田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.100 2022年のASEAN不動産マーケット展望 その2

エイリックの田中です。

前回中国のASEAN投資が加速するであろうという話を書きました。その影響がASEAN不動産マーケットに響くと考えています。
今回は2022年のASEAN不動産マーケットを2回に分けて書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

■2022年マレーシア不動産展望

図1:マレーシアの住宅価格指数推移

出典:マレーシア統計局より

マレーシアは図1の通り、ゆっくりと下り坂になってしまっています。これは2014年の外国人投資規制(外国人は100万リンギット以下の物件に投資できない*一部エリア除く)が実施されてから続く傾向で、新型コロナウイルスがトドメを刺したような印象があります。しかし一方でエリアによりますが急激に価格が上昇している地域もあります。なんとも読みにくいマーケットですが、基本的には図1の通りゆっくりと下落傾向にある、と見て良いでしょう。

では、2022年はどうでしょうか?
中国のJuwai.com(居外網)という不動産検索サイトでマレーシアのエージェント向けにアンケートを取った結果、2023年頃までゆっくりと上昇するという答えが得られたそうです。その理由として、「不動産価格は下がりすぎであり、新型コロナウイルスが落ち着くと同時に上昇に転じる」というものだったそうです。

ただ私は正直懐疑的です。この話は5年くらい前からずっと言われていたものであり、マレーシアの不動産マーケットは構造的・政策的な問題が根強く残っていると感じています。人口が多くないこと、街が分散していること、そして外国人投資規制があること、そしてMM2Hの改悪などです。

ただ逆を言えば、不動産価格が上昇していかない代わりに、住みやすく移住するには良い国だと思います。2022年にはクアラルンプールの街整備も進んでいきます。そういった点では面白みはあると思いますが、不動産マーケット的には横ばいかつ賃料もそこまで高くならないと見ておいた方が良いと思います。

■2022年タイ不動産展望

図2 タイ不動産価格推移(2016年〜2021年)

タイ最大の不動産情報サイトDDproperty社のデータですが、2021年までやはり不動産価格の下落が見られます。タイにおいては高価格帯物件に関して、特に中国人を中心とした外国人投資家がコロナによって販売が厳しくなったせいか、致し方ない気がします。

結果的にタイにおいては郊外の実需物件、特に戸建て物件の販売が進みました。外国人に販売されることなく、デベロッパーも国内中心に踏み切った結果でしょう。

2022年は外国人投資家が戻ってくるかどうか、なんとも言えない状況ではありますが、多くのデベロッパーは2022年を楽観的に捉えているようです。市場はゆっくりと回復していくだろうとの見解が多く見られます。

私自身も似たような感想を持っています。マレーシアと違いタイは2020年、2021年と相当に沈んでしまいましたが、元々は観光立国です。コロナ次第という部分は消えませんが、逆を言えばコロナが落ち着いて渡航ができる状態になってきたら確実に上向いてくると思われます。それだけのポテンシャルをこの2年で蓄えてきたと感じるからです。

さて次回はフィリピンとベトナムについて書いていきたいと思います。お楽しみに。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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