エイリックの田中です。
前回はインドネシアの感染状況及び経済状況について書いてきました。
今回は不動産マーケットについて書いていきたいと思いますが、その前にインドネシアの不動産に関して以下のようなニュースが流れました。
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■分譲マンション、外国人等しく購入可に(2020年10月9日NNA配信)
インドネシア政府は外国人に分譲マンションの所有を認めることを決定した。5日に成立した雇用創出法に盛り込まれた。
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さて、現地側に確認をすると「どうやら本当だと思います」とのこと。とは言え、色々と制限がついたり、細かい規制が敷かれたり、とまだまだ本確定ではありません。ただ、今までインドネシアの不動産は買うことができない(使用権で購入することは可能)と言われていましたが、それが遂に変わりそうです。
また前回のコラムでインドネシア経済がアジア通貨危機以来のマイナス成長になりそうということもあり、何らかの起爆剤が欲しいところですから本件は是が非でも進めていくのではないか、と思います。
まだ本確定ではないので、実際に施行されるのがいつなのか?そこは議論があるとは思いますが、良きニュースになるよう祈っておきましょう。
そんな期待感があるインドネシアの不動産マーケットですが、大きな国であり、かつ島国ですから場所によってかなり差異があります。そこは注意が必要ですが、まずはアパートメント市場を見てみましょう。
*インドネシアのコンドミニアムは通常「アパートメント」と呼びます。
図1 インドネシアのアパートメントの供給戸数推移
安定的に供給されている状態です。さすがに2020年は3,000戸程度の供給数になりそうですが、2021年以降も安定的に供給はされそうです。やはり人口2.6億人もいる国ですから、期待感は大きいとは思います。
また契約に関しても90%以上をキープしているような状態ですから、アパートメントが人気なのは確かだと思います。建築中の物件でも70%近い契約率になっているので、やはり不動産の魅力は現地の方も感じているのでしょう(図2参照)
図2 契約率の推移
つまり、インドネシアにおいては外国人投資家がほとんどいない中でもアパートメント市場は安定的に成長していて、これで外国人が買えるようになってくるとさらに値段が上がりそうな予感がします。
当然ながら現地の人たちは「外国人が買えること」には賛成派が多いです。この話自体は2年くらい前から出ているのですが、外国人に売却したいというローカルの人が多いのは確かです。
さて、実際の価格に関してですが、意外と高いです。他都市に比べてもジャカルタの成長率が高かったため、非常に値段が高いなというのが本音です。
その辺りは次回のコラムにて書いていきたいと思います。