橋本 秋人の不動産投資コラム

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

国際的なビッグイベントが不動産投資に与える影響

人口減少が進むわが国では、入居率の低下が不動産投資の大きなリスクとして懸念されます。わずかに増加を続ける世帯数も、2023年をピークに減少に転じると予測されています。※1 
空室リスクを軽減するためには立地選択などのマーケティングが重要ですが、入居者層を広げるという発想もあります。
ここで、不動産投資家にとって追い風になると期待したいのが、東京オリンピックをはじめとする今後国内で開催される国際的なビッグイベントです。何か「風が吹けば桶屋が儲かる」風な話に聞こえますが、これらのイベントに期待されるのが、新たな需要の呼び起こしです。
そして、先陣を切って開催されるのがラグビー・ワールドカップ(W杯)です。

ラグビーW杯のもうひとつの役割

初めて日本で開催されるラグビーW杯が9月20日いよいよ幕を開けます。
前回2015年のイングランド大会で日本が南アフリカに歴史的な勝利をおさめ、ラグビーファンならずとも多くの日本人が感動してから4年。待ち焦がれていた人も多いのではないでしょうか。
チケットの販売状況も好調のようで、ラグビーW杯日本大会組織委員会は6月14日、約180万枚のチケットのうち、すでに約140万枚が販売済みと発表しています。

ところで、近年訪日観光客数は堅調に増加しており、2018年には3,000万人を超えました。観光競争力においても日本は136ヵ国中4位とたいへん高い評価を受けています。※2
観光客数が増加することは、日本の素晴らしさを実感する外国人が増えることにつながります。その結果日本を愛し、日本に住みたい・働きたいと考える外国人も増えるでしょう。結果的に、空き家・空室問題の改善に寄与することも期待できます。
ビッグイベントによる観光客の増加は、経済的な効果をもたらすと同時に、外国人に日本の魅力を伝える大きな機会にもなるのです。ラグビーW杯はそのきっかけのイベントになります。

日本の魅力を伝えるビッグイベントが目白押し

これから数年間、日本ではビッグイベントが続きます。
2019年 ラグビー・ワールドカップ
2020年 東京五輪
2025年 大阪万博

あわせて観光客や外国人労働者を受け入れるための法整備も次々に行われています。
・住宅宿泊事業法(民泊新法)  
・旅館業法改正           
・改正入管法             
・IR整備法(カジノ法)  ※2021年7月までに施行予定

ビックイベントと関連法規が相まって訪日外国人の増加に拍車をかけることが期待されます。

ラグビーW杯だけが持つ魅力

ここで、もう一度ラグビーW杯に話を戻しましょう。

日本では野球やサッカーに押され、いまひとつ人気が低いラグビーですが、実はラグビーW杯はオリンピック、サッカーW杯と並ぶ世界3大スポーツ大会のひとつと言われている大きな大会で、世界中から多くの観客が集まってきます。
今回も販売済みチケットのうち、海外の購入者が約3割を占めており、約41万人もの訪日客が想定されているのです。※3

ラグビーW杯には、他の大会と異なるいくつかの特徴があります。
・開催期間が長い 
ラグビーは試合の間隔が長いため、大会の開催期間は44日間にも及びます。これは東京オリンピックの17日間の倍以上の長さになります。
自国のチームを応援する観客の多くも長期間の日本滞在となるため、試合の合間に観光などをする観客も多いと予測されています。
・日本全国で開催
東京オリンピックは、東京を中心に開催されますが、ラグビーW杯は、北海道から九州まで全国12都市で試合が行われます。地方での試合を観戦する外国人は、その地方を中心に観光にも出かけ、都会とは異なる食や文化、自然などの魅力に触れることになるでしょう。
・欧米など遠方からの観客が多い
出場国は20ヵ国ですが、特徴的なのはヨーロッパやアメリカ、オセアニアからの出場が多いことです。
訪日観光客数は、中国、韓国、台湾の順ですが、W杯ではそれ以外の地域、特に地理的に遠い国々から多くの観客が来ることになり、より幅広い外国人に日本の魅力を知ってもらう良い機会となります。

不動産投資への影響は?

今後観光客や外国人労働者を取り込むことにより、以下のような効果が期待できます。
1.外国人入居者を取り込むことによる稼働率のアップ
今年4月には改正入管法が施行され、国内で合法的に働く外国人の労働環境も整備されますが、今後日本に居住する外国人が増えれば、賃貸住宅にも外国人入居者が増加し入居率アップが期待できます。
2.宿泊事業のニーズの高まり
民泊や簡易宿所などの宿泊系はさらに期待大です。需要が期待できる地域では、今後不動産投資手法の有望な選択肢になるでしょう。

その他にも外国人向けのイベントスペースなどの可能性も広がります。
国際化が進む時代、賃貸事業においても国際化を上手に活用する時代が来ています。

おわりに

前回のラグビーW杯では、日本代表として10名もの海外出身の選手が出場しました。彼らはラグビーのために来日し、日本に溶け込み、母国の代表ではなく日本の代表として日の丸を背負い、日本のために全力で闘ってくれたのです。中には日本に帰化した選手もいます。君が代を歌う彼らを見て目頭を熱くした人も多いのではないでしょうか。
私たちが日本を愛する戦士たちを受け入れたように、日本を愛する外国人を受け入れる姿勢が新たな不動産投資の機会を生み、成功する可能性を広げます。

※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計2019年推計」
※2 世界経済フォーラム「観光競争力2017年版」
※3 日本政策投資銀行レポート2016年5月  

【このコラムの著者】

橋本 秋人

ファイナンシャル・プランナー 不動産コンサルタント
1961年東京都出身
早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。

長年、顧客の相続対策や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。

現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。

保有資格:
・ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)
・公認不動産コンサルティングマスター 
・宅地建物取引士
・住宅ローンアドバイザー
・福祉住環境コーディネーター2級
・終活アドバイザー(終活アドバイザー協会)

平成27年度日本FP協会「住宅活用相談」相談員
平成29年度日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

樗木 裕伸

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資ローンと住宅ローンの違いと5つの金融機関の特徴

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資の鍵「経費」を理解しよう!経費の種類・範囲は?

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.41インドネシア不動産投資のチャンス その2

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 高齢化と不動産投資(2)~「簡易生命表」を見て、人生100年時代を理解する

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: ヨーロッパの不動産事情

最新コラム: 経済苦境続くギリシャ不動産のいま

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 利下げと不動産投資

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: フィッシャー・ハドソン・ウィルソン・モデル

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 27.「決算書思考」で不動産投資が変わる(前編)

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。