鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: かしこい海外不動産投資

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

海外不動産のこわい話

前回のコラムでは、海外物件から、日本円以外の通貨でお家賃をいただく素晴らしさについて書きましたが、当然ながら、ハッピーなことばかり起こるわけではありません。

日本と言葉も商習慣も違う、海外での不動産投資・賃貸経営は、トラブル、ハプニングの連続。慣れないうちは、それこそ狂い死にする位、フラストレーション溜まることもあります。

海外不動産の、何が大変なのか…話のネタは山ほどありますが、あえて、重要なものだけ書きますね。

1.売りたい時に売れない

malaysiaどの国の物件であれ、不動産投資は、「出口=売却」がゴールになります。

特に、いま日本人に人気の、東南アジア新興国(マレーシア、フィリピン、タイ等)の不動産は、「プレビルド」(Pre-build)といって、物件完成の数年前に安く買い、完成後に高値で売る、値上がり益目当ての投資が主流になっています。

いま東南アジアは経済勃興期、所得水準も年々上がってますので、物件完成後に上手に売り抜けられれば、確実に利益は出るでしょう。でも人生、何が起こるか分かりません。物件完成前に、入院、親の介護、子供の入学などで、急にお金が入用になることもあります。その時、首尾よく売り抜けることができるかというと、

未完成段階での物件売却は非常に困難

myanmarなぜか?東南アジア新興国では不動産市場がまだ未成熟。人々は「街を歩いて、良さげな物件があったら内見して、気に入ったら買う」…そんな世界なので、まだ未完成の物件を取引する市場が、そもそもない。
つまり、完成するまでの数年間は、お金払いっぱなしの状態が続くわけです。その途中で、資金繰りがきつくなっても、売れず、換金できず、下手したら物件を没収されることもあります。

2.貸したい時に貸せない

物件完成まで、何とか持ちこたえて、晴れて引き渡しの日を迎え、海の向こうの物件オーナーになる夢が叶ったところで、さらに難問が一つ待ち構えています。

新興国の首都では、マンション過剰供給の問題が深刻

マレーシアのクアラルンプール、タイのバンコク、フィリピンのマニラなど、新興国の首都は、順調に人口は増えていますが、それ以上物件が建ちすぎる「過剰供給問題」が深刻化する傾向にあります。

特に、一気に3000戸を供給する巨大マンション開発とか、現地人の給与水準では借りられない価格帯の物件では、需給バランスが崩れ、下手したら日本の地方都市以上に空室率が跳ね上がることも少なくありません。

thailand首尾よく、現地人に貸せる物件を買えても、日本と勝手の違う外国で、部屋を貸すには、それなりに経験とスキルが必要です。もっとも、普通の居住用マンションでない、「投資用ホテル」、「サービスアパートメント」を買って、客付けをプロに任せる、という選択肢はあります。

3.業者の倒産、廃業リスク

海外不動産の取引に、日本の宅建業免許は要りません。要は「誰でも始められる商売」ゆえ、都市によっては、零細業者が乱立しています。

業者から海外物件を買った後、その業者が倒産、廃業してしまい、サポートが受けられない!という笑えない状況も増えています。

philippinesそんな時、他の業者に乗り換えるのも簡単ではありません。都市によっては、日本人業者が一社しかないこともあるし、たとえ複数社あっても、他社から買った物件の管理だけ引き継げるとは限りません。業者としても儲けが少ないので、やりたがらない会社が多いのです。

その他、築古物件を買ったら法外な修繕費の請求が来たとか、治安の悪いエリアで高利回り物件を買ったら、部屋を荒らされてシステムキッチンや配管まで盗まれていたとか、高額な保険代や固定資産税がかかってキャッシュフローが出ないとか…とにかく、いろいろなことが起こります。

私は、海外不動産にまつわるトラブル事例を日常的に見聞しているので、なおさら、買う時は慎重に慎重を重ね、心から納得して買い物する必要があると思っています。同時に、買う側も、日本とは勝手が違う、海外不動産投資の知識・スキルを身につけ、賢い買い物をしていただきたいと思います。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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