田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.39  フィリピン不動産マーケットに出現した中国人投資家の存在

エイリックの田中です。

今、多くの投資家から問い合わせをもらっているエリアがあります。それはフィリピン。マーケットが安定している、価格が上がっている、などメリットは確かにたくさんありますが、ここに来て中国人投資家の動きが活発になってきています。今回はそんなマニラの状況をお伝えします。

実はつい先日、マニラに飛んで現地調査をしてきました。マニラといえば、マカティ、ボニファシオグローバルシティ、オルティガス、そして高級住宅エリアのロックウェルなどが投資対象エリアとして日本人投資家にはよく知られています。

そんな中でもマニラベイ近く、つまりマカティから西の海沿いのエリアで今、異変が起きています。その波がマカティ近辺にまで押し寄せてきています。その筆頭が中国人投資家。ある企業からの情報によると、海沿いのリノベーション物件を日本人向けにアレンジしようとしていたら、一気に中国人が10戸単位で購入。そして私が見てきた海沿いのコンドミニアムも多くの中国人が購入しているという情報が入って、その現地を見てきました。

実際問題、現地のコンドミニアムでは中国語で書かれた張り紙が多くあり、いかに中国人が滞在しているかがわかるような状況でした。

この理由で大きく言われているのがフィリピンと中国の関係。前大統領時代はフィリピンと中国はそこまで緊密な関係ではなかったのですが、ドゥテルテ大統領になってから急速に接近。中国はフィリピンに対して多額の投資をするという話にまでなりました。

そんな中、昨年末に中国船が南シナ海に侵入し、フィリピンでは中間選挙期間ということもありドゥテルテ大統領も中国に対して牽制していましたが、中間選挙で圧倒的勝利を勝ち取ってから、再びドゥテルテ大統領は中国寄りの発言を続けています。それに対し世論が分かれている部分はあるものの、経済成長を続けているフィリピンは中国のおかげというのもあるせいか、いまいちこの2国の関係性が見えにくくなっています。

しかし、現場にいれば、やはり中国人のパワーは凄まじく、マニラベイ近くのコンドミニアムに非常に多くの中国人が住んでいることがわかります。また近年、オンラインカジノが盛んになったことも一因としてあるようで、フィリピンの不動産マーケットは中国人投資家が跋扈するような雰囲気です。

ただ、ボニファシオグローバルシティやオルティガスまでは至らず、今の段階ではマニラベイからマカティにかけて、相場を押し上げているような買い方をしています。これが今後どのような影響が出てくるかが見ものです。

今回は日系企業と一緒にフィリピンの現地に入りましたが、過去にマニラベイ近くのコンドミニアムを購入された日本人投資家もこのタイミングで物件売却を決められました。値ごろ感のある物件を購入されたものの、出口が見えにくいという話で塩漬けになるか、と思っていたのに急な神風が吹いたみたいで購入時の1.2倍ほどの値段で売れたと喜ばれていました。

今後のマニラの不動産マーケットを見るに当たって、エリアの選定はあるにせよ、この中国人投資家の動きは外せない出口戦略になりそうです。

ただ一方で、この中国人増加に伴い、コンドミニアムの維持管理面やマナーなど細かい部分でのクレームが起きているのも事実。あるコンドミニアムでは、ロビーで大声を上げないこと、ロビーで唾を吐かないで!というような貼り紙がありました(中級コンドミニアムのロビーです)。中国人が増えて経済が活性化することは喜ばしいことですが、もし貼り紙に書いてあるような事が日常茶飯事でそのコンドミニアムで行われているのであれば、資産価値の減少ということも考えられるので、やはり現地に行ってきちんと確認する必要がありそうです。

上記のようなマーケットですので、かなり活発化しているなというのはありましたが、その代わり買える物件が減った、というのも事実です。プレビルドも見てきましたが、やはり値段が上がっていて、中古価格とプレビルド価格の差がどんどん開いているような感触があります。きちんと中古価格が新築価格に追いついて資産価値の維持がされれば良いのですが、この中国人投資家、中国人移住者の動向が気になるところです。

まだまだフィリピンの不動産熱は高いと思いますが、物件選びを慎重にしないと怖さが残る、そんな状況です。ぜひご参考になれば。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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