菅井敏之の不動産投資コラム

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【第一回】 事業者として銀行と借金の常識を知る

「いくつも銀行に相談に行ったんですけど、みんな断られてしまいました」
「希望金額をいきなり減額されました」
「金利を下げたいんですけどどうしたらいいでしょうか?」

25年間銀行員だったわたしのところに、このような相談が舞い込みます。

多くの場合、不動産投資に融資は欠かせません。どの投資家も借入の問題に直面し、対応されています。
その中で、借入が出来た方、出来なかった方がいます。

銀行出身のわたしは現在、不動産投資家です。
メガバンクから信用金庫に至るまで、担当者・支店長など銀行の方々と日々接しています。

本コラムでは、そうした立場で得た経験に基づき「金融機関との上手な付き合い方」について
全10回程度の連載を元に解説していきます。

単なる金融機関との交渉テクニックではなく、貸す側の組織・考え方についても解説をしていく予定です。

借り入れを行うには、貸す側の論理を知っていなければなりません。
せっかく素晴らしい属性を持ってるのに、そのことを知らなかったがために
借入できなかったケースは多くあります。

実にもったいないことです。

特にサラリーマン投資家の場合、日常的に銀行員と付き合うことはありません。
住宅ローンでお金を借りたとき以外、融資窓口のある2階の階段を上ったことがない、という方がほとんどです。

しかしながら、銀行にとってアパート購入資金を申し込む貴方は事業者です。社長です。
社長が銀行との付き合い方を知らない、では話になりません。
アパート経営をすると決意した以上、銀行とは賢く付き合っていかなければなりません。

借入を断られた時、その理由を克明に説明されることはありません。
多くの場合「総合的に判断して」の一言しか言われません。
担当者の段階ではあんなに前向きに取り組んでくれていたのになぜ?

このような経験をされた方も多いと思います。これから自分は何をどう努力していったらいいか分からない。
そしてこのような経験が続けば、銀行員に対する苦手意識が生じます。

しかし否定的な意識を持って、うまく付き合うことはできるでしょうか?
賢く付き合いにはまず相手を知ることです。

もう一つ大事なことがあります。それはお金に対する考え方です。
お金を借りてまで不動産投資はしたくない。

はっきり言います。このように考えている人は不動産投資などすべきではありません。

「借金は怖い」「借金は身を滅ぼす」これは消費者としてなら正しい感覚です。
しかし、不動産賃貸事業を行う以上、消費者としての感覚とは違う借金についての感覚を持つべきです。

怖いのは借金ではなく、お金が無くなることです。
お金が無くなってから考えよう、銀行と付き合おう、では遅いのです。

借金は早く返したい。こう考える方も多いと思います。
その場合、一回当たりの返済額が大きければ、返済期間は短くなります。

しかし家賃収入が減り、修繕費が嵩めば返済に困ることになります。
リスケジュールを銀行に申し込めば、貴方は「経営破たん懸念先」と位置付けられます。

どこか別のところで借りようと思う人もいるかもしれませんが、
他の金融機関に返済するためのお金を貸してくれる銀行なんてありません。
もう一度言います。怖いのはお金が無くなることです。

借金は怖い、だから早く返したい。
この考えが事業を苦しめるもとになりかねないのです。

アパート経営に限らず、ビジネスにおいては借金がある、ないではなく
お金がスムーズに回るかどうかが最も重要なことです。

大家業という事業を志す貴方は消費者ではありません。

社長として事業に欠かせないお金=血液を流してくれる銀行との付き合い方・考え方を知る。
そして、事業者として、お金に対する自分自身の考え方・リテラシーを高める。

このコラムの中でこれからじっくりお話ししていきたいと思います。

【このコラムの著者】

菅井敏之

株式会社TSネッツ代表取締役
ファイナンシャルアカデミー ファイナンシャル戦略ゼミ 講師


1960年生まれ
メガバンク支店長として東京・横浜2ケ店を経験後、独立。
6棟78室の賃貸不動産・トランクルーム・太陽光発電・
カフェ(田園調布SUGER COFFEE)を経営。

銀行員としてお金を「貸す側」不動産投資家としてお金を
「借りる側」双方の視点を織り交ぜた講演やセミナーも行っている。

著書「お金が貯まるのはどっち!?」(アスコム)

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