田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.42 ASEAN各国の災害リスクとは?

エイリックの田中です。

10月は台風15号、台風19号が日本に襲いかかり、甚大な被害を生んでしまいました。被災された皆様においては一刻も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

私自身はASEANの不動産情報を提供している身ですので、今回はこの「災害リスク」について考えてみたいと思います。
ただ、だからと言って「日本は危ないから海外の方が良い」と言っているわけではありませんので、その点はご注意願います。

海外に行ったからと言って、海外でも災害は普通にあります。日本に限った話ではありません。あえていうならば、日本とそれ以外の国に居住地を持つことによって災害リスクを回避するという程度の話であり、「日本が良い・悪い」、「海外が良い・悪い」の二元論ではないのでご理解願います。

では、ASEAN各国の災害リスクについて、できる限り客観的に判断した方が良いと思いますので、データを用いて書いていきます。日本でも地震、台風、洪水などが起きてしまう現状がある上でASEANでも同様に可能性として考えておかないといけないと意識しておいてください。

それでは、以下の表を見てください。


*出典:国連大学「WorldRiskReport2018」よりエイリック作成

国連大学が毎年発表しているWorldRiskIndex(世界リスク指標:WRI)という指標があります。これは自然災害(地震、洪水、台風、干ばつ、海面上昇)に対し、

①エクスポージャー(自然災害にさらされている状態)
②脆弱性
③対処能力(行政による管理能力や社会構造として対処できるか?)
④適応能力(環境、衛生、教育、人口構成など)の4つの要素に基づいて
算出されています。

それをASEAN+日本でまとめたのが上記の表になります。
*ランキングが上位なほど危険度が高いとなります。

ちなみにここでは表に入れていませんが、中国は95位、アメリカは131位という結果でした。
フィリピンは台風や地震、洪水など自然災害の多い国でもあります。
エクスポージャー(自然災害にさらされている状態)はフィリピンも日本も数値はそこまで変わりませんが、WRIの数字上、日本との違いは「行政の対処能力」と「適応能力」が日本の方が上だ、という話になります。

いかに日本が自然災害の多い国か?というのがわかるかと思います。そして、その自然災害の多さの中でも努力してランキングを下げているというのがわかるかと思います。

またこの対処能力と適応能力は「都市部」から改善されていきますので、国全体を見て、だからフィリピンは怖い、というのは早計です。ただ、災害が起きた際の被害状況などはハザードマップ等で確認はできます。ハザードマップは各国でも公表していますので、ぜひ気をつけて見てください。

これらのデータに関してわかることは、災害に対してどうやって付き合っていくのか?という視点がないと意味がありません。災害が少ないというのは利点でもありますが、例えばラオスのように災害自体は少ないけども行政の対処能力や都市の脆弱性があるのであれば、もし災害が来た時はかなり甚大な被害になると想定しておかないといけません。

そういう点では先進国はやはりWRI数値は少ないと思います。例えばアメリカだとエクスポージャーだけの数値を見ると12以上あるので、決して災害が少ないわけではありません。しかし、その対処能力と適応能力が高くてWRI全体が低下して全体で121位というランク付けになっています。

災害がゼロになれば、それが一番良いのですが、地球温暖化などの環境問題が叫ばれている中、災害がゼロになることはないでしょう。
*実際、今回の台風15号や19号は地球温暖化のせいで、あそこまで台風の規模が大きくなったという意見もあるくらいです。

であるならば、どうやって対策をしていくのか、できる限り冷静に見ていくことも非常に重要だと思います。災害大国日本、ただそれだけを見ても仕方がなくて、他国との比較、そして冷静にどこが良くて、どこを改善すべきか、
マクロの視点で捉えた上で、自分が投資する国は果たしてどうなのか、
ミクロの視点で細かくチェックしていく、そういうことも必要だと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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