田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.86 正念場を迎えるタイ・バンコク不動産〜その3〜

エイリックの田中です。
タイ・バンコクの不動産マーケットを価格・供給数データから見てきました。今回はまとめということで書いていきたいと思います。

タイ・バンコク不動産投資は「大きく儲けることは少ないが、物件の選定と時間さえ味方につければ大きく損をすることはない」というのが私の見立てです。

「なんだよ、それだったら意味ないじゃん」とか「だったら、日本でやった方がレバレッジも効くし良いよね」という感想もあると思います。そして、それは正しいと私は思っています。

ただ、海外への不動産投資の大きな魅力は
「利回りやキャピタルゲイン以上に、日本以外の資産を持つことと人生の幅を広げるのに非常に良い経験になる」という点だと私は思っています。だからこそ、私はずっとASEANを中心に仕事をしています。

その中でもASEANの中で中心地であり親日国でもあり、そして日本と似たような発展の仕方、考え方をしているのがタイだと思っています。もちろん、他のASEAN諸国も親日国で素晴らしい国が多いのを私も知っています。しかし、多くの日本人が親近感を沸き、投資をしていても楽しい国であるのはタイ・バンコクだと思っています。

図1をご覧ください。2020年までの訪日タイ人推移です。図2は2019年の訪日外国人割合になります。

図1 訪日タイ人の推移

出典:日本政府観光局(JNTO)より

図2 訪日外国人観光客国別内訳 2018年-2019年

出典:日本政府観光局(JNTO)より

図1、図2を見てもらえればわかるとおり、ASEANの中ではタイ人が1番多く日本に来ています。それだけ豊かになったとも言えます。しかも年々上昇傾向にあります。それがコロナによって止められてしまいました。

私もタイで働いていた時、スタッフから何度も日本旅行をせびられ、結局2回も社員旅行で日本・東京に連れてい来ました。それくらい日本のことが好きな国民です。

2021年8月現在、ほとんどの外国人が日本に来ることができていません。そして、一部では「インバウンドに頼る経済はダメだ」という声があるのも事実ですが、世界は繋がっています。日本だけ鎖国のように今後もなるか?というと100%ないと断言します。

コロナで色々と忘れかけていると思いますが、少なくとも1年〜2年後には必ずインバウンド・アウトバウンドは復活すると確信しています。その時になれば、一気にタイだけではなく、他の国でも復活していくと思っています。

その中でタイ・バンコク不動産はまさに正念場という時期に来ていると思います。なんとか1年間耐えて、郊外・戸建てで少しずつ回り出してきて、コロナを克服した時には一気にコンドミニアム市場にもお金が流れてくると思います。

タイ大手上場デベロッパーの中には、暗号通貨で不動産決済できるように動いている企業もあります。これはかなり画期的な動きだと思います。この状況の中、やれることは全てやるという強い信念のようなものが蠢いています。

タイは良い意味でも悪い意味でも成長して、成熟している最中の国です。ここで止まってしまうのか、それとも突き抜けるのか。いや、ダラダラと歩むのか、それは分かりませんが、不動産に関してはちょうど成長期と安定期の間くらいのような印象があります。

今が正念場。
この状況を乗り越えられれば、タイ・バンコク不動産マーケットはもっと面白くなると思っています。

来月はまた違う都市を取り上げたいと思います。お楽しみに。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

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