田中 圭介の不動産投資コラム

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

No.97 2021年のASEAN不動産マーケット総括 その2

エイリックの田中です。

前回はコロナの状況及び先進国で不動産価格が上昇しているということを書いてきました。そしてそれは世界的な金あまりとコロナに起因するバラマキであると指摘しました。

もちろん、それだけではないのかもしれませんが、日本も似たような状況が発生しています。私の手元に日本の不動産投資案件がありますが、利回り的には4%前後という数字になっています。非常に良い物件であるのは確かですが、なかなかこの数字で購入意欲が出てくる人も多くはないかもしれないですね。こうなってくると融資を使った瞬間キャッシュフローが厳しいので、キャッシュを持っている人が非常に強い世界になっています。

これは世界でも同じ話でして、キャッシュリッチな投資家や企業が投資しまくっている、という絵は正直あります。特にアメリカに関してはインフレが発生しており、不動産価格が急上昇しています。加えてウッドショックもあり戸建て価格が特に値上がりしており想定以上の利益を上げている投資家もいます。

ただ、これは諸刃の剣でアメリカの中では家が持てないという層も一気に増えてしまい格差がより拡大、そして治安悪化も叫ばれています。この辺りの政治的な話はここでは触れませんが、少なくとも不動産マーケットが過敏に動いておりバブル懸念が拡大している、というのは少なからず当たっていると思います。
おそらくこの動きは当面続くと想定されます。これはアメリカだけではなくヨーロッパでも似たような動きをしそうです。それくらい国内不動産に目が行っている証拠でしょう。わざわざ現地に行けない新興国の不動産、というよりも実需も兼ねた国内不動産に安全に運用する、という動きが目立ってきています。

ただし、私自身これは一時的なものだと考えています。どうしても国内が膨れ上がったら利幅も減ってきますし、リスクが増えてきます。そうなると余ったお金は金融市場なのか不動産市場なのか、はたまた暗号資産に行くのか、それは分かりませんが、また大きな潮流となって動き出すのは確かだと思います。
そうなった時にASEAN不動産マーケットはまた最成長をすると考えています。

図1をご覧ください。

出所:ナイトフランク社各国データよりエイリック作成

2020年で幾分凹んでいますが、そこまで大きな現象は見られません。これは先進国と同じで高級コンドミニアムにおいてはある程度下支えがされているような感じになっています。
これに関する要因は3つほどあります。
1. 経済成長による中間層〜富裕層の厚さ
2. キャッシュ中心で購入している実需の強さ
3. ある意味マーケットが止まっている

この辺りについては次回で深く掘り下げて書いていきたいと思います。

【このコラムの著者】

田中 圭介

1979年兵庫県生まれ、関西学院大学経済学部卒。 新卒で外資系製薬メーカー入社後、出版社を立ち上げる。 2005年より大手不動産ポータルサイトにて営業責任者を5年以上歴任した後、2011年タイにて現地法人の立ち上げ、現地不動産ポータルサイトを立ち上げた経験を持つ。 在タイ時代から数多くの人脈を持ち、ASEAN各国を駆けずり回る。 現場主義を信条とし、自身の経験や知識を元に投資家や企業のサポートを行う。 主な著書に「ASEAN不動産投資の教科書」など3冊。

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