田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.40 インドネシア不動産投資のチャンス その1

エイリックの田中です。

基本的に私は東南アジアの中でも外国人で所有権を取れる国を専門にコンサルをしています。しかし、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムなどの国では昨今日本人投資家や企業にとって、決してメリットの大きい国とは言えなくなりつつあります。
その理由が地価の高騰による物件価格の高さ。そして物件価格が上昇している割に賃料が伸びないので利回りが低くなってきています。このような状況から、今これらの国での不動産投資が少し大人しくなっています。

事実、価格の高騰が目立ちすぎて、私も講師としてセミナーをさせてもらいますが、高くなったなというのが本音です。それでも先進国に比べれば当然安いですし、設備も贅沢です。これは東南アジア諸国も先進国に追いつきつつあるということであり、喜ばしいことだと思っています。

とは言え、価格が高いと言ってもまだまだそれらの国のインフラや法整備、商習慣など急激に成長した分、急激に下落する可能性もあり、安定しているとは言い難いと思います。

そんな中、注目されつつある国があります。それがインドネシアです。インドネシアのポテンシャルは以前から言われていましたが、まだこの国は外国人に所有権が与えられていません。私も過去3回ほど当地に行って調査をしてきましたが、なかなか参入障壁が高い国だという印象を持っています。

ですが、やはり世界の投資家はこの国のポテンシャルを信じていて、現地法人を作って投資をしたり、リースホールド(借地物件)で購入して投資をしていたり、と積極的に動いてきた歴史があります。

それでここにきて、「所有権が取れないから、と言って投資対象に外すにはもったいない国」という認識が出てきており、久々にインドネシアを調査したわけです。

では、まず基本的なインドネシアの情報を。

*出典:外務省HPより抜粋

<概要>
国名:インドネシア共和国
首都:ジャカルタ
人口:2.63億人(2017年、国連推計)
面積:192万平方キロメール(日本の約5倍)
言語:インドネシア語
宗教:イスラム教(87%)*バリ島はバリ・ヒンズー教
通貨:ルピア(1USD=14,465ルピア、2019年1月1日:インドネシア中央銀行)
政体:大統領制、共和制
元首:ジョコ・ウィドド大統領(2014年就任、任期5年。2019年再任)
GDP:1兆422億USD(2018年:世界銀行統計)
一人当たりGDP:約3,840USD(2018年:インドネシア政府統計)
実質経済成長率:5.17%(2018年:インドネシア政府統計)
物価上昇率:3.1%(2018年:インドネシア政府統計)

上記を見てもらえればわかりますが、人口は東南アジア最大の2.6億人。またGDPの大きさや経済成長率、物価上昇率と経済指標を見ても伸び盛りの国です。政治的な部分でもジョコウィ大統領の再任が決まり、次の5年もおそらく安定的成長が見込めるというのが大半の予測となっています。

ただ、問題ももちろんあります。この国ならでは、という点で2つ挙げておきたいと思います。その2つとは

1.インフラ問題
2.環境汚染問題

インフラ問題に関しては、以前から首都ジャカルタは世界で一番ひどい渋滞というのがよく言われますが(私も現地に行った時に悩まされました)、それ以外にも電力不足など問題が山積みです。
しかし、希望もあります。今年(2019年)3月に日本の支援により地下鉄が開業しました。開業に向けてドタバタ劇はありましたが、長い目で見るとジャカルタ年高速鉄道(ジャカルタMRT)はジャカルタの慢性的な渋滞を解消させる救世主になるかもしれません。これはシンガポール、タイ、マレーシアを見てきた私からすると、大きな大きな第一歩だと感慨深いものがあります。

*出典:https://www.liputan6.com/news/read/3916841/jalur-lengkap-mrt-jakarta-2019 より抜粋

一方で、インドネシアの環境汚染問題はかなり深刻です。
特に2019年7月末にジョコウィ大統領は首都ジャカルタ沖に巨大な防潮堤を築くという声明を出しました。
今、ジャカルタは「海面上昇」と「地盤沈下」のダブルパンチを食らっている状況です。また森林伐採、ゴミ問題など大国が抱える問題の根は非常に深いのが今のインドネシアです。

そんな中、2019年8月に首都移転について明言をしました。
もちろん、これがすんなりと進むとは思えないが、いずれにせよ首都ジャカルタの疲弊度と深刻度はかなり高いものとなっていくと想定されています。

こういった急激な経済成長とその影響力と引き換えに抱えたこれらの問題。この国は非常に魅力的であると同時に、怖さも内包しています。
次回は不動産投資にも絡めて、この辺りをさらに掘り下げていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

樗木 裕伸

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資ローンと住宅ローンの違いと5つの金融機関の特徴

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資の鍵「経費」を理解しよう!経費の種類・範囲は?

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 不動産投資で押さえておきたい土地の公的価格

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 高齢化と不動産投資(2)~「簡易生命表」を見て、人生100年時代を理解する

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: ヨーロッパの不動産事情

最新コラム: 経済苦境続くギリシャ不動産のいま

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 利下げと不動産投資

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: フィッシャー・ハドソン・ウィルソン・モデル

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 27.「決算書思考」で不動産投資が変わる(前編)

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。