田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.80 ASEAN不動産投資の失敗事例 〜利回り保証案件の失敗例〜

エイリックの田中です。

「5年間8%利回り保証!」「10年間7%利回り保証!」という謳い文句があります。非常に魅力的な内容です。しかし、過去失敗事例として出てきているのでここも改めてご紹介したいと思います。ただし、全ての利回り保証案件が失敗しているわけではないので、その点はご理解ください。あくまで非常にリスキーな内容のものだけをピックアップして注意喚起をしたいと思います。

まず、そもそも「利回り保証」をするということですが、日本の物件で「利回り保証」を謳っている物件があると思いますでしょうか?かぼちゃの馬車など、かなり無理した案件でしか見ないと思います。それはASEAN諸国でも同じです。まずは「なぜ利回り保証をしてでも売るのか?」という疑問を持って欲しいです。

デベロッパーが利回り保証をする理由としては、下記のようなものがあります。
・そのままだと売れないから
・成長すると仮定した事業計画を書いている
・ある意味で取り込み詐欺のような内容

詐欺のような案件は後述しますが、基本的に「利回り保証」は「売りやすい」んです。この辺りはリスクを取りたくない投資家心理をついた形だなぁといつも思います。ただ実際問題、物件だけを見てみるとリゾート地であったり、かなり辺鄙な場所にあったりと、いわゆる「資産価値」だけで見ると物件価格とかなり乖離があるなと言うのが本音です。そのまま現地相場で売るくらいであれば、「利回り保証する原資」を物件価格に上乗せして、「貯金」のような感覚で販売した方が良いという判断です。

具体的に言えば、現地評価額で500万円の物件が1,000万円で売られていると仮定します。この差分である500万円を利回り保証の原資に当てるということです。販売時には1,000万円の物件で、5年10%の利回り保証が付いています!ということです。

ただ、ここで気をつけないといけないのが、「本当に5年10%で返してくれるのか?」という話です。

非常に多いのが、
・最初の1年〜2年は支払いがあったが、ある時から支払いが止まった。
・支払い確認をしていたら、いつの間にか管理会社が倒産していた。
・結果的に賃料が支払われない物件が管理会社なしで戻される
・現地で賃貸をつけようとすると10%の利回りどころではなく2%前後の利回りじゃないと賃貸がつかない

このようなケースが多く見られます。
そして、管理会社が倒産しました、仲介会社が倒産しました、というのは計画倒産かどうか?最初から詐欺じゃないか!というのは非常に難しいので、正直なんとも言えません。

利回り保証案件の場合、必ず確認していただきたいのが契約書の内容になります。そして、その契約書において「誰と契約をして、誰が賃料を支払うのか?そして賃料が支払われない場合はどのような対応をするのか?」を必ず確認をしてください。

よくある話で、販売側は「一気にお金が入ってくる」わけです。それこそ上述した通り、評価額より高い値段で売っているケースがほとんどですので、販売側はそのお金を使って(本来ならば投資家に返還するお金)、次のプロジェクトにお金を入れたりしてお金を回していきます。もしくは最悪のケースで使い込んでしまうという例もありました。

ですので、利回り保証案件はどのような会社がやっていて、どういう対応をするのかを必ず確認してください。日本人が売っているから、というのは正直関係ないです。

ただ冒頭にも書いた通り、全ての利回り保証案件が悪いというわけではありません。例えば、ベトナムでもタイでもありましたが、一気に大量の戸数が賃貸市場に放出される場合、すぐに賃貸がつかない・つきにくいというのが予測される時に2年5%の利回り保証ということは実際によくあります。デベロッパーによっては、保証をつける場合の金額と保証をつけない場合の金額が分かれているケースもあります。これであれば購入する側としても非常にフェアだと思います。

この利回り保証案件は特にASEAN不動産でよく出てくるワードであり、失敗例も多いです。ですので最新の注意を払って確認することをお勧めします。

次回はまたASEAN経済、不動産についてお伝えしていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

平賀 功一

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 「下流老人」に「老人漂流社会」 忍び寄る貧困高齢者の家賃滞納問題

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: サラリーマンにおすすめの節税方法・税金対策10選

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 老後2000万円問題の行方

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 長期運用を見据えた、オリジナルのポートフォリオ作り

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 「リフォームにいくらかけるか?」

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。