田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.35 2019年ベトナムの不動産マーケット その1

エイリックの田中です。

2015年7月、ベトナムでは大きな法改正がありました。
それは外国人が購入できるという改正住宅法です。そこから約4年。ベトナム不動産マーケットは今大きな転換期を迎えてきていると言って良いと思います。

それでもまだ価格が割安であるという事でベトナムの不動産は人気があります。多くの日本人がセミナーに参加されて購入されています。図1をご覧ください。アジアの高級マンション価格水準比較を出しています(東京を100としています)

図1 ホーチミンと他都市との価格水準比較(東京=100)

*出典:日本不動産研究所2018年データよりエイリック作成

まだ周辺諸国に比べると安く感じる価格ですが、供給戸数も一気に増えてきたのも事実です。出せば売れる、そういう空気感があったのは確かです。またこれはホーチミン全体の話であり、特定の物件は急速に値上がりしている物件もありますので、一概にこのデータ通りではないと思います。

このように物件価格の上昇が続いているので、現地では今まで通りのような感覚とは違ってきています。今回はそのあたりを少し深堀りしていきたいと思います。

その前に改めて改正住宅法について再度おさらいをしたいと思います。
・外国人が購入できる所有制限はコンドミニアム全戸数の30%まで
・戸建て住宅の場合は1街区あたり250戸まで
・所有期間は50年(1回限り更新可能のため、最大100年まで所有可能)
・法人名義での購入は不可

などが代表的な部分でしょうか。

さて、改めて現状の話としてベトナム全体の経済状況を見てみましょう。

図2 実質GDP成長率推移

*出典:ベトナム統計総局

2018年、実質GDP成長率は7.1%とリーマンショック以来最高の成長率となりました。ベトナム政府は2019年の経済成長率を6.6%-6.8%と予測を出しており、引き続きベトナムは高い経済成長を継続すると想定されます。

また一方でベトナムのインフレ率、つまり物価上昇率を見てみましょう。

図3 ベトナムのインフレ率推移

出典:ベトナム統計局

なかなかこのグラフだけでは読み取るのが難しいですが、だいたい前年同月比でくらべると3%-4%程度年間で上昇しています。具体的に言うと、ホーチミンのカフェのアイスコーヒーの値段が、30,000VND(約150円)だったものが翌年に35,000VND(約175円)になり、さらにその翌年で40,000VND(約200円)になりました。つまり約2年で1.5倍近く上がっている状況です。

これは不動産に関しても同じですので、物件価格が上昇している理由の一つでもあります。この辺は不動産がインフレに強い商品ですので、現金で持っているよりも不動産で持っていた方が良いので現地の方も現金ではなく不動産で資産を持つ流れになっていると想定されます。

このようにベトナムの経済状況は非常に上向きです。
そのためベトナム不動産においてもまだまだ力強い成長が見込まれるのですが、2016年〜2017年ほどの盛り上がりは今あまりなく、少し落ち着いてきたかなというのが現地の感覚です。

次回はそんなベトナム不動産マーケットや現地の状況について書いていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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