とのミーティングや物件周りなど。実際の現場を目の前にしながらというのは五感がフル回転で、話しだけとは全く違うことを実感。
そういえば米国在住40年ほどになる方が、「今はインターネットで情報が豊富にあるから、何でも知った気、見た気になるかもしれないけれど、やっぱり実際に自分の目で確かめる、経験してみることとは大きな違いだよ。」とおっしゃっていて、まさにその通りだなと思います。
日米、双方の不動産を保有していると、両者の違いを改めて感じる点、逆にこういう部分は似ているなと思う点があります。

<日米の相違点>

以前のコラムにも書きましたように、まず大きな違いは、米国では築年に関係なく賃料が上がることが珍しくないこと。もちろん、リーマンショックのようなことがあると短期的には当てはまらない場合もありますが、中長期のスパンで見るとゆるやかな上昇をする場所が少なくない。
これは私自身も何度か経験していることです。

例えば、2bed&2bathという間取りの部屋の賃料が、$2,300(2013年)→$2,780(2017年)と上昇したりするのです。
4年で20%アップとは、日本ではリフォーム無しには考えられませんが、米国ではこのようなことは特に珍しいわけではなく、日常で起きています。(賃料が$1,000前後等の貸家でも同様)
中長期で見た賃料上昇が、ピンポイントではなくマーケット全体(ここではカリフォルニア)の傾向だということは、人口が増えていてそれを供給が上回らないから、ということに尽きるのだろうと。

賃料が上がれば、「収益を生む不動産」として物件自体の資産価値も上がるわけですから、中長期での資産形成が可能になるというのもうなずけます。景気の浮き沈みはいつの世にもありますから、市況が良くない時であっても回復時をゆっくり待つことができるのでしょう。

両国の違いをもう一点、挙げておきましょう。
一言で言うのであれば、「日本人オーナーは、細かいところまで気になる」ということ。
ある時、不動産を管理している米国の方から「日本人オーナーは、詳細な説明やフォローが必要なことが多いです。」といった話しがありました。例えば、月次報告書のことから修繕費の見積り、進捗などについての細かい問合せが多いとのこと。
お話しを伺っていると、純日本人の私としては、言うほどでもないんじゃないかなぁと感じたのですが(笑)、似たようなことを複数の方から耳にしたことがあります。当然、該当しない方もおられるでしょうけれど、一般的に言って両国民の気質の違いがあると言えそうです。

ある管理業者の方(米国人・日本在住経験ありで日本語・文化にもある程度精通しておられる)は、「細やかな配慮が必要になる日本人オーナーと、ざっくりとした現地の業者さんとの間で板挟みになることは珍しくないですよ。」とおっしゃっていて、同じようなことが現場では日常的に起きているのかもしれない、と感じました。

<日米の類似点>

では逆に、両国の似ている部分は何かというと。
まずは、管理の大切さです。
既に賃貸経営をされている方は、管理の重要性は痛感されていることと思います。管理をおろそかにすると、建物・敷地内は荒れ、空室期間も長引き・・・といった状況にもなりかねません。
国内ですらそうですから、物理的に遠い海外でしかも言語・文化が違う中では更に意識しておくことが必要です。
現場の実務は現地の管理会社さんがするにしても、よほど語学力に長けている&現地事情に詳しいという方でなければ、日本企業(またはコンサルタント等)が間に入っていることが多いでしょう。ですから、現地の管理会社さんのみならず、間に入るところの信頼性、誠実さもとても重要です。

私自身は物件により管理形態が違い、2パターンの経験があります。
一方は、基本的に間に入る日本人の方とのやり取りで、何かあった場合には現地の管理会社さんから連絡もあるという形。もう一方は、通常のやり取りは直接現地の管理会社さんと行い、困ったことが生じた場合に日本人の方にサポートしていただくという形です。 

もう一点の両国類似点としては、不動産は人のつながりであるということ。
例えば物件情報については、オンマーケットとオフマーケットがあると言います。情報が表に出ているかいないかということです。オフマーケット、日本では非公開物件といったところですね。
以前私は、米国ではオフマーケットは存在しないのではと思っていたのですが、表に出ず水面下で取引が成立することは、日本だけではなく米国でもあります。
信頼できる方々と長くお付き合いが続けば、そのような情報をもらえる場合も出てくるでしょう。
もちろん、非公開だからといってそれが必ずしも優良かどうかはわかりませんが。最後は自身の判断が必要になるのも、日米共通でしょう。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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