田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【NO.3】ASEAN地域での各国比較

図1

皆様、こんにちは。
エイリックの田中です。

前回のコラムでは気をつけるべきことを書いてきました。
今回は具体的に数字を使ってASEAN地域における様々な比較をしていきたいと思います。

まずは前回も書いた通り、ASEAN地域の中でも外国人名義で購入することができる国とそうでない国が存在します。

【外国人名義で住居保有が可能な国】
・ シンガポール
・ マレーシア
・ タイ
・ フィリピン
・ ベトナム
・ カンボジア

上記の6カ国になります。
その6カ国と日本・主要アジア圏の平米単価、利回り(Yield)を一覧にしたものが下記の表(表1)になります。

<表1> 各国ごとの平米単価・月額家賃・利回り一覧表

出典: Global Property Guide.comよりエイリック作成

出典: Global Property Guide.comよりエイリック作成

意外と日本の不動産でも利回りが良いことがわかります。
また台湾の不動産に関しては利回りが1.57%しかありません。
だから台湾の方は日本の物件を購入している、という事がお分かりになるかと思います。

ここで言いたいのは、
「ASEAN地域での不動産投資といっても、利回りだけを見ると日本とそこまで大差ない」
ということです。

また日本の場合、インカムゲインを重視する不動産投資が多いと思いますが、海外の場合(特にASEAN)はキャピタルゲインを狙いに行くのが基本です。

下記の表(表2)をご覧ください。

<表2> 各都市のコンドミニアム単価上昇率一覧

都市名2013年第4Q2014年第1Q2014年第2Q2014年年間
プノンペン13.7%6.1%7.2%25.0%
ジャカルタ11.6%5.8%5.5%23.6%
バンコク18.2%9.1%8.3%20.3%
上海6.2%6.8%-0.6%18.8%
クアラルンプール0.0%0.0%0.0%9.0%
東京1.3%1.3%0.1%7.7%
シンガポール0.0%0.0%0.0%0.9%
北京-2.5%-1.8%-0.7%-0.1%
香港-4.9%-3.0%-2.0%-8.0%

出典:Knight Frank データよりエイリック作成

四半期ごとにコンドミニアムの単価が上昇しているのが確認できます。
シンガポール、北京、香港に関しては値段が上がりすぎていたので、ようやく下がってきたという認識ですが、基本的にASEAN諸国では上昇基調になっています。

特に2014年全体で見ると、カンボジアのプノンペンの不動産価格が一番上昇しています。
1年で約25%上がるという計算ですから、ある種バブルと言えるかもしれません。
それくらいプノンペンの価格は上がってきています。

とはいえ、新興国では当たり前の姿だと思いますので、投資をする国に関しては様々な要因を加味した上でご判断されることをお勧めします。

さらにもう少し細かく分析をしてみましょう。
私の方で表1とASEAN諸国の一人当たりGDPを組み合わせて分布図を作成してみました(表3)

<表3> 一人当たりGDPと平米単価の相関図

*出典:IMFデータとGlobal Property Guideデータよりエイリック作成 縦軸:一人当たりGDP、横軸:平米単価

*出典:IMFデータとGlobal Property Guideデータよりエイリック作成 縦軸:一人当たりGDP、横軸:平米単価

表3を見ていただいても分かる通り、先進国であるシンガポールと日本が右上にきています。
マレーシアは2020年に先進国入りを目指していますが、平米単価はシンガポールや日本と比べれば安いと言えます。

もちろん、たった数年で日本やシンガポールに追いつくとは思えませんが、長い目で見ると、今後成長していく可能性は十分に持っています。
また、こういった視点を持つ事で、単純に利回りだけで話を進めてしまうのではなく、いかに総合的な視点で投資国を決めていくかが非常に重要ですので、ぜひご参考にしてください。

ちなみに、弊社のお客様の多くは利回りよりもキャピタル狙いをされている方がほとんどです。スタンスとしてはこちらのほうが正しいと思います。

日本ですとローンを組んで、レバレッジを効かせてインカムゲインを狙うのが通常のやり方ですが、ASEAN各国の場合は表2にあった通り、「不動産は値上がりするものだ」という考えが強いです。
※どちらかというと昭和50年代のようなイメージを持ってもらえれば良いかと思います。

ぜひ上記のデータを元に現地に行ってみてください。
データではわからないこと、ならびにデータ以上の可能性、またはリスクを発見することができると思います。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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