長く続いているLIFULL HOME’S 不動産投資のコラム。質問回答を中心とした「誌上チャレンジ面談編」も、今回で20回目を迎えました。お読みいただいている皆様、ありがとうございます。
さて、今回は非常によくある質問、お悩み、失敗事例を総合してお話しようと思います。
それは「配偶者に不動産投資を反対されている」というものについてです。
そういう悩みのない方から見ると、どうして打開できないのか分からないようなお悩み(特に、男性が奥さんから反対されている場合)なのですが、困っているご本人からすれば出口の見えない切実な問題です。
男女の思考の違い
ぼくは長いこと、一棟目購入のための無料面談(チャレンジ面談)を行っていますが、こちらに来られる方や、その後も継続的なアドバイスをさせていただくチャレンジ生を見ていても、男女の差というのは確実にあります。
http://toushika-keichan.com/charenge/
ぼくは、「男性脳、女性脳」なんて言い方はあまり好きではありませんが、はるか昔の原始人の頃から男女には役割の違いがあり続けていますし、それが現代でも考え方や価値観の違いをもたらしていると考えるのはごく自然なことです。男女は平等ですが、同じではありません。
そして、この考え方や価値観の違いが、「配偶者に不動産投資を反対される」という原因のひとつになっていることは間違いないでしょう。
例えば、奥さんに反対されている男性の場合、
「キャッシュフローも潤沢、出口戦略も安心できるのに危険だと言われる」
「副収入の必要性を理解してもらえない」
「保証人になるのがどうしてもイヤだと言われる」
というような理由がほとんどです。
これは、男性の投資家さんのシミュレーションや物件選択に問題がある場合もあり得ますが、実は多くの場合「言っている意味がよく分からないから」という理由であることが多いです。
一般的に、女性は男性に比べて「目に見えているもの、その場にあるもの」に関心が高いと言われています。男性はそうではなく、「バーチャルなもの、スケールの大きいもの」を好む傾向があります。
これは、例えば食事や飲み会での会話などでもすぐに違いが分かることです。
男の人同士の飲み会では、「プロジェクトの方向性がおかしい」みたいなスケールの大きな話だったり、またはご自身の武勇伝的な「語りもの」や、思い出話などがテーマになることが多いのではないでしょうか。
逆に、女性だけの会食においては、それぞれが着ている服だったりお店のインテリアだったり並んでいる料理だったりといった、リアルで共有できるものが話題になります。ご自身の子供や家族などの「身近な話題」を好むのも、大抵は女性です。
シミュレーションより現地に連れて行く
そして、このあたりの違いに「奥さんが反対する」という原因のひとつがあります。
つまり「旦那さんの話がバーチャル&スケールが大きすぎて分からない」のです。
奥さんの理解を得られていない方に聞いてみると、ほとんどが「物件概要書と収支のシミュレーションを見せて説明した」という話をしてくれます。
1千万円弱の頭金を使うだけで、毎月20万円のキャッシュフローが出続けるだけでなく、10年後に売却すれば2千万円以上のキャッシュが戻ってくる・・みたいな話は非常に魅力的ではあるのですが、先述のように女性はバーチャルなものや現実感のないものをあまり好みません。
将来のキャッシュフローや出口戦略はよく分からないけど、1億円の借金はイメージしやすいので、「うちの旦那は訳の分からないものを、1億円借金して買おうとしている」と思ってしまうのです。それでは、反対されてしまうのも無理はないでしょう。
一方、奥さんの反対に悩んでいる方が、実際に奥さんを現地に連れて行って物件を見せたり、普段やりとりしている不動産会社の人に会わせたりすることはほとんどありません。
物件のイマイチなところを指摘されたくないのか、業者さんとの商談に同席されることで、ご自分の知識や経験のなさが露呈するのを恐れているのか、いずれにしても「リアルなもの」から奥さんを遠ざけようとしていることが多いのです。
※ちなみに、ここに出てきた男性の「プライドの高さ」は、逆のパターン(旦那さんが反対するケース)で留意するポイントです。
物件やご自身の弱みを隠して、格好いいところだけで賛同を得ようとするのではなく、全てを公開して良い点・悪い点とも分かってもらうこと。そして不動産投資について現実感を持って理解してもらうことが、奥さんに賛成してもらう早道のひとつです。
心配されているのは、不動産投資ではなくて・・
次に「副収入の必要性を理解してもらえない」パターンを説明したいところですが、その前に根本的な話をひとつ。
不動産投資はしっかり勉強して真剣に取り組めば、高い確率で資産や収入の増加を実現できるものであるのは事実です。そして、ほとんどの方がその資産・収入を増やしたい理由として「家族のために」と考えていると思います。それなのに、なぜ理解賛同を得られないのか。
やはりそこには「究極的なところで、信用を得られていない」ということに尽きるのではないでしょうか。
試しに、不動産投資に反対されている男性が、「会社を辞めて起業しようと思っている」という話を奥さんにしてみると、100%反対されるはずです。ベンチャー企業への転職でも同じでしょう。
これは不動産投資ではなく、残念ながらご本人自身が信用されてないということの表れです。
普段の言動や生活態度、家族とのコミュニケーション、勤務先でのお仕事ぶり、趣味や自分に課した日課をきちんと遂行しているかどうか、さらには起床時刻やお酒の量、禁煙や減量に成功したかどうかまで、奥さんは総合的かつ冷静に自分のパートナーを判断した上で不動産投資に反対している訳です。
まずは、そうした細かいひとつひとつを振り返り、改めていくことが大切ですね。
また、自分が自由に使えるお金の範囲(もちろん借入なし)で不動産を購入し、しっかり修繕や客付けを行って利益を生ませてみるのも良い方法です。
信用されるような行動ができていなかった自分が、実際に不動産投資で狙った通りの成果を出して成功したという事実は、奥様の理解を得るための強烈なプラス材料になるのは間違いありません。
物件の良さを分かってもらった上で賛成されるよりも、願わくは「あたなが選んだことでしたら、私は無条件で賛成いたします」と言われるようになりたいものです(笑)
次回の後編は、奥さんに問題があるパターンの解説と、逆に旦那さんから反対されている女性投資家さんの解決についてお話したいと思います。