田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.69 ASEANエリアの経済・不動産状況 その1

エイリックの田中です。

先月はミャンマーの状況について書いていきましたが、3月に入りますますデモが激化しています。当地が心配でありますが、まずはこの状況をきちんと理解して知るということが重要だと思います。意見はそれぞれあると思いますが、まずは知るということが非常に重要だと思います。

さて、3月に入り2020年の経済状況の結果や状況が徐々にわかってきました。今回は2020年の数字を確認し、掘り下げていきたいと思います。まだ速報ベースの部分もありますが、その点はご了承ください。

図1をご覧ください。
2019年、2020年のGDP成長率を記載しました。見ていただいたらわかりますが、2020年は当然のようにマイナス成長になっています。ただ1国、ベトナムは2020年の経済成長率が2.9%ということで、この状況の中プラス成長に持ってきました。ベトナムは早々にコロナを封じ込め、国内需要を喚起させてきた結果と言えるでしょう。ここにベトナムの底力を感じます。

しかし、他国は日本同様かなり厳しい状況に追い込まれました。ここに2021年の予測を入れていないのは、まだどうなるか分からないからです。色々な機関が予測を出していますが、残念ながら2021年3月時点においてはワクチン摂取が始まりつつあると言ってもまだ先が見えないので2021年予測は控えています。

図1 ASEAN各国のGDP成長率

出典:各国統計局等より抜粋、エイリック作成

さて、これらの国においてベトナムとは対照的なのがフィリピンです。2019年まで6%以上の経済成長率を見せていたフィリピンがコロナにより大打撃を受けています。
フィリピンはドゥテルテ大統領により大きく成長してきました。その成長は目覚ましいものがあり、大きな期待を寄せられていました。
しかし、コロナの感染拡大が広まる中、フィリピンはかなり厳重に対応をしたにも関わらず、感染者数は50万人以上、死者数も1万2,000人以上となってしまいました。そして国境が閉じてしまったことが追い討ちとなり、経済への影響が非常に強くなったという状況です。

一方でインドネシアはASEANで一番感染者数も死者数も多い国ですが、経済への影響はフィリピンほどのマイナスではないという状況です。経済と感染対策を両輪で回すという政策を取っているのがインドネシアです。

ASEAN各国においても政府の方針や対策はバラバラです。どこの国が一番良いか?というのはわかりませんが、数字だけ見るとベトナムが突出しています。おそらく2021年、ベトナムはさらに成長しそうな雰囲気があります。もし国境を越えることが2021年内にできるのであれば、ベトナムに投資が集まる可能性が非常に高いと思うからです。ベトナムの状況は世界的に見ても安心感があるので、さらなる投資が見込める、そう予想できるわけです。

また次回は直近の2020年第4四半期の数字を見ながら、また不動産の動きについて書いていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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