田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.31 2019年フィリピンの不動産マーケット その2

No.31  2019年フィリピンの不動産マーケット その2

エイリックの田中です。

前回に続いてフィリピンの不動産マーケットについて買いていきます。

前回までは投資すべきエリア、および産業構造等の違いについて書きましたが、今回はコンドミニアムマーケットについて買いていきます。
その中でも「狙い目は中古物件!?現在の相場をきちんと把握しておく」という部分にフォーカスを当てたいと思います。

図1 高級物件の価格推移

出所: Colliers International Philippines Research より抜粋

図1をご覧ください。
前回お伝えしたエリアのうち3つにフォーカスをしていますが、4半期単位で3%-5%前後(年間では3%前後)の上昇をしています。
もちろんこれは高級物件マーケットなので一概に正しいとは言い切れませんが、この理由は「供給数が減った」というのがあります。

図2 各エリアの住宅供給戸数推移

出所: Colliers International Philippines Research より抜粋

図2は各エリアの供給戸数を表しています。
フォートボニファシオは2020年までの供給が予測されていますが、安定して供給されているのがマニラベイ・エリアくらいで他のエリアは供給数が極端に減っているのがわかるかと思います。

ある程度エリアが決まっていて、その中でもう建設余地が少ないということは、必然的にエリアの価値が上がるわけですので、図1みたいな話が出てきます。
もちろん、街自体が広がれば相場は落ち着くと思われますが、前回もお話しした通り、マニラ首都圏の場合、ある程度エリアが限られています。それは財閥が開発した街だからです。

ですので、マニラベイ・エリアなどに関しては、特に財閥が管轄して開発しているわけではないので、供給数が増える、もしくはエリアの有限性が少ないので、希少価値になりにくいので土地の価格上昇も一時的になりがちですし、時間もかかってくると思われます。

このあたりの見極めが非常に重要なのがフィリピンのマーケットになってきます。もちろん立地だけが全てではありませんが、フィリピンに関しては立地が非常に重要です。つまり中心部の一等地はやっぱり一等地として維持される可能性が高いからです。

新規供給がほとんどなくなってくる、という状況であれば、当然ながら中古物件、という話になってくるのですが残念ながら中古物件もまだそこまで数が多く出てきていません。今は小休止といったところでしょうか。

またフォートボニファシオでは新規の販売があり、その価格は平米40万ペソに届きそうな価格です。2015年頃、フォートボニファシオの新規物件価格は平米20-25万ペソだったものがたかだか5年程度で倍近くに跳ね上がっています。

とはいえ、足元の中古物件はまだ平米20万〜25万ペソ前後です。
価格差が異常に出てきている、そんな状態です。

このあたりをどう見るか?
フィリピンの不動産を検討するにあたって、一等地で高くなりすぎた新築というよりも築浅の竣工済み物件を検討する方が理にかなっているような気がするのは私だけではないでしょう。

もちろんプレビルドのメリットも否定はしませんが、足元の価格との乖離が出てきている以上、相場をきちんと把握されることをお勧めします。
供給戸数の制限はかかるものの、なかなか不思議なマーケットを形成しているのが今のフィリピン、特にマニラの不動産マーケットです。

ぜひご参考にしてください。

次回からはまた違う国をご紹介していきたいと思います。
お楽しみに。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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