佐藤益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

来年度予算から考える 不動産投資(1)

いまさら聞けない、不動産投資のキホン

投資は先手を打つことが大切です。特に不動産投資において世の中の大きな流れを掴むことは特に大切でしょう。

さて、昨年2017年12月22日に平成30年度予算決定概要=予算案が閣議決定され、公表されました。

今回は大きな視点になりますが、不動産投資に重要だと思われる予算案について見ていきたいと思います。

まず、ここ数年の政府予算の特徴

政府は2015年6月に「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針2015)」を閣議決定しました。この方針の下「経済・財政再生計画」を立案し、現在、政策を実施しています。

この計画は各年度で微調整をしながらも、主要な改革項目を80項目(うち社会保障分野が44分野)に絞り、2020年度までの5年間で目標を達成するよう実施しています。
特に2016~2018年度の3年間を集中改革期間としており、来年度2018年度の予算はその最終年と言うことで、とても意味深いモノになります。

2018年度の政府予算は、“経済再生と財政健全化を両立する”予算として、一般会計総額97兆7,128億円と6年連続で過去最大を更新する大型予算が編成されました。主に「人づくり革命」「生産性革命」「財政健全化」という3つのテーマに基づいて編成されています。

平成30年度予算の特徴

「人づくり革命」
 人生100年時代を見据え、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換し、人への投資を拡充。
 ・ 保育の受け皿拡大    ・保育士の処遇改善
 ・ 幼児教育の段階的無償化 ・給付型奨学金の拡充 等

「生産性革命」
 持続的な賃金上昇とデフレからの脱却につなげるため、生産性向上のための施策を推進。
 ・地域の中核企業や中小企業による設備   ・人材への投資の促進
 ・賃上げや生産性向上等のための税制上の措置の実施
 ・産学官連携での研究開発等の支援 ・生産性向上のためのインフラ整備への重点化 等

「財政健全化」
 財政健全化も着実に進展。
 ・一般歳出、社会保障関係費の伸びについて、「経済・財政再生計画」の「目安」を達成
  (28~30年度の3年間でそれぞれ1.6兆円程度、1.5兆円程度)。
 ・安倍内閣発足以来、国債発行額を6年連続で縮減(29年度34.4兆円⇒30年度33.7兆円)。
 ・一般会計プライマリーバランスも改善(29年度▲10.8兆円 ⇒30年度▲10.4兆円)

(出典:財務省「平成30年度予算のポイント」より)


例えば、「人づくり革命」「生産性革命」のキーワードで考えると育児や教育に関連したビジネスは注目されるでしょう。
投資物件に関してもそれらに関連する用途に対応でき、収益性も見込める企画であれば、自ずと期待もされるはずです。

一方、ここ数年の政府予算の中で、「財政健全化」については、常にプライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を目標に進められてきました。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)とは、借入金を除く税収などの歳入と過去の借入に対する元利払いを除いた歳出の差のことです。 つまり、このバランスが均衡していれば、借金に頼らない行政サービスができているということになります。

当初、政府は「2020年度(平成32年度)の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化」することを目標にしていました。
ただ、昨年2017年6月9日に閣議決定された「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針2017)」により、方向性が変わっています。

2019年10月に予定されている消費税の増税分の使途ですが、当初はこの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化のために使う予定でした。
同方針により、消費税増税分は教育無償化などの財源に充てることとなり、この目標の達成が困難になっていました。

先頃(1月23日)の政府の経済財政諮問会議にて「中長期の経済財政に関する試算」が示され、従来の目標を2年2027年度に先送りし、この試算を土台に6月に策定される来年度の「骨太方針」に明記される予定です。

既に日本は人口減少&超高齢社会に突入していることから、ここ数年の「税制改正」(予算の歳入面の改正)では、消費税や相続税などの納税を強化するような政策を進めています。

また、昨年の総選挙で政府与党が圧勝した影響もあり、今年の税制改正は増税傾向になってると感じます。
例えば、国際的な比較で相対的に高い法人税を調整し、代わりに所得税が課税を強化されることから、「個人所得課税の見直し~給与所得控除&公的年金等控除の上限厳格化」がなされています。

ただ、景気対策の一環として世代間の資産移譲も含めた贈与税の緩和なども同時に行われています。
今回の税制改正大綱にて注目されているのが「事業承継税制の特例の創設」です。

未公開会社の事業承継に関する優遇ですが、大幅に要件が緩和されています。
みなさんの中にも法人化されている方は使いやすくなった方もいらっしゃるかもしれません。

この話は、また別の機会でお伝えしたいと思いますが、来年度の税制改正の内容はしっかり見ていく必要があると思います。

 続きは、次回にしましょう。

【このコラムの著者】

佐藤益弘

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。
オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして10年以上活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、「マイアドバイザー®」を運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした~ お金の家庭教師≒教科書通りのFP として活動中。

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