エイリックの田中です。
師走になりました。2021年も結果的に新型コロナウイルスによる影響が強く、オリンピックも開催されましたが、海外渡航に関しては厳しい状況のまま、というのが一般的な見解だと思います。
しかし、不動産業界においては世界的に見ても各国によって違いはあるにせよ、成長していったという不思議な現象が起きています。まずは世界の感染状況と世界の不動産事情から見ていきたいと思います。
図1:各国のコロナ感染状況(2021年12月3日時点)
出典: ジョンズ・ホプキンズ大学、Our World in Dateなどよりエイリック作成
この辺りの情報は日々変化しているのでテレビやニュースなどでチェックをしていただきたいのですが、世界で1番感染者が出ているアメリカは早々に隔離なしで入国ができるようになっています。またイギリスやフランスでも多少の制限はあるもののwithコロナ時代を見据えて動き出しています。
ASEANで見るとタイが早々に経済悪化も踏まえて隔離なしで入国できるように動き出しました。とはいえ、他国はまだ時間がかかりそうな状況です(12月6日時点でカンボジアも隔離期間の減少を発表しています)。
徐々に先進国を中心に海外渡航ができるように体制を整えていたにも関わらず、オミクロン株という変異株が出てきて、日本政府は外国人の入国をストップさせました。また海外に出ることは可能だとしても日本人は帰国できると思いますが、帰国後の隔離が10日〜14日程度が必須とのことで、まだ気楽に行けるほどではありません(この辺りの情報は随時変更されるので、あくまで執筆時点での話ということを留意してください)。
このようにコロナに振り回されている状況であるのは確かですが、冒頭でも書いた通り、世界の不動産は値上がりをしています。図2、図3をご覧ください。
図2:住宅価格が最も上昇した地域 *2021年1月〜3月(昨対同期比)
図3: 住宅価格が最も上昇した地域 *2021年1月〜3月(昨対同期比)
出典:図2、図3共にブルームバーグ・エコノミクス社(2021年6月)
米ブルームバーグ社が出した資料ですが、北米、ヨーロッパで10%以上の値上がりが見られます。最も上昇したのが非常に厳密にロックダウンをしていたニュージーランドというのが面白いデータです。ASEANは残念ながらそこまで値上がりしていませんが、現状の日本の不動産を見るとなんとなくご理解いただけるのではないでしょうか?
これは世界的にお金のバラマキが発生して、世界中で金あまりになったからだと想定されます。最も反応したのが株式市場です。2020年3月は大きくマイナスになりましたが、数ヶ月〜半年で株式市場は復活し、以降順調に株式市場は成長しています。これは分配されたお金が株式市場に流れた、と見て良いでしょう。
これと同じことが不動産市場でも起きていると考えられます。海外不動産に投資していた投資家たちが国内不動産に投資していった、そう考えてもらって問題ないと思います。
次回は先進国の不動産の流れと今後の動きをもう少し細かく書いていきたいと思います。