田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.32 2019年マレーシアの不動産マーケット その1

エイリックの田中です。

2018年、マレーシアは大きな「変化」がありました。今回はマレーシアの話をします。

2018年5月、マレーシアで圧倒的人気を誇るマハティール氏による政権交代が実現しました。そこで彼が公約として出してきたのが「100日間で取り組む10の公約」というものです。

それが以下の内容。

「100日間で取り組む10の公約」

1.物品・サービズ税(GST)の廃止
2.燃料補助金の再導入
3.連邦土地開発庁入植者に課される不要な借入金の破棄
4.主婦を対象とした積立基金の導入
5.全国統一の最低賃金の導入と引き上げの実施
6.国家高等教育基金公社による学生ローンの返済延期
7.1MDB、FELDA、マラ公団(MARA)巡礼基金に対する諮問機関の設置
8.マレーシア協定に関する特別内閣委員会の設置
9.低所得者層向けのヘルスケア基金の導入
10.外国企業が落札した全てのメガプロジェクトの包括的見直し

*出所:希望連盟(PF)マニフェストより

当選後、これを実施ました。見て頂いたらわかりますが、1、4、6の案件は非常に大衆受けしそうな内容になっています。
GSTの廃止、というのは、日本で言うところの消費税に近しいものですので、消費税をこれから増税する日本とは真逆の政策です。

そんな中、マレーシアの不動産マーケットに影響しそうなものは1と7と10です。
上述した通り、GST廃止となると国家の歳入が直接的に減る話になってきますので、これはまだ様子見だと思います。ただ、国民感情的には非常に前向きになっていますので、期待感はあるかと思います。

そして、この中で特に10のメガプロジェクトの包括的見直し、これが大きな英断となるのか失敗になるのかが今後のマレーシアのキーポイントになるかもしれません。その一つがHSRと呼ばれる高速鉄道の2020年5月末までの凍結です。
シンガポールからKLまでHigh Speed Railwayで結ぶという計画。

図1(運行航路:予定)

この計画にマハティール氏はSTOPをかけました。結果として2020年5月末まで計画を凍結という結論に至りました。

単純にシンガポールからクアラルンプールまで結べば(距離的には東京〜名古屋間程度)、双方の国にとってメリットが非常に大きく期待されていたプロジェクトでしたが、非常に大きな予算がかかり、作れば作るほど赤字を垂れ流す可能性が高いプロジェクトとの懸念もあったので、現在のマレーシアの財政では持ちこたえられないという判断がマハティール氏にはあったみたいです。

この決断が英断なのか失敗なのか、まだ結果は出ていませんが、
まずは国内の経済をきちんと立て直しましょう、そして
減税するから(GST廃止とか)、みんなもう1回やり直そう!
と言ったのがマハティール氏です。

この冒頭の100日間で取り組む10の公約に関してはまだ進行中です。守られているというよりは、実行中といったほうが良さそうです。

また1991年にマハティール氏はVision2020という2020年に先進国入りします、と宣言をしたことで有名ですが、このタイミングでまたマハティール氏が首相になったことで2020年が現実的になったか?と言われるとこれまた微妙な話でして、実際マレーシア政府としては「先進国入りは2024年〜2025年頃」という談話を発表しています。

いずれにせよ、未来に向けて着実に家事を切り出したマレーシア、次回は2019年のマレーシア不動産についてお話をしたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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