田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.108 フィリピン現地レポート2022年7月 その2

エイリックの田中です。

暑い日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。コロナ禍かつ暑い状況なので、体には本当に気をつけてください。
さて、先月訪問したフィリピンについて今月も書いていきたいと思います。現在フィリピン全体の住宅価格指数は以下の通りとなっています(図1ご参照)

CEICのデータを引用させてもらっていますが、このデータの見方としては、2010年=100として、2017年12月〜2021年12月のデータを引っ張っています。データとして面白かったのはコロナに入ったばかりの2020年7月が最大でそこから一気に落ち込んでいます。ただし、これはフィリピンの住宅指数であって、コンドミニアムやマニラとかに絞っているわけではありません。

少し混乱してしまうかもしれませんが、フィリピン中央銀行のデータを元に物件タイプごとのデータを見てみましょう(図2ご参照)

図2:フィリピンの種別ごと住宅価格指数推移

*フィリピン中央銀行データよりエイリック作成

CEICと違って、フィリピン中央銀行のデータは2014年1Qを100としているので、少し見方を整理しなければいけませんが、最新の情報で2022年1Qのデータまで出しています。

これを見るとコンドミニアムの価格がコロナ前まで戻りつつあります(2020年2Qで指数193が、2022年12月には指数187.2まで回復)。一方でタウンハウスがコロナ関係なしに成長してきましたが、2021年末から減少傾向に入ったというのも面白いです。

つまり、コロナによって郊外のタウンハウスが急成長してきたのですが、コロナが落ち着いてきて国境が開かれてきたら、またコンドミニアムの価格が上昇してタウンハウスが下がるという絵になっています。

このグラフから読み取れるのは、コロナが終わりつつある、ということと、やはりコンドミニアムへの人気が復活しているということです。

ただ、現地を見てきた人間からすると、このコンドミニアムの回復に関しては、少しデベロッパーや売主が釣り上げているなという印象があります。ですので、このデータを単純に鵜呑みにするのは少し怖いなと正直思って現地視察をしていました。

このデータに基づくように、コンドミニアム販売や中古物件に関して、販売が活発化されてきています。しかし、実態の価格や賃料に関しては正直まだ追いついてきていないと思っています。それは中国人の存在です。やはり中国人がそこまで入ってきていないので、賃貸に関しては(特にマニラ湾〜マカティ近辺)もう少し時間がかかると思います。

ただ現状の国境の開き方や動き方を見ると、これは時間の問題かなとも考えます。それくらい現地の雰囲気は良くなってきていますし、活気は出てきています。

個別の物件で言うと、おそらく2013年〜2015年くらいにBGCやロックウェルで購入された、しかもそれなりのデベロッパーが作った物件は軒並み価格が上昇していて、少なくとも負け物件という印象は持ちませんでした。そう考えるとやはりエリアとどこのデベロッパーが作っているのか、そしてその物件の質が良ければ着実に資産価値という意味では上昇しているのは見て取れました。

今後、フィリピンで物件購入を検討される方は「安いから」ではなく、「きちんとした賃貸需要があるエリア」で「きちんとしたデベロッパー」など価格以外の部分にもっと目を向けて欲しいなと思います。その点さえ理解できていれば変な物件を掴まないでしょうし、転売も可能だと思います。

しかし、久々にフィリピンを訪問させてもらって、非常に魅力的な国だなと改めて感じました。もちろんまだまだ問題はあると思います。ただ、この成長に対する痛みは当然の話ですので、ここは意識して動いてもらえればと思います。

来月はタイに2年半ぶりに行く予定です。タイの不動産も高止まりしている部分はありますが、コロナ前と比べると「管理」が非常に良くなったと聞いています。その点を掘り下げて見てこようと思っています。

来月はタイからの現地リポートとなります。
ぜひご期待ください。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

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