自分の不動産投資も今年の8月でキャリア15年を迎えます。
購入した物件の半分は売却しつつも現在の保有は150戸を超え、年間の家賃収入は1億円を超える規模まで拡大しています。物件購入額と残債の差額も3億円くらいになりました。(全部売却して3億円残るかどうかは分かりませんが)
最近不動産投資に興味を持たれたような方からは、ぼくが最初の物件を購入した時期(2004年)が「不動産投資に絶好のタイミングだった」と言われることが多いです。
融資は非常に厳しかったものの、リーマンショック直後くらいの価格で不動産を購入することができ、ライバルや収益物件専門の不動産会社も少なかったので、お値打ちな物件を見つけることも比較的容易でした。
ぼく自身は、不動産投資はいつスタートをしても成功できるものであると思っていますが(もちろん今からでも)、この時期に始めて上昇相場の中で購入と売却を繰り返すことができたのは、確かに運が良かったのだと思います。
しかし、このラッキー要素は何の脈絡もない偶然(例えば偶然入ったファミレスで、横に座った不動産王から話しかけられるとか)によるものではありません。ラッキーなのだけど、再現性がある運の良さがあったという感じです。
そこで今日は、良い運を引き寄せると思われる環境や習慣について考えてみたいと思います。
■「人は環境の子である」
・・・という格言は、イギリスの有名な実業家によるものですが、確かに自分の置かれた環境はその後の人生を大きく左右する重要な要素です。
お医者さんの息子が同じように医学部を目指すことが多いのも、静岡県のサッカー人口が多いのも、全て周りの影響(=環境)によるものです。
不動産投資においても環境の力は大きいです。
ぼく自身も「不動産投資を続けるために良い環境」を見つけて身を置くことができたことで、モチベーションがなくなったり致命的な失敗をすることもなく、15年間やってこれたのだと思います。
ちなみに、ぼくが考える「良い環境」というのは
・同じようなステージで頑張っている仲間に囲まれている。
・道を外さないためのメンター的な存在がいる。
の2つが必須だと思っています。
知識や経験のない人だけで群れ合っても正しい方向には進めませんし、仲間がいないと「メンターだと信じていた人に騙された」というような結果になることもあり得ます。
ぼくの場合は、投資を始めた頃から加入している大家さん学びの会
(https://ooya-manabi.com/) や、当時から不動産投資のブログを書いている人たちのオフ会などを通じて、「同じようなステージで頑張っている仲間」はたくさんいました。
また、当時から数千万円規模の家賃収入を達成しているメンターに教わることもでき、不動産投資に成功できる環境は当時から確立されていたように思います。
環境の大切さは誰もが理解していることです。何かにチャレンジしようと本気で思った場合は、まず環境を整えることに注力するのが早道なのですが、そういう活動をせず闇雲に物件を探してみたり、下手をすると見切り発車で買ってしまったりといった暴挙に出る方が多いのは残念です。
そんな行動をしていては、いつの時代であっても成功は難しいですよね。
■環境は人だけではない
また、これは他媒体でもよく書いたり話したりしているのですが、自分の場合は「自宅に結構ちゃんとした書斎を作ったことが成果を出せた理由のひとつ」です。
ワンルームの部屋から普通のマンションに引っ越しをするときに、当時の自分としては分不相応だったオシャレな事務机を買い、かなりスペックの高いパソコンも持っていました。
ノウハウや貴重な体験談、そしてもちろん売り物件の情報などを大量に得ることができたのも、自宅での仕事環境がしっかり整っていたからだと思います。リビングでテレビを見ながらの作業では、なかなか「仕事レベル」のクオリティは出せないはずです。
■本を読む習慣さえあれば・・・
成功についての本を読むと「習慣は今と理想をつなぐ架け橋である」みたいなことが書いてありますが、成功に結びつくような行動が習慣化されていると、人は驚くような成果を出すものです。
ぼくも「早起き」とか「健康的な食生活」など、様々な良いことを習慣化させようとしていますが、なかなか上手くいきません(笑)
ただ、社会人になりたての頃から「ビジネス書を読む」というのは習慣になっており、本屋さんに行って「明らかに売れている」と思われる本はだいたい読んでいました。
これは、不動産投資にベストなタイミングで関わり、それなりの成果を出すために大きく寄与している習慣だったと今でも思います。
まず、2000年に世界的ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」という本が出ました。
取引先の方に勧められて書店に行ったら、一番目立つところに平積みになっていたので迷わず購入して読んだ訳ですが、この本を読めば
・複数の収入源を確保することの重要性
・経済的自由という概念
・ファイナンシャルリテラシーを高める
・負債ではなく資産を買う
など、失敗しないための基本的な原理原則については理解できます。
不動産投資に興味があった方はもちろん、単に「収入や資産を増やしたい」くらい漠然とした願望を持っている程度でも、この本をきっかけに何らかのアクションを起こせたと思います。
また、お金を使って勉強することについても重点を置いて説明されており、それを守っていれば大きな失敗をする(かぼちゃの馬車を買ってしまうなど)ことは防げたはずです。
「金持ち父さん」はアメリカで出版された本なので、日本の不動産投資にそのまま当てはまることは少ないですが、この本をきっかけに情報収集をしていれば、2003年頃から世に出てきた不動産投資の書籍(藤山勇司さん、沢孝史さん、山田里志さんなどが有名です)を手に取って、実際の購入活動をスタートできたと思いますし、自分もまさにそういうパターンでした。
すなわち、「資産の拡大に関心があり、日頃からビジネス書を読む習慣のある人」は、みんな金持ち父さんと2003年からの不動産投資本を読んだはずで、現在40~50代の方であれば非常に良いタイミングで不動産投資の世界に入って行けた確率が高いのです。
■自動的に成果を出すための「環境」と「習慣」
該当の年代の方で、良いタイミングを逸したと自覚されている場合は
1.本を読む習慣がなかった。
2.斜に構えた読書習慣がついており、素直に共感できなかった。
3.共感できたが、具体的な行動に移せなかった。
4.いろいろ行動したけど成果が出なかった。
のどれかに当てはまっていると思います。
1と2は習慣の問題ですし(「斜に構えた読書習慣」はキケンです。あら探しをしながら本を読んでもろくなことはありません)、3と4は適切な環境に身を置いていれば成功した可能性も高いです。
しかし、逃したチャンスを嘆く必要はありません。10年に一度のチャンスは実は毎週のようにやってきており、人はほとんどのチャンスを見逃しているとも言います。今から環境と習慣を改善すれば、必ず良い偶然を引き寄せるでしょう。
必死で努力するのではなく、自動的に目標に近づく行動が取れるようになる方が楽しいですよね。