投資家けーちゃんこと、寺尾恵介です。
初めての方もいらっしゃるかと思いますので自己紹介をさせていただきますと、2004年から不動産投資をしていまして、現在は北陸地方に4棟104戸の収益物件と、首都圏や名古屋に合計8戸の区分マンションを保有しています。
2007年まではサラリーマンでしたが、現在は勤務先を退職し、賃貸業のほか不動産投資のセミナーを運営したり教材を製作したりという仕事をしています。HOME’S不動産投資フェアでも、何度か講演をさせていただく機会がありました。
そしてこの度、HOME’Sさんのサイトで不動産投資についてのコラムを連載させていただくことになりました。いろんな媒体で原稿を書いていますが、こちらでは主に「投資のスタンス」について体系立てたコラムを書かせていただこうと思います。
初回となるこのコラムは、本編の前段階となるテーマを選んでみました。
仕事柄、いろんな方の投資相談をさせていただく機会が多いのですが、不動産投資に行き詰まっている方は、いくつかのタイプに分かれていることに気づきました。
全部挙げてみると、以下のような感じです。
1.投資スタンスが間違っている。
2.根本的な知識やスキルが欠けている。
3.不動産投資の必要性が低い。または気づいていない。
1の投資スタンスについては、次回以降のコラムで詳しくお話しようと思っています。
2つめに挙げた知識とスキル不足については、しっかり勉強をして知識を高めたり、他の専門家の協力を得たりすることで改善させられます。
問題は3です。このコラムをお読みいただいている方のほとんどは、不動産投資に興味があって必要性も感じているかと思いますが、そういう人であっても本当は不動産投資をする必要性が低いことがあります。
以前、ぼくが不動産投資の相談をした方の話です。
初回の面談で「このような活動をしてみましょう」「こういうタイプの物件を探しましょう」
という方針を決め、その時はやる気が十分にあるように感じたのですが、週に1度程度メールで届く報告には「仕事が忙しくて活動ができなかった」「体調を崩して活動ができなかった」「ゴールデンウィークは妻の実家に行かなければいけないので活動ができなかった」など、それらしい言い訳が続き投資活動がいっこうに進捗しません。
数ヶ月後の再面談の時に「本当に不動産投資がしたいですか?」と聞いてみると、「したいです」という返事。ただし、ぼくが「どうしてしたいのですか?」と理由を聞いてみても、しっかりとした理由が答えられないのです。
「お金に余裕が欲しいので」とかそんな感じで、目的が明確じゃないんですよね。
その方は、勤務先のお仕事も頑張っていますし、家族や奥さんを大切にしている非常に素晴らしい方でした。属性としてもそれなりに良かったので、日々の生活も汲々としている感じがなく楽しそうです。
そんな満足度の高い生活が実現できている分、「どうしても現状を変えなければ」というモチベーションが少なかったのかもしれません。仕事や家族でのイベントに比べて、不動産投資の優先度が常に低いままだったのだと思います。
不動産投資をなぜするのかというと、普通は「資産や収入を増やすため」ですね。
ではなぜ、資産や収入を増やしたいかというと「会社を辞めて好きな時に海外旅行に行きたい」「将来お金の心配をしなくても済むようになりたい」など理由はいろいろありますが、要するに「自分や家族がより幸せになるため」だと思います。
ですから、不動産投資をするのなら、その活動が自分や家族の幸せと直結している必要があります。売り物件を遠方まで見に行ったりセミナーに参加したりで週末が終わってしまうことで、ご自身の人生が楽しくない方向、幸せでない方向に向かっているように感じるのなら、無理して不動産投資をする必要はありません。
「今の楽しみを多少犠牲にしても、将来のために頑張ろう!」という強い気持ちがあるか、または今やっている不動産投資についての活動それ自体が楽しくて幸せを感じられるか。どちらかでないと成果を出すことは難しいでしょう。
人口も減り空き室も余っているご時世ですから、「不動産投資についての活動は楽しくないから、ほかの楽しいことの合間にちょっとだけやろう」というくらいの気持ちで成功できるほど、不動産投資は甘いものではなくなってしまっているのが現状です。
もちろん、既存の大家さんの中で真剣にやっている人の割合は非常に低いので、一生懸命取組さえすれば「勝てる」可能性はまだまだ高いのですが・・。
ぼくがサラリーマンをしながら不動産投資活動を頑張っていた時期は、週末はほとんど現地調査やセミナーDVDなどでの勉強に費やしていましたし、仕事から帰ってきてから物件を検索したりブログを更新(モチベーション維持に役立つので頑張って更新していました)したりで、睡眠時間は毎日4~5時間でした。
体力的に辛い時もありましたが、「お給料や人事評価を気にしないで仕事ができるようになりたい」という目標があったので、「ほかの楽しいこと」に優先して不動産投資を進めることができました。
コラムをお読みの皆さんは、不動産投資についての明確な目標がありますか?
その目標は、ほかの楽しいことを我慢してまで取り組むくらい、わくわくすることだったり価値のあることだったりしますでしょうか。
これから全力で不動産投資をするかどうかを決める前に、なぜ不動産投資をしたいのか、なぜ不動産投資をする必要があるのかについて、じっくり考えてみることをお奨めします。