田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【No.6】 各国の不動産投資の現状 〜タイ編 その3 シラチャエリア〜

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皆様、こんにちは。エイリックの田中です。

前回から引き続き、タイを取り上げていきたいと思います。
今回は「タイの日本人街」と言っていい、シラチャというエリアを取り上げます。

まずはシラチャってどこですか?という方のために、全体図から。

<タイの工業団地分布図>

GDM社データよりエイリック作成

GDM社データよりエイリック作成

バンコクから車で約1時間〜1時間半程度。スワナプーム空港から約1時間弱にある小さな街です。

そして私がなぜこの工業団地分布地図を使ったかというと、位置関係を見て欲しかったのです。

工業団地というのは、その名の通り工場が入っているエリアです。
この工業団地に日本のメーカーの工場があります。その数なんと3,000社以上。

タイで駐在員として働いている方の多くは、バンコクに住みながら片道1時間〜1時間半かけて工場に通われています。

そんな状況の中、シラチャというエリアは工業団地から近く、単身赴任で来られている方が住んでいる小さなところでした。

そんなシラチャが今、コンドミニアムの建設ラッシュを迎えています。
その理由が下記2つ。

1. 日本人学校シラチャ校が2009年に開校したこと
2. 上記に伴い、住宅需要が一気に拡大したこと

日本人学校がなければ、おそらくシラチャは以前と変わらず単身赴任の方の街だったと思います。

しかし、バンコクでは違う問題が出てきました。
日本人学校の数が2,500人を超えてしまい、収容不可能という状態になってしまったのです。
(※ちなみに日本人学校の運動会は郊外のスタジアムを貸し切り、バス100台も貸し切られて行われる一大イベントです。)

これに現地の日本人たちが立ち上がり、シラチャの日本人学校を開校させ、付近の工場で働いている方をシラチャに移住してもらうように促しました。

しかし当時は日本人駐在員が満足できる物件があったわけではありません。
そこに適切な住環境を提供していこうと日系企業から現地企業がコンドミニアムを建設するに至ったのです。

そして、今ではJ-PARKと呼ばれるショッピングセンターができ、昨年はイオンも完成。物件も数多く建設されています。

日本人学校シラチャ校外観

日本人学校シラチャ校外観

J-PARK外観

J-PARK外観

その開発が激しすぎて、現地では供給過剰という事も言われていますが、現地で住んでいる日本人駐在員からすると、「早くよりよい住環境を!」というのが心の声だと思います。

余談ですが、私の友人もシラチャに駐在員として住んでいますが、やはり彼の奥様やお子様が安心して住める住環境はいくらあっても足りないという事はない、と言っている通り、まだまだ足りない状況なのだと思います。

さて、そんな開発ラッシュが進むシラチャですが、不動産投資も同様に活発な状況になっています。
私も講演等で話をさせていただきますが、シラチャはバンコクと比べると価格が安く、その割に賃料がそれなりに高止まりしているエリアです。

つまり、「需給バランスが崩れている」状態です。
こういう状態は不動産投資家からすると、非常に面白いエリアかと思います。

ですが、そこには当然ながらリスクがあります。
そのリスクとは下記2つです。

1. 賃料の高止まりがいつまで続くか?
2. 物件の見極め

おそらく今後2~3年は賃料の高止まりでそれなりの利回りが取れると思います。
それこそ10%以上の利回りを出す事も難しくないです。それくらいまだまだ良い物件が少ないのがシラチャです。

しかし、上述した通り現在かなり多くの物件が建設されています。
これにより需給バランスがとれてくると一気に他の物件との競争になります。
この時にきちんと高い賃料が取れるかは不明です。

そして、同時に新しいコンドミニアムやサービスアパートが建てられていきますので、物件の質も同時に問われてきます。
物件の質とはそもそもの仕様ももちろんですが、管理体制やコミュニティにも及びます。

日本人が大多数のかなり稀有なエリアですから、悪い噂がたつとすぐに広まります。逆に良い噂が立つとこれもすぐに広まります。

そしてこの噂、口コミというものは投資する方ではコントロールできません。ここにも大きなリスクが隠されています。

ですので、シラチャに投資する際はぜひ周囲の意見を聞いてみてください。
特に現地に住んでらっしゃる方の意見が一番良いと思います。
現地に行かれると分かりますが、日本人が1万人近く住んでいますので、非常に多くの情報を得られると思います。

タイにできた、大多数の日本人仕様に作られた稀有な街、シラチャ。
これから発展もしていきますし、日本人にとって住みやすいエリアになっていくのは間違いないと思います。

非常に楽しみなエリアです。

次回は年間800万人以上の観光客が訪れるリゾート地パタヤを取り上げます。
お楽しみに。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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