橋本 秋人の不動産投資コラム

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

コロナ禍で行う「予防的」空室対策とは?~ウィズ・コロナ時代の入居対策(2)~

前回のコラム「テレワークに対応した最新の賃貸住宅事例~ウィズ・コロナ時代の入居対策」では、ウィズ・コロナ時代に対応したプランニングやリフォームの事例を、ハウスメーカーや不動産管理会社の提案を通して紹介しました。
今回もミクロなテーマですが、コロナ禍での「予防的」入居対策について、筆者の所有物件を例に紹介します。

オーナーの空室対策は「事後的」から「予防的」へ

空室対策と言えば、どうしても退室後や空室が長く続いたときなどに行うというイメージがあります。しかし入居率が落ちてから慌てて対策を打とうとしても、手元のキャッシュフローも薄くなるため思い切った費用もかけられず、結局、場当たり的にフリーレントや賃料の値下げ、ADのアップなどで対応せざるを得なくなっているケースも多く見られます。

しかし、今回のコロナ禍で学んだことは、世の中はいつ何が起こってもおかしくないという前提で、日頃から物件の競争力を高めておくという意識が必要であるということです。
平常時の体力があるうちに「予防的」入居対策を行っておくと、物件の競争力が高まるので結果的に空室率や家賃の値下げも抑えられ収益維持・向上につながります。
また対策にはお金がかかるものばかりではなく、少しの気づきでコストをかけなくても行えるものもあります。

オーナーレベルでも行える入居対策は?

筆者もサラリーマン時代に不動産投資を始め、現在も数棟の収益物件を保有しています。コロナ禍でも幸いダメージは受けていませんが、外出先での仕事が減ったタイミングを利用して、この際所有物件の総チェックをすることにしました。
ポイントは入居ターゲットと仮定する入居者目線でチェックを行うということです。

(1)外回りの見直し~内覧時のイメージアップ~

入居者の部屋探しのポイントとして設備や間取りは大切ですが、同様に第一印象としての外観イメージは重要と言えます。
・薄暗い印象
・敷地内がゴミだらけ
・こわれた自転車が放置
・雑草がぼうぼう
といった物件は、せっかく入居者が内覧に訪れても、ひと目で入居意欲がそがれ、真っ先に検討対象から外されてしまうでしょう。

筆者も所有物件の見回りをした際に、そのうちの1棟の外回りの汚れが気になりました。外壁はまだまだキレイな状態ですが、エントランスや駐車場の汚れが目立ってきたため、ケルヒャーで高圧洗浄をかけました。
エントランス(洗浄前)

エントランス(洗浄後)

外回りもピカピカになり明るい印象になります。
そのおかげか、1部屋あった空室に2週間後には入居者が入ってくれました。

(2)除草の事前対策~イメージアップと管理負担の軽減~

また、別の物件では、暖かくなると外廊下側の砂利部分に雑草が伸びてきて草刈りの手間ひまがかかっていましたが、雑草がのびる季節の前に対策をすることにしました。
当初、砂利部分をコンクリートで埋めてもらう見積りを管理会社に依頼したところ、15万円以上の見積りが出てきて驚きましたが、その際に「水で固まる土」を紹介され、ホームセンターで購入し自分でまくことにしました。砂利部分に土を敷き詰めジョウロで水をかけるだけで至って簡単、費用も7,000円程度ですみます。

対策前は「砂利敷き」の状態

「水で固まる土」をまき、水で固めて作業完了

この物件も今春2部屋が退室しましたが、いずれも順調に次の入居者が決まりました。
このような小さな手間をかけるだけで入居にむすびつく可能性があります。

(3)低速無料インターネットの見直し

あらためて設備についても点検したところ、インターネットの見直しが必要なことが分かりました。
S市のアパートは、インターネット無料使い放題でしたが、より容量の大きなプランに契約変更しました。
無料インターネットは、多くの賃貸物件に普及していますがその規格はさまざまで、「おうち時間」や在宅ワークが増えるに従い、速度の遅いインターネットは入居者からのクレームが増えていると聞いています。
このようなトラブルを避けるために、今回プランを見直しましたが、1世帯当たりの負担増は、毎月約400円。小さなコストアップで安心感が得られたと感じています。

筆者の所有物件ではたまたま新型コロナ拡大の前年に、オンラインショッピングの増加を見越して所有物件への宅配ボックスの設置を終えていたので、結果的にコロナ対応としてプラスに働きました。他にも、自転車置き場に鍵付き扉を設置、コンクリート階段にCFを貼りお洒落にするなどの「予防的」入居対策を講じてきました。
トレンドから出遅れるのではなく、半歩でも先んじて対策を講じることが不動産投資にも必要だと思います。

不動産「投資」にも不動産「経営」の視点が必要

不動産投資はよく「不労所得」と言われます。
確かに日常の管理という意味では手間はかかりませんが、それでも入替時のリフォームの内容、入居募集の戦術、長期空室の打開策を決める際など、さまざまな場面でオーナーの意思決定が必要になります。
その際に、成り行き任せではなく、先見性と判断力が今後の賃貸経営に大きな影響を与えます。
中古物件は何もしなければ現状維持が良いところですが、イメージアップのために多少の手間ひまをかけるだけで、それ以上の効果を生むことがあります。
コロナ禍を、不動産経営の視点を持つ良い機会と捉え、体質強化を行うことで、より強い不動産経営につながると考えています。

【このコラムの著者】

橋本 秋人

FPオフィス ノーサイド代表
CFP®認定者、1級FP技能士、終活アドバイザー
公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

1961年東京都出身
早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。
長年、顧客の相続対策や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、
早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。
現在は、FP、不動産コンサルタントとしてコンサルティング、セミナー、執筆等の活動を行っている。

NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)副理事長
埼玉県定期借地借家権推進機構 理事
東京電子専門学校 非常勤理事

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