寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資の事業化計画

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

2.めざせ家賃年収1400億円! 事業化のメリット

HOME’Sさんのコラムは、毎月末までに原稿を提出して、それが月初めにサイトに反映されるような取り決めになっているので、今回の原稿を書いているのは4月の終わり頃ということになります。

年度替わりのこの時期、取引のある金融機関にも異動がたくさんあったようで、いろんな方が退任や新任のご挨拶にいらっしゃいました。名刺の数もぐっと増えましたね。
ぼくは顔を覚えるのは得意なのですが、名前を覚えるのは苦手なので担当の変更があると大変です。前任者の名前で新しい人を呼んでしまうことも、日常茶飯事です(笑)

そういえば、このように金融機関に「担当者」がいて、人事異動の連絡や挨拶があるというのも、事業化している大家さんの特徴だったりしますね。
「不動産投資の事業化計画」の2回目は、事業化することのメリットについてお話したいと思います。

◆借入が増えるのは、プラスかマイナスか。

コラムの構成の関係で、まだ「不動産投資の事業化」がどんな状態をいうのかについて、まだ説明ができていません。おそらく7月のコラムでお伝えできると思いますが、今の段階では「不動産賃貸を、会社の事業として行っている状態」という理解をしておいてください。
世の中には、何かを製造したり、仕入れて販売したり、お店を経営したりと無数の業種がありますが、ご自身が経営する不動産取得のための法人が、金融機関などの外部の人からそういった会社と同じように認識されるということです。

不動産投資で5億円分の収益物件を保有していたり、家賃年収が5千万円あったりするようだと、結構すごいなというレベルです。
しかし、世の中には5億円どころか500億円の借入があるような会社もたくさんありますし、「年商5千万円の会社」のイメージはむしろ小企業ですね。

サラリーマン向けの不動産融資は、給与という安定収入に支えられた定型融資ですから、当然「給与年収」に対しての「枠」というものがあります。
家賃を含めた収入ではなく「給与収入」ですから、いくら不動産投資で手取りの収入が増えたとしても、借入できる金額には限界があります。従って、借入額が増えるほどその後の借入は難しくなります。

これが事業者となると、物件が増えて多くの家賃収入が得られるということは、それは企業にとって「売上高の上昇」になります。
資産と負債のバランスが適正であり、安定したキャッシュフローが得られているのであれば、規模の拡大はプラスに判断されるようになる訳です。規模が増えるごとに次の借入が難しくなるサラリーマン投資家とは、完全に逆ですね。

では、どのくらいまで規模が拡大できるのかというと、理論的には青天井ということになります。

六本木ヒルズに本社がある「森ビル」は、あまりに巨大過ぎてもはや大家さんという認識がないかもしれませんが、同社の事業内容にはしっかりと「不動産賃貸業」という記載があります。
ちなみに、決算報告によると現時点で1兆円以上の有利子負債があるそうです。森ビルは分譲や美術館の運営なども手がけていますが、賃貸事業のみで1400億円の売上があるとのこと。

家賃年収1400億円まで拡大した「不動産投資家」もいるということです(笑)

◆事務所だって、店舗だって、ソシアルだって♪

前回のコラムで説明しましたが、サラリーマン向けのアパートローンは基本的に「誰が運営しても同じような結果になる」という前提で、融資の審査がされています。
従って融資対象の物件には、エリアや築年数、種別(ほぼ住居)などの「決まった型」があり、その型から外れると途端に借入が難しくなります。

しかし、賃貸事業者はそういった制約がありません。事務所どころか、スナックやキャバクラが賃借しているようなソシアルビルでも融資を受けることは可能です。
住居系に比べれば事務所ビルの家賃変動が大きいのは事実なので、もちろん全く同じようにという訳にはいきませんが、繁華街にあれだけ多くのソシアルビルがあるということは、それだけソシアルビル投資をしている賃貸事業者がいるということです。

融資の自由度が高いのは物件種別だけではありません。
サラリーマン向けの金融機関では融資対象にならないようなエリアを狙って、地元の金融機関から融資を受けることもできますし(ただし、エリアについてはデメリットもあります。次月のコラムをご覧下さい)、運営状況がボロボロで空室だらけの物件も審査の土俵に乗ります。

ただし、持ち込んだ物件で融資が通るかどうかは、もちろん個別の判断です。
繁盛していない飲食店が2店舗目を出したいからといって融資を申し込んでも取り合ってもらえないように、買った物件の入居率が長期的に低迷しているような大家さんが、新しく全空の物件を買おうとしても融資審査に通る可能性は極めて低いでしょう。

「それなりのエリアと築年数、高めの入居率を維持している住居系物件」に画一的な審査をしているのは、金融機関的にリスクが低いと判断されているためです。
そこから外れた物件に融資を通すには借り手である事業者に実績が必要で、事業者になったからといって、どんな種別の物件にも融資が通るという訳ではありません。

このように、金融機関から事業者として認識されることで、サラリーマン投資家向けのアパートローンの制約が外れ、規模的にも内容的にも自由度が増すというのが事業化のメリットと言えるでしょう。

しかし、当然ながらメリットの裏にはデメリットやリスクがついて回るものです。次回のコラムでは事業化のマイナス面について説明したいと思います。

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社ネクスト(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

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