田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.41インドネシア不動産投資のチャンス その2

エイリックの田中です。

さて、前回はインドネシアの基本的知識とインドネシアが抱えるインフラと環境問題について言及しました。今回はいよいよ具体的な不動産についてのお話をします。

インドネシアは外国人が不動産を所有するにあたって非常に厳しい規制があります。まず所有権での取得は難しいと思ってください。一般的にはリースホールド(つまり借地)での契約が主体となります。インドネシアで所有権を取れると言って販売する不動産会社が過去ありましたが、外資100%の現地法人を作らないと購入できません。この現地法人を設立するだけで設立に半年以上、資本金も5000万円以上、下手すると1億円以上かかる可能性があります。実際問題、かなりハードルの高い話になります。

ですので、インドネシアでの不動産投資は注意が必要です。所有権という話はこの国ではかなりハードルが高く、きちんとした会社であればリースホールドでの所有と事前に言ってくれます。

さて、実際にインドネシアでの不動産投資となると、以下の3つのやり方がメインです。

1.リースホールドの物件を購入し、インカムゲインで収入を得る
2.リースホールドの土地を借りてアパートやヴィラを建設してインカムゲイン、もしくは借地期間の残存期間中にローカルに転売してキャピタルゲインを得る
3.現地法人(PMAと言います)を設立し、フリーホールドの土地を購入、将来的に転売する(現地デベロッパーと協業して開発案件をすることもあり)

3番目に関しては企業としての投資ですし数億円という費用がかかってきますので、個人投資家としては現実的ではありません。そうなってくると、1か2という選択肢ですが、現在インドネシアでは土地付き戸建およびアパートに関しては最低購入金額の設定があるので、エリアによっては要確認すべきです。
また税金も他国と比べて割高に設定されているので、やはりインドネシアの不動産投資というのはハードルがまだまだ高いのだと思います。

また取引に関しても現地通貨であるルピアが主体となります。
この辺りも外貨規制があるため、為替に関してもきちんと把握しておく必要があります。

では、それらのハードルを超えてでもインドネシアへの投資の魅力とは何なのか?ということですが、やはり以下の3点が大きいと思います。

1.利回りが高い
2.成長著しい国のため借地期間によってはキャピタルも狙える
3.物件価格がそこまで高くないものもある

1の利回りの高さ、ですが、これは首都ジャカルタというよりもバリ島などのリゾート地の例です。実際、私のお客様でもバリ島でアパート運営をされていて、実質利回りが12%を超えているアパートもあります。現状、ジャカルタや他国での投資の場合、実質利回りは4%-6%前後が多い中、この数字は非常に優秀だと思います。そういった成功事例があるのも一つです。借地期間は25年ということですので、25年運営し続けることができたら十分回収できるでしょう。この方は5-6年くらいでローカルに転売する予定だそうです。それで売れたらまた違うアパートを建てるそうです。そういうやり方もありでしょう。

また2のキャピタルゲインが狙えるという話ですが、1でも書いた通り、借地の契約期間次第ですが、現在「使用権」に関しては30年まで認められています。延長や更新がうまくできるのであれば最大80年まで借りることができます。ただ、延長・更新のタイミングで確実に地主さんから賃料を値上げをされると想定されますのであまり現実的ではありませんが、30年という契約ができれば、10年ほど運営して残り20年で転売するというのは選択肢として考えることができます。これはジャカルタでもリゾート地でも可能性としてはありうるでしょう。ましてや世界No.1のリゾート地とも言えるバリ島であれば、残存期間を残したまま外国人に転売できるというのも魅力の一つかもしれません。こう考えると、確かに色々と規制はあるものの、インドネシアへの不動産投資というのは可能性があると思えます。

3に関しては、少し例外です。いわゆる一般的な物件の場合は基本的に経済成長を続けている国ですから値段がどんどん上がっています。ですが、一方で「たまたま」出てくる物件というのがジャカルタでもバリ島でも出てきます。相場を無視したような案件が出てくる時があります。これはそもそも外国人への不動産投資規制がある国ですから、物件の流動性が著しく低いためです。辛抱強くマーケットを見て、物件情報の収集を怠らずやっていると「え?こんな安いの?」という案件が出てきます。実際、私の知っているエージェントからも、この値段で出てくるのはなんで?という案件がたまにあります。ほとんどが賃料が支払えなくなった、とか違うところでお金が必要になった、もしくは自分の国に帰るから処分したいという特殊案件ばかりですが、不動産の流動性が低いということはこういうことが起こり得るわけです。日本や他の国であれば、購入できる人もいますし、マーケットがオープンなので相場がある程度機能していますが、この国ではまだ「掘り出し物」が割と眠っているという例が他国に比べて多い気がします。

いかがでしたでしょうか?
インドネシアの不動産投資は正直ハードルは高いですが、その分、可能性もまだまだ残しているような実態が明らかになりました。

確かにチャレンジするのにはかなりの覚悟が必要になってきますが、現地との繋がりがあったり、バリ島が好きで好きでたまらない人にとってはチャンスが多いかもしれません。

とはいえ、上述した通りハードルは割と高めです。信頼できる会社、および地主さんとの関係などきちんと信頼を築いていかないと難しい部分もあります。

しかし、可能性という意味ではまだまだ面白い部分を残した国だと思います。ぜひこれを機にもっと調べてみてください。
私もバリ島は大好きで、ジャカルタも何度も訪問していますが、この国には非常に多くの魅力があると思います。

それではまた次回。
次回はまた違う国をピックアップして行きます。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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