田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.44 ミャンマー不動産の状況 その2

エイリックの田中です。

前回からミャンマーについて書いています。少し注意喚起も含めて書いているのでミャンマーに対して厳しい意見になっているかもしれませんが、ミャンマー自体を貶している気は全くありませんのでご注意ください。

さて前回、経済成長はしているがインフラが脆弱すぎると書きました。今回はミャンマーの不動産状況について書いていきたいと思います。

ミャンマーの不動産について

図1)ヤンゴンのコンドミニアム供給数推移

*出典:Colliers International property report Myanmar 2018より抜粋


図2) ヤンゴンのコンドミニアム新規供給数と販売率

*出典:Colliers International property report Myanmar 2018より抜粋

図1と図2をご覧ください。

図1のデータからは2018年以降急激に供給数が増えると予測されているのに、図2のデータでは2017年はそこまで多くの数がなく、実際には供給数は減ってきています。これは政治的要素が非常に強くて、民主化した後、開発プロジェクトの多くがストップしたせいです。

今また少し復活しつつありますが、図2の販売率を見てもらいたいのですが、2018年で60%前後です。これは新興国の不動産販売率からすると非常に低いデータです。ましてや2018年から外国人が買えるという状況になったにも関わらず、このデータが出てくるということは、いかにミャンマーの不動産マーケットが魅力的ではない、ということを表していると思います。

おそらく2019年第二四半期くらいまで最新のデータは取れると思いますが、この販売率の低さはそこまで変わっていないと思います。外国人が買える割合は前回もお伝えした通り40%です。他国の例でみると、外国人枠も国内枠も即完売が普通、下手すると外人枠とかは無視して現地の人たちが買う、というのが他国で見られた傾向ですが、ミャンマーに限ってはそうなっていません。ここが大きく他国と違うところであり、ミャンマーの不動産投資に私が懐疑的になっているところです。

もちろん、ミャンマーの経済は成長中ですし、日本だけでなく中国や他の国からの投資も入っています。外国人も増えてきましたし、今後も成長していくでしょう。ですが、コンドミニアム投資だけを見ると決して楽観的に考えることはできないというのが正直なところです。

一方で同じコリアーズのデータからみるとコンドミニアムではなく、サービス付きの部屋、つまりサービスアパートが堅調だと思えます。図3をご覧ください。

図3)ヤンゴンのサービスアパート供給数推移

*出典:Colliers International property report Myanmar 2018より抜粋

つまり、インフラが脆弱、でも国としての成長は見過ごせない。だから海外から駐在員が来る、そんな人たちが賃貸をするのは、コンドミニアムではなく、ホテルのようなサービスがついたサービスアパートです。

これは他国にも当然のようにありますが、要は1棟アパートです。こちらの投資であれば非常に可能性があると思います。実際、サービスアパートに投資をされている企業は多いですし、実績も出されています。ミャンマー独特のルールで賃料を最初の契約時に1年間分先払いというケースが多いので、取りっぱぐれも少なく、まさに投資妙味があるものです。その分、当然ですが億単位の投資になってくるので個人投資家だとなかなか手が出にくいと思います。しかしチャレンジできるのであれば表面10%-13%程度で運営されているサービスアパートが多くあるので、そちらを調査して見ていったほうが良いと思います。

あとはオフィスやホテルも足りない状況ですから、そういった投資も面白いと思います。もっと投資金額は膨れ上がりますが、成長する可能性は非常に高いと感じます。

そう考えるといわゆるコンドミニアム投資がまだまだ怖いというのはご理解いただけたかと思います。ホテルやサービスアパート、オフィスなど、企業がする投資としては面白さがありますが、コンドミニアムはもう少し後に来るかなと考えます。

それでも1,000万円前後で投資をしたという考えの方は不動産というよりもミャンマー証券取引所で外国人も買える動きが出てきていますので、そちらを見ても良いと思います。新興国にはまだまだ足りないサービスや儲けどころはあると思います。

ぜひ幅広い目で見て、選択肢を増やしてください。
「ミャンマーの不動産投資は儲かる」という話にホイホイと乗るのは危険だということです。

それでは次回またお会いしましょう。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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