田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.48 ASEAN各国も想像以上に厳しい状況に

エイリックの田中です。
先月コロナショックのことを書きましたが、4月に入ってもっと厳しい状況になってきました。私自身、ASEANを舞台に仕事をさせていただいているため、仕事への影響も大きいのですが、それよりもこの影響は当初想定よりはるかに面倒で時間がかかりそうだという認識に変わってきました。

今、コラムを書いているのが2020年4月20日です。世界で感染者数が240万人を超えて、この勢いはまだ止まりそうにもありません。先月からの変化も含めて少し時間を置いてから書こうと思っていましたが、結局良い傾向が正直見られません。まだまだ続きそうな状況です。

今回は不動産ではなく、ASEAN各国が取っている施策や動きなどを中心に書いていきたいと思います。

シンガポール

コロナ騒ぎが始まった時から、すぐにリー・シェンロン首相が声明を出し、コロナ対策としては世界でも有数の優等生という印象があったシンガポールですが、4月に入ってからは感染者が増加しました。中国人の入国をわずか8日で禁止にしたにも関わらず、欧米からの旅行者なのか感染が広がってしまいました。

現在、シンガポールも4月3日から1ヶ月間ほとんどの職場、学校などを閉鎖することを決定しています。経済対策として2月、3月、4月で段階的に総額5兆円以上を実施。感染者数は4月20日時点で8,000人以上。

マレーシア

マレーシアも早々に活動制限令を敷いた国の一つです。3月18日から3月31日までだったのが、現在は3月18日から4月28日に延長されました。
またマレーシアでは活動制限令を出していますが、もし指示に従わない場合は感染症予防管理法第24条に基づいて処罰される可能性があります。
2020年3月にマハティール氏からムヒディン氏に政権が変わったばかりのマレーシア政府は5兆円以上の経済対策を実施予定。感染者数は4月20日時点で5,000人以上。

タイ

タイでは3月26日付で非常事態宣言が出されました。期間は4月30日まで。これに伴い順次、各都市でも閉鎖が続き、職場・学校なども閉鎖に追い込まれています。タイも4月に6兆円以上の経済対策を閣議決定しました。特に観光業としてもタイは有名な国ですが、2020年はマイナス5%成長という予測がタイの中央銀行から出ています。感染者数は4月20日時点で2,500人以上

フィリピン

フィリピンもコロナ対策に関しては早々に動いた国の一つです。1月30日に武漢から来比した中国人に最初の症例を確認した後、中国本土からの入国規制を実施しました。そして、2月26日にはそれを韓国の一部地域にまで拡大しました。ただ、2月末まではドゥテルテ大統領も経済的への悪影響を懸念して大規模な規制には反、しかし、3月に入りフィリピン人の感染者数が増加し、3月16日にマニラ首都圏で3月17日から4月13日までの「強化されたコミュニティ隔離措置」を発表し、各家庭における厳格な自宅隔離措置や,大量輸送用の公共交通機関の運行停止,スーパーや病院,銀行等を除く商業施設・公共施設の業務停止など幅広い措置が実施されております。現在は4月30日まで延長されています。また経済対策として2.5兆円規模を実施予定。感染者数は4月20日時点で6,000人以上。

ベトナム

ベトナムは比較的感染者数が少ない国ですが、4月1日から15日まで全国規模の社会隔離を実施しました。その期間ハノイなどではマスク着用をしていない人間には罰則金を設けるなど厳しく対応をしました。現在、社会隔離は4月30日まで延長されています。経済対策としては2,900億円の現金給付(国民一律ではない、対象は約2,000万人前後)が政府決議されました。
感染者数は4月20日時点で250人以上、死亡者は0人と他国と比べて著しく低い状況ですが、政府としては未だ緊張感を持って対応するとの報道がされています。

インドネシア

インドネシアは他のASEAN諸国とは違い対応が遅れてしまったことで感染が増えた国の一つです。4月10日に「大規模社会規制」が発布されましたが、感染者数は未だ増え続けている状況です。経済対策として減税を中心に9,000億円以上を投入すると発表がありました。感染者数は4月20日時点で6,500人以上となっています。

カンボジア、ラオス、ミャンマー

これらの国の感染者数は4月20日時点、カンボジアで100名以上、ラオスで19名、ミャンマーで100名以上となっています。ただもちろんですが、少ないから安心というわけではなく、人の交流が復活すれば増加する可能性もあります。ですので、これらの国でも非常にナーバスになっている状況です。

ASEANでも甚大な被害になっているコロナウイルスです。今はとにかく感染を抑え、医療崩壊を起こさないようにするしかありません。引き続き注視していきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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