田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.43 ミャンマー不動産の状況 その1

エイリックの田中です。

もうすぐ年末です。今年も1年が経ちました。本当に月日が経つのは早いですね。

今回は意外と知られていないミャンマー不動産について書きます。実は弊社にも時々相談があるのですが、どうもミャンマー不動産投資で騙された、みたいな話だそうで、よくよく聞くとかなりおかしな契約をしているケースが散見されるからです。今回は注意喚起も含めて書いていきたいと思います。

ミャンマーのコンドミニアム法について

2016年:ミャンマーのコンドミニアム法が制定される
2017年12月:細則の発表により2018年から外国人が購入可能となる。

ただし、外国人が所有できるのは各階の40%まで。また土地の購入は不可。

一般的にはミャンマーもコンドミニアムであれば所有が可能となりました。ただし、契約内容などを見させてもらうとかなりアバウトというか、リスクのありそうな内容です。もちろんデベロッパー自体が嘘をついている、とは思えませんが、それでもYOMAなどミャンマー証券取引所に上場しているような会社の物件ならいざ知らず、まだまだ中小のデベロッパーが多い中、上昇期待よりもリスクの方が高いと私は見ています。

もちろん、経済や今後の方向性を見ていけば可能性はあると思います。

というわけで、最近のミャンマーの状況を見ていきましょう。

ミャンマーの経済状況

*出典:IMF

経済成長率は6%を超えており、これだけ見ると優秀ですね。
ただ新興国によくあるのですが、経済成長率は個人投資家の不動産投資戦略においてマクロすぎてあまり意味がないと私は思っています。

他にもマクロデータ的には1人当たりGDPも右肩上がりですし、確実に成長はしています。同じように不動産価格も上昇しています。

だからこそ、「ミャンマーは狙い目だ!」となる気持ちはわからなくありません。ただ、それは企業として進出する場合であって、個人投資家で区分マンションを購入する、というのであれば、まだ時間がかかるなぁと思っています。その理由を説明します。

インフラが脆弱すぎる

現地に行けばわかりますが、停電が非常に多いです。高級系物件やサービスアパートなどは自家発電の機械があったり、非常用電源を確保していたり、と対策が講じられています。
現代に生きる我々としては当然ながら電気は非常に重要なインフラです。その電気に関してミャンマーという国全体の電化率は40%前後と言われており、他のASEAN諸国が90%以上であることと比べると非常に低い数値なのです。

これでは最新のコンドミニアムを購入しようという気になりにくいですし、ましてや割安の物件となれば、何があるかわかりません。

つまり、経済成長にインフラが追いついていない、というのが実情です。

また鉄道網に関してもヤンゴン環状鉄道というのがあります。この鉄道、見てもらったら一目瞭然なのですが、時速15キロ程度です。日本も線路補修等サポートしていますが、如何せん故障も多く、時刻表通りに進むはずもなく実用性には乏しいです。

そのため現在の交通インフラは車やトラックとなりますが、これも事故率が非常に高くなっており、安全な運転というものがまだ確立されておらず、そういった教育面でもまだ時間を要しそうです。

これらは全て経済発展をしていった結果、表に出てきた問題と言えるかもしれません。なので、「逆に今がチャンスだ」という気持ちはわかります。

ただ、「外国人投資家が個人でミャンマーの土地が買える」というのであれば、私はお勧めします。ただ法律上、それは無理な話であり、実現させるためには現地法人を作るか、現地の人を信用するか、賃借権で運営するか、などのハードルがあります。そして、だいたいこの辺りで騙されていたり、失敗していたりします。日本に住んでいる投資家でミャンマーによっぽど強いご縁がない限り、正直ミャンマーで美味しい話はないと思った方がいいです。私もミャンマーには興味がありますし、何度も行っているのでチャンスがあると思いますが、個人投資家には提案はしないです。よっぽどお金が余っているとかミャンマーが好きだという人は別ですが。。。

さて次回はもう少しミャンマーの不動産についてお話したいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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