田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【No.7】 各国の不動産投資の現状 ~タイ編 その4 パタヤエリア~

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皆様、こんにちは。エイリックの田中です。

前回から引き続き、タイを取り上げていきたいと思います。
今回は「タイ有数のリゾート地」であるパタヤを取り上げたいと思います。

まずパタヤという場所からご説明します。

<パタヤの位置>
※Google地図よりエイリック作成

バンコクから車で約1時間半〜2時間程度。スワナプーム空港から約1時間半の位置にあるリゾート地です。

パタヤは元々米軍の保養地として栄えた歴史があります。
その結果、人口は20万人程度と決して多くはないですが、観光客は年間800万人。
1日2万人の観光客が訪れる地域です。

観光客がこれだけ来るという事は、それに合わせて繁華街やホテルが乱立してきます。
それでも現在はホテルの数が足りない、という事態になっています。
日本も現在ホテルが足りない、と言われていますが、ここパタヤでも同様のことが起きていると思ってもらって結構です。

さて、そんなパタヤですが、主要エリアは中心部であるパタヤビーチを起点に、ノースパタヤ、サウスパタヤがホテル、高級コンドミニアムが建設されています。

ここパタヤは日本の方もファンが多いエリアで昔から様々な物件が供給されてきました。
一時期は供給過剰といってもよいほど物件が建てられました。
しかし現在、パタヤでは建築許可を取ることが非常に難しくなってきており、乱開発ができないようになりつつあります。

タイではEIA (Environmental Impact Assessment) という、日本で言うところの「環境アセスメント」の承認を取る事がコンドミニアムを作る時には基本必須となっています。
要は建築許可だけを取るだけではなく、環境にも配慮した形でコンドミニアムを作ってくださいね、という事です。

このEIAの承認を受けていない物件は基本的には建築できません(この承認が取れないために建築できない物件も多数あるくらいです)。

これに加えて、タイの代表的なリゾート地であるパタヤやプーケット、そしてクラビでは、EIAだけではなくIEE(Initial Environmental Evaluation)というものも承認をもらわないといけません。
IEEは直訳すると「初期環境評価」という意味ですが、環境保護のために設けられたものと思ってもらって結構です。

で、なぜこんな小難しい事を書いているか、ということですが、
よくあるのが、パタヤの物件で建設が止まっている、物件が立たない、という例が多くあります。

その理由はだいたいEIAが取得できていない、もしくはIEEが取得できていないから、という理由です。

基本的には両方とも建築許可を取る際に同時申請をして承認を得るのが普通です。
ただ、タイの物件の場合、EIAやIEEを取得する前から販売開始するケースが多いのも事実ですので、「知らなかった」とならないために覚えておいてください。

基本的にはEIA取得に関してはそこまで難しくありませんが、IEEはパタヤなどのリゾート地ですので、難易度は上がります。
ここを知っているか、知っていないか、きちんと販売会社さんに確認してください。

EIAは承認されると、だいたい物件PRの際に記載されている事が多いです。現地タイ人ですら、これに関しては非常に敏感に反応します。
ですので、EIAが取得できた物件は大々的にPRをします(下記写真のような形でPRされています)。

出典:Euro Asia Development Co., Ltd.,のHPから抜粋

出典:Euro Asia Development Co., Ltd.,のHPから抜粋

さて、そんなルールがあるパタヤですが、現在物件数は調整されつつも、やはり人気エリアのため多くの魅力的な物件があるのも事実です。

そんな中でもパタヤの魅力はやはり、バンコクに比べたら半額程度〜7割程度の価格といってよいでしょう。

ただし、きちんとリスクも理解してください。
あえてここではメリットよりもリスクを強調します。

<パタヤで不動産を購入するリスク>
1. きちんと物件が建設されるかどうか?建設されても内容が同じかどうか?
2. 客付けができるかどうか?
3.管理体制はどうなっているのか?

最低この3つは意識してください。

まず物件が建設されるかどうか、ですが、デベロッパーの問題もありますが、上述した通り、パタヤはEIAとIEEの両方の環境保護申請が必要です。
ここに適していなければ、いつまで経っても建築許可がおりません。

しかし物件の販売は申請の前に行われているため、最悪の結果どうなるかというと、EIAとIEEを通すために設計変更、間取り変更があり得るという事です。
つまり、購入した時には広さも50平米くらいでこれくらいの値段と思って購入したのに、審査が通った後になると、部屋が小さくなったり、値段が上がったり、と当初言っていた話と変わる事があります。

これは実際にあった話です。
しかも、それでデベロッパーを訴えても対応してくれない、ということがあります。
ヒドい話ですが、そのリスクも含めて販売しています、と開き直るデベロッパーもいるくらいです。十分注意してください。
これは販売会社に文句を言っても(というか販売会社も知らなかったりします)どうにもならない事ですので、事前に確認をきちんとしてください。

次の客付け、ならびに管理の問題ですが、ホテル案件であればまだしも、コンドミニアムの場合は基本的に人口もそこまで多くありませんし、正直別荘感覚で購入される方が多いのも事実です。

ですので、きちんと管理されているのか、客付けは誰がやるのか、そのあたりを非常に気をつけないと、単に安いからOKという問題ではなくなります。

パタヤは私も在タイ中に何度も遊びに行って、すごく好きなエリアの一つなのですが、こと不動産に関して言うと、はっきり言って簡単ではありません。
ましてや不動産投資で、となるとよっぽど信頼できる会社や人に出会わないと、もしくは別荘代わりというくらいのスタンスで挑まないとかなり難しいと個人的には思っています。

ただ、別荘感覚で、という方にとっては非常に素晴らしいエリアですので、ぜひ遊びに行ってみてください。

アクティビティも充実していますし、海産物も非常に美味しいですし、何より南国のゆったりした雰囲気の中、のんびりできる別荘が1,000万円くらいで購入できるというのは非常に魅力的だと思います。

ぜひバンコクからも2時間以内で行ける、リゾート地、パタヤ。
これからますます面白くなると思います。

皆様もお忙しいと思いますが、のんびりリゾートでもしながら、不動産を見て回るくらいの余裕があっても良いと思います。

ぜひ現地に行ってみてくださいね。

次回からは国を変えて考察していきたいと思います。
お楽しみに!

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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