寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

17.不動産投資「ボーナスステージ」終了後の戦い方

2018年も残り2ヶ月足らずになりました。
不動産投資業界は、年初のかぼちゃの馬車事件からスルガ銀行への金融庁調査、それに伴う融資の急激な引き締めを経て、ここ数年間とは環境的に様変わりしています。
既に不動産投資を長く続けている人はまだしも、これからスタートしようという方にとっては大問題でしょう。なぜなら、これから不動産投資を始めようとする方が読んでいる本や受講したセミナーで学んだ購入ノウハウの多くが、今の環境で再現できる内容ではないからです。

さほど苦労することなく見つけた物件を、自己資金ゼロで購入できるような環境は、ゲームでいうと「ボーナスステージ」のようなものですが、これから始めようとする方は「通常のステージ」の攻略法についての知識がありません。
攻略法どころか、通常のステージがどういうものなのかを知ることさえ難しいかもしれませんね。

しかし、そのボーナスステージが始まったは、ほんの5~6年前のことです。それ以前から不動産投資をしていた人は、以前の環境に戻っただけだとも言えます。
ですから、自分が子供の頃によく大人から「昔の子供はテレビゲームなんかしないで(なかったからですが)外で元気よく遊んだものだ」なんて言われていたように、、不動産投資の世界では今こそ「昔はこうだった」という経験談が活きてくるのではないでしょうか。
その体験談こそが、ボーナスステージ終了後に良い物件を購入していくノウハウそのものだからです。

■目立たない情報ルート

そもそも、現在メガ大家として大成功されている方の多くは、10年以上前から不動産投資を続けている方です。規模拡大時のほとんどが「通常のステージ」だった訳で、どんな時代でも不動産投資はできるという証明にもなっています。

しかし、もちろん攻略の方法はボーナスステージとは異なります。
違いのひとつが「物件の情報ルート」でしょう。

調べてみたところ、収益物件検索のポータルサイトである「健美家」が運用を開始したのが2005年。楽待は少し遅れて2006年にスタートしています。(LIFULL HOME’S不動産投資はもっと後)収益物件を専門で扱っている不動産会社も、当時はあまりありませんでした。
ポータルサイトもない中でどうやって物件情報を得ていたのかというと、

・地道に検索する
・不動産会社を訪問して物件情報を得る
・競売物件に入札する

といった選択肢がありました。
ぼく自身が最初のアパートを見つけたルートも、Yahoo!で(当時はGoogleを使っている人は少なかった)で「売りアパート」という検索ワードを入力して探したものです。利回りも掲載されていないアパート情報が、普通の戸建などに混じって売られているので、「資料を請求してみたけど、予想とまったく違った」というような空振りも多かったように思います。
でも、空振りの多い活動を続けていく中で、自分のことを気に留めてくれる不動産会社が見つかるようになり、そこから直接紹介を得るようなステップを踏んで物件を購入できるようになっていったのです。

今後、こういったポータルサイトの物件掲載数は減っていくものと思われます。
融資の付きやすい物件を見つけて掲載しておけば売れる・・という時代ではなくなり、上記のように「自分で情報ルートを開拓できる」ような人が収益物件の主な購入者になるからです。
しかし、大部分の投資家はポータルサイト以外の情報入手法について知りません。
今からルート開拓の活動を始めておくと、そういった人たちを出し抜けるようになる可能性が高まるはずです。

■融資が変われば、購入基準も変わる。

今年になってからの環境変化は、言ってみれば「融資情勢の変化」ですから、今後は融資についてのアプローチも変わってくるでしょう。

そもそも、ぼくが不動産投資をスタートした頃は、普通の銀行で融資を受けるという概念すら非常に薄いものでした。
当時勉強のために購入したビデオ教材(DVDではなくてVHSビデオででした笑)には、融資を申し込むべき金融機関として「ジャックス」などのノンバンクがいくつも記載されていました。もちろん金利は高めなのですが、それに見合う利回りの物件を購入しました。

借り入れできる金額にも制限があり、一昔前のように最初から1億円もの融資を受けることなどできませんでしたので、購入対象は小ぶりの中古アパートが主流でした。
当然、このような物件は地方の駅から離れたような場所にしかありませんが、安くリフォームする方法や内見の成約率を高めるための工夫をしながら必死で頑張りましたので、意外と高い入居率をキープできたりしたものです。

低い金利で融資を受けられるなら都市部のRCでもキャッシュフローを出すことができますが、そうでない場合は利回りの高い物件を選んで一生懸命運営しないといけません。
融資が厳しくなること自体が問題なのではなく、それに対応して自分の購入基準を変えていかないことが問題なのだと思います。

■どの時代も、勉強する人が勝つ。

10年前から不動産投資を実践していた投資家さんや、そのための準備として情報収集をしていたような人は、誰もが名著「金持ち父さん貧乏父さん」を読んでいました。
この書籍にはいろいろなことが書かれていますが、極限まで要約すると

・負債ではなく資産を買いましょう
・お金と投資について勉強しよう

という2点です。
この本を読んでいたからかどうかは分かりませんが、実際に当時の不動産投資家は最近始めたような方に比べるとしっかり勉強をしていたと思います。本を読む量も違いますし、お金を払うセミナーなどにも参加していました。

今は、書籍が乱立しすぎて良い本が見つけにくいために、逆に本を読む意欲が減退しているのかもしれません。セミナーも業者さん主体の無料のものがメインで、お金を払って知識を得ようという風潮がなくなってきている気もします。
金持ち父さんの本で語られている「お金持ちは、お金についてよく知っているからお金持ちなのだ」という真実が理解できていれば、かぼちゃの馬車に引っかかるような人もでなかったかもしれません。

業者さん主導で物件情報が与えられ、融資が付くからといって何となく購入するような不動産投資ではなく、今一度基本にかえって知識武装した上で取り組んでみましょう。
一時期に比べてプレイヤーの数は増えたものの、運営面を中心とした知識レベルの平均はむしろ下がっているような気がします。
以前からの投資家さんが、勉強しない地主さんに知識武装で勝っていったように、今もまた「しっかりと勉強する」ことが勝ち残れるかどうかを分けることは間違いありません。

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社ネクスト(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: 第5章 海外不動産・アメリカ不動産(1)

橋本秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 人気アパートのつくり方(2)中古アパートでもできる工夫がある

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.21 東南アジアに向かう日系企業の状況 その1

佐藤益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 国の空き家対策から考える 生き残る賃貸住宅の基準

菅井敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: 海外物件の管理

最新コラム: 第十回「海外管理会社とのトラブル、傾向と対処法」

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 米国不動産投資&賃貸経営 9年目

猪俣淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: スルガ銀行第三者委員会調査報告書

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(1) ― ダラス編

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ